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ジャカルタの観光地スンダ・クラパ港を生半可な気持ちで訪ねてはいけないワケ 

今回は、インドネシアの首都ジャカルタにある「スンダ・クラパ港(Pelabuhan Sunda Kelapa)」について、私の実体験をもとにお話しします。ガイドブックでは「必見スポット」としてよく紹介されているこの場所、実は観光には極めて不向きの場所なのです。今回は実際に現地を訪問した感想を踏まえ、訪問時の注意点について綴っていきたいと思います。

スンダ・クラパ港とは

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ジャカルタ北部に位置するスンダ・クラパ港。多くの旅行ガイドやウェブサイトでは、スンダ・クラパ港をこう紹介しています:

  • 12世紀にさかのぼる長い歴史を持つ港
  • かつてのスンダ王国の主要貿易港
  • 伝統的な帆船(ピニシ船)が見られる絶景スポット
  • インドネシアの海洋文化と貿易の歴史を体感できる場所

これだけ聞くと、ジャカルタ観光の目玉スポットの一つのように思えますよね。私も、インドネシア旅行の計画を立てる際、真っ先に訪問リストに加えました。しかし、実際に訪れてみると、観光スポットとしては色々と難ありな場所であることが分かりました。

現実は厳しい:アクセスの悪さ

現地人ですら寄り付かないような、辺鄙な工業地帯を通ってアクセス

まず抱いた感想は、スンダ・クラパ港へのアクセスが、想像以上に困難であるということ。ジャカルタの中心部からタクシーで向かったのですが、まず驚いたのが移動時間。慢性的な渋滞のせいで、予想の倍以上の時間がかかりました。

さらに厄介だったのが、港の近くまで来たところで遭遇した問題です。港への道中、道路にゲートが設置されており、そこから先は一般車両進入禁止だったのです。タクシーの運転手さんも、何のためにこんなところへ行くんだ?とでも言わんばかりの困惑した様子で、最終的にここで降ろすしかないと言われました。

徒歩で港まで向かおうと思いましたが、炎天下の中、どこまで歩けば港に着くのかも分からない状況。熱中症のリスクを考えると、むやみに歩き出すのも危険です。とは言え近くまで来たからには今更引き返すこともできず、とりあえず港を目指すことにしました。

期待はずれの港の風景

これがその有名観光地なのか、、?

ようやくたどり着いた港の風景は、正直言うと期待はずれでした。確かに数隻の帆船は停泊していましたが、モルディブのドーニやオマーンのダウ船のようなエキゾチックさはなく、一見すると普通の大型貨物船のよう。またそれ以外は特に見どころがありません。歴史を感じさせるような建造物もなく、ただの作業中心の商業港という印象でした。

商業船の浮かぶ商業港...正直心をくすぐるような感動には出会えませんでした。

案内板や説明資料も乏しく、この港の歴史的重要性を理解するのは難しかったです。数分で見終わってしまい、「これだけのために来たのか…」という虚しさを感じました。

観光客向けの施設はほぼ皆無

また観光地として紹介されているにもかかわらず、観光客向けの施設はほとんどありませんでした。休憩できるベンチや日陰も少なく、レストランMarina Bataviaを除いて、カフェなどの飲食店や土産物店などもありません。トイレを探すのも一苦労でした。

もちろん、港の歴史や文化を学べるような展示や、地元の人々と交流できるようなアクティビティもありませんでした。観光客が楽しめる要素が本当に少ないのです。

コンテナや貨物車と共に写真を撮ることくらいしかできない。しかもあんまり映えません。

帰りの足を確保するのが最大の難関

またこの旅一番の苦労を、帰りの際に味わうことになりました。帰りの交通手段をどうするか。行きと同様に、スマートフォンの配車アプリGojekを開いてみたものの、この辺鄙な場所では全く車が拾えません。通常なら数十秒で配車が成立するアプリが、ここではまったく機能しないのです。

炎天下で待っている間にもどんどん体力を奪われていき、このままでは本当に熱中症になりそうでした。トイレはもちろん、コンビニも自動販売機も見当たらず、水分補給もままなりません。結局、かなりの時間を費やして車通りのある場所まで徒歩で移動し、やっとのことでタクシーを捕まえることができました。この間、炎天下を十数分に渡って歩き続けたため、本当にくたばりそうになりました。ジャカルタの灼熱の太陽の下で、帰れなくなるかもしれないという不安と戦うのは、想像以上に過酷な経験でした。

反省と教訓

この経験から、私は旅行計画を立てる際の重要な教訓を得ました:

1. ガイドブックやウェブサイトの情報だけを鵜呑みにしない

2. 現地の最新情報を可能な限り集める

3. アクセス方法を事前に詳しく調べる

4. 帰りの交通手段も含めて計画を立てる

5. 天候や気温を考慮し、無理のない行程を組む

6. 水分補給や休憩場所の有無を確認する

特に、インドネシアやタイなど、格安配車アプリが活用されている地域では、旅をする中でどこへ行ってもサクッと帰ってこれるというイメージが段々と培われてきます。実際には、ジャカルタなどの都市部においても、人っ気の少ない工業地域などに行った途端、移動手段がなくなってしまう危険性があるということ、改めて肝に銘じておく必要がありそうですね。

まとめ:スンダ・クラパ港は観光地として要注意

結論として、スンダ・クラパ港は一般の観光客にはお勧めできません。もし歴史や港湾に特別な興味がある方や、あえてローカルな雰囲気を味わいたい方であれば、十分な準備と覚悟を持って訪れる価値はあるかもしれません。しかし、一般的な観光目的であれば、敢えて時間と労力を割いてまで行くべき場所ではないかもしれません。

旅行は期待と現実のギャップを楽しむものでもありますが、時には「行かないこと」を選択するのも賢明な判断と言えます。皆さんもジャカルタ旅行を計画する際は、この経験を参考にしていただければと思います。熱中症のリスクは本当に深刻ですので、十分にご注意ください!

とは言え、間違って来たからには全力で楽しもう。以上、スンダ・クラパ港レポートでした!

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