「日本人は東南アジアでモテる」という噂は、長年にわたり日本社会に浸透してきた。特にバブル期には、海外駐在員として豊かな生活を送る日本人のイメージが強く定着した。しかし、2024年の現在、この噂はどれほどの真実性を持つのだろうか。本稿では、筆者の東南アジアでの放浪経験と、現地駐在中の友人たち、そして旧知の現地の人々からの最新情報をもとに、この噂の真偽について考察する。
噂の変遷:バブル期から現在まで
バブル期において、この噂は一定の真実性を持っていた。日本企業の海外進出が活発化し、多くの日本人が東南アジア諸国に駐在員として派遣された。彼らは高給を得て贅沢な暮らしを送り、現地の人々から「お金持ち」というイメージで見られていた。このような状況下では、日本人であることがほぼ無条件にモテる要因となっていたのは事実である。
しかし、バブル崩壊後、状況は大きく変化した。日本経済の低迷と為替変動により、日本人の経済力は相対的に低下した。かつての金銭的な魅力は薄れ、「日本人=お金持ち」という図式は崩れつつある。
経済力とモテの関係性
東南アジアに限らず、経済力がある人物が好まれるという傾向は世界共通である。特に東南アジア諸国においては、物価差や所得水準差のため、日本人の多くが比較的裕福な生活を送ることができ、現地の人々から経済的に余裕のある存在として認識されていた。しかし、これは日本人に限った話ではない。欧米諸国や中国など、他の先進国出身者も同様の扱いを受けている。
つまり、「日本人がモテる」というよりも、「経済力のある人がモテる」という表現の方が正確であろう。残念ながら、2024年現在、日本人はかつてほどモテなくなっている。為替変動や物価上昇に伴い、アジア諸国に対して日本人の経済力が相対的に低下しているためである。
外見の影響
お金なき今、我々日本人に魅力はあるのだろうか。外見に関しては、日本人男性の容姿を特に好む外国人は多くないのが現状である。一部の日本文化愛好者を除いては、日本人男性の外見に特別な魅力を感じる層は限られている。近年では韓流ドラマやK-POPの影響もあり、韓国人男性を好む女性が増加傾向にある一方で、日本発の芸能・カルチャーがアジア諸国に浸透していないのが一因だろう
タイの事例
タイを例に取ると、「タイに行けばモテる」という考えは2024年において大きな誤解であることがわかる。かつては魅力的な駐在先として日本人男性からの人気を得てきたタイであるが、先述の経済動向変化により事情は変わりつつある。
タイ人は日本人と比べて平均身長が高く、体つきも筋肉質で魅力的な若者が多い。このような環境下で、なぜわざわざ日本人を選ぶのかという疑問が生じる。日本人に好意を示す女性がいたとしても、それが純粋な感情からなのか、あるいは商売目的やお金目的なのかを見極める必要がある。真にタイでモテるような男性は、そもそもタイに限らず日本や諸外国でもモテる可能性が高い。
インドネシアの状況
一方、インドネシアは東南アジアの中でも比較的日本人がモテやすい国と言われている。その理由として、インドネシア人の平均身長が日本人より低いこと、また肌の色が明るい方が裕福そうで魅力的というイメージが根強いことが挙げられる。これらの要因により、日本人というだけでモテる可能性がある程度存在する。実際に2024年今日においても、インドネシアの片田舎に行けば、一緒に写真を撮ってほしい、と名乗り出る若者がちらほら現れる程である。
日本人女性の場合
日本人女性に関しては、日本人男性に比べて世界中でモテると言われてきた。これは、日本人女性の清楚で優しいイメージが世界的に好まれているためである。東南アジア諸国でも例外ではなく、多くの男性から好意を寄せられる傾向にある。
とは言え、こちらも近年事情が変わりつつある。アメリカ等の先進国へ出稼ぎのような形で売春を行うため渡航をする女性旅行者が増えたため、日本人女性に対してそういった偏ったイメージが培われつつあるのだ。一旅行者として非常に嘆かわしいことだと感じるが、実際に売春目的で物価の高い国へワーホリに行く例は年々増えており、それ故日本人全体に対するイメージの変化が生まれているというのは納得できる。
結論
2024年現在、「日本人は東南アジアでモテる」という噂は、かつてほどの真実性を持たなくなっている。為替変動や物価上昇の影響で日本人の経済力は相対的に低下し、同時に東南アジア諸国自身も経済発展を遂げ、所得水準が向上している。そのため、かつてのような金銭的な魅力によるモテは期待できない状況となっている。
真に東南アジアでモテるためには、経済力や外見だけに頼るのではなく、現地の人々と真摯に向き合い、その文化や価値観を理解することが重要である。誠実で思いやりのある態度で接することで、信頼関係を築き、自然な恋愛関係に発展させていくことが可能となるだろう。
今後、東南アジア諸国との経済格差がさらに縮小していく可能性がある一方で、日本文化への関心が高まっていく可能性も考えられる。そうであれば、日本人は自国の文化を活かした交流を深めることで、新たな魅力を発信していくことができるかもしれない。
最後に注意すべき点として、本稿は筆者の個人的な経験や意見に基づいており、すべての東南アジア諸国に当てはまるものではないことを付記しておく。また、個人の価値観や好みは多様であるため、一概に「モテる」と断言することはできない。読者におかれては、これらの点を踏まえた上で、本稿の内容を参考にしていただきたい。
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