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上海で急激に廃墟化が進んでいるって本当?旅行者目線で現地の様子を確かめてみた

近年、中国経済の減速や政治情勢の変化が報じられる中、上海の急速な衰退や廃墟化を示唆する噂が広がっています。特に、最近公開されたYouTube動画が多くの注目を集め、上海の荒廃を警告する内容が話題になっています。この動画では、上海の商業地区がシャッター通りと化し、人々が去り、街全体がゴーストタウン化しているといった、衝撃的な映像や解説がなされました。

YouTube動画からの影響と噂の拡散

「世界有数の都市である上海が、なぜたった数ヶ月で廃墟と化したのか?」というテーマを掲げた動画は、地理や政治経済に関心を持つ視聴者の間で大きな反響を呼びました。動画内では、国際企業の撤退や失業率の増加、過剰な都市開発のツケが表面化し始めたことが要因として挙げられています。

一方で、その動画に寄せられたコメントの内容からは、上海の廃墟化に対する意見は二分しているように感じられました。上海の荒廃を嘆く声(或いは、喜ぶような心ない声も)がある一方で、実際に訪れた旅行者の中には、活気が感じられたとする意見も見受けられます。情報の信ぴょう性には疑問が残り、現地の実態を見ずして机上の空論だけを展開するのは不適切だ、という声が少なからずありました。

現地レポート:上海は本当に廃墟化しているのか?

この度筆者も丁度実際に上海を訪れる機会があったため、情報の信ぴょう性を確かめるべく現地の様子を調査しました。結論から言うと、YouTube動画で描かれているような「廃墟化」した都市の姿は、一面的な誇張に過ぎないように思えました。

南京東路周辺は渋谷にも負けない相変わらずの活気ぶり

まず、上海の中心地である外灘や南京東路を歩いてみると、観光客や地元の人々で賑わいを見せており、ビル群の光り輝く夜景は健在です。一部の商店が閉鎖されているエリアもありましたが、それは再開発や店舗の移転に伴う一時的な現象であり、都市全体が廃墟化しているわけではありません。筆者は2019年末、コロナ禍直前の時期にも上海を訪れていますが、その時と比較しても、今回は観光客の数が格段に増加しているように感じました。特に、外灘周辺の絶景スポットには多くの国内観光客で賑わいを見せており、まるでフェスティバルのような活気がありました。ビザルールの変更によってか外国人観光客はあまり見かけませんでしたが、中国各地から訪れる観光客の勢いは、むしろ数年前にも増しているようです。

むしろ人が多くなった?浦東の摩天楼絶景スポット

さらに、地元の人々に話を聞くと、上海における経済的な困難や厳しい政策に対する不安の声は確かに存在しましたが、多くの人は日常生活を普通に送っており、都市全体が「ゴーストタウン」になるような印象は受けませんでした。コメント欄にもあったように、「廃墟」という表現は少々過剰ではないかと感じられます。

何が噂を生んだのか?

では、なぜ「上海廃墟化説」がここまで広まったのでしょうか?その背景には、以下のような要因が考えられます。

過剰な都市開発とバブル崩壊への懸念

中国の都市開発は、近年急速に進んできましたが、その反動で一部の地域では空きビルや未使用のインフラが増加しています。この現象が「廃墟化」の噂を助長していると考えられます。

政治的な緊張と外資企業の撤退

中国政府の強権的な政策や国際関係の悪化により、多くの外国企業が中国市場から撤退を始めているという事実は確かにあります。これにより、上海を含む都市部での経済活動が減少し、空きオフィスが増えていることが指摘されています。

フェイクニュースと過剰報道

一部のメディアやSNSでは、都市の衰退や経済危機を強調することで注目を集めようとする動きがあります。実際の状況よりも悪化しているように見せる映像や、意図的に編集されたニュースが、今回の噂の火種となっている可能性が高いです。

旅行者にとっての上海の現状

旅行者目線で見ると、上海は依然として活気ある観光地であり、多くの見どころがあります。外灘の夜景、豫園の歴史的建築物、現代的なショッピングモールなど、上海ならではの魅力は健在です。観光地は依然として多くの人々で賑わっており、商業施設も通常通り営業しています。

ただし、旅行者として注意すべき点はあります。中国全体での経済情勢の悪化や、一部エリアでの店舗閉鎖など、かつての上海の経済的勢いが失われつつあるのも事実です。特に、観光地以外の地域ではシャッターが降りている店舗が目立ち、経済的な影響が垣間見える場面もありました。

まとめ:真実は一体どこに?

「上海が廃墟化している」という噂は、動画内で描かれているような急激な崩壊とは言えないものの、一部には確かにその兆候が見られるのも事実です。しかし、現地を訪れた感想としては、上海は依然として多くの人々が集まる大都市であり、観光やビジネスの拠点としての魅力はまだまだ健在です。動画や噂だけでなく、自分の目で確かめることが、現代の情報社会ではますます重要になっていると感じました。

旅行者として訪れる際は、情報に惑わされず、実際の現地の様子を見極めることが大切です。そして、その上で自分なりの視点で上海を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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