シンガポールは、常に最新の技術を取り入れて進化を続ける都市国家であることは有名ですよね。そんなシンガポールのハブ空港「チャンギ国際空港」では2024年8月から、出入国手続きの大幅なデジタル化が進むこととなりました。これにより、長期滞在ビザ保有者などを中心に、出入国の際にパスポート提示が不要となる、革新的なシステムが導入されることになりました。この新制度の導入は、出入国手続きの効率化を図る一方で、観光客にも間接的なメリットをもたらすことが期待されています。今回は、この新制度の概要と観光客への影響について詳しく解説します。
新制度の概要
新制度は、シンガポールの出入国管理局(ICA)が進めるデジタル化プロジェクトの一環として導入されます。主な対象は、6歳以上のシンガポール人、永住権(PR)保有者、長期滞在ビザ保有者などの居住者となります。
新制度の中核を成すのはバイオメトリクス技術です。顔認証技術(虹彩認証)を利用して事前に登録された顔画像と実際の顔を照合することで、パスポート提示なしで本人確認が可能になります。虹彩認証は、従来の指紋認証に比べてさらに個人を特定する精度が高いとされていることから、新たな技術導入によって迅速かつ確実な身分確認が可能となりそうですね。
残念ながら観光目的の一時滞在旅行者は引き続きパスポートの提示が必要です。将来的にはどうなるかわかりませんが、直近の制度導入にあたっては我々外国人観光客は対象外となるようです。
ちなみに、海路や陸路を含む、新制度の導入スケジュールは以下の通りとなります。
導入スケジュール
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- 2024年8月5日から、第3ターミナルの一部自動化レーンで新システムを導入。
- 9月までには全てのターミナルに拡大予定。
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海路
- 湾岸部のマリーナ・ベイ・クルーズ・センターで、2024年12月までに段階的に新システムを導入。
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陸路
観光客への影響
先述の通り、今回の新制度の対象となるのは永住者やシンガポール国民など、一部の渡航者に限られます。しかし、今回の変革によって、一時的にシンガポールへ滞在する観光客にとっても、間接的なメリットがもたらされることが予測されてます。以下では、その可能性について見ていきましょう。
混雑の緩和
新制度の導入により、シンガポール人や永住者、長期滞在ビザ保有者の出入国手続きが迅速化されることで、空港や港湾、国境検問所の混雑が大幅に緩和されることが期待されます。混雑の緩和によって、観光客は長時間の列に並ぶ必要がなくなり、空港内でのストレスが軽減されると嬉しいですよね。これにより、観光客も出入国手続きの待ち時間が短縮され、スムーズな旅行&より長いシンガポール滞在が可能となることでしょう。
トランジット旅行のさらなる可能性
出入国手続きにおける待ち時間は、特に短時間のトランジットで乗り継ぎを行う旅行者にとっては、ちょっとの差が命取りになる事も。以前トランジット時間を有効活用して市内観光をする旅行プランを紹介したことが有りますが、出入国に要する時間が短縮されることで、トランジット観光の幅も一層広がることが予測されます!
シンガポールはトランジットのハブとしても利用されることが多いため、スムーズな移動が求められる多くの旅行者にとって、新制度は歓迎すべき変革だ言えますね!
シンガポールでの乗り継ぎ旅行については、下記記事もご覧ください!
セキュリティの向上
新制度では、顔認証や指紋認証などのバイオメトリクス技術が導入されるため、セキュリティが向上します。これにより、なりすましや偽造パスポートのリスクが低減され、観光客にとっても安心して旅行できる環境が整います。
経済効果の増加
新制度の導入により、シンガポールはさらに魅力的な旅行先として認知されることが期待されます。これにより、観光客数の増加が見込まれ、観光業界や関連産業における経済効果が増大するかもしれませんね。観光客向けのインフラや観光資源が整備されれば、シンガポールが一層魅力的な渡航先となる可能性を秘めていると言えますね!
まとめ
シンガポールのチャンギ空港で導入される新しい出入国審査制度は、直接的にはシンガポール人や永住者、長期滞在ビザ保有者を対象としていますが、観光客にとっても間接的なメリットが多数あります。混雑の緩和、セキュリティの向上、経済効果の増加など、その恩恵は多岐にわたります。また、長期的には我々観光客向けにも同制度が開放されたり、もしくは他の国でも同様の制度が導入される可能性も期待できますね。
旅行好きのライターとして、この新制度によりシンガポールがさらに魅力的な旅行先として注目を集めることになれば幸いに思います。
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