世界には、美しい景色や豊かな文化を持つ魅力的な国々がたくさんあります。しかし、その一方で、2024年秋現在、地政学的な緊張や紛争により、旅行者にとって特に危険な地域が増加しています。前回の記事では、ソマリア、イエメン、北朝鮮、ハイチ、アフガニスタンを取り上げましたが、今回は最新の情勢を踏まえ、新たに渡航を避けるべき5カ国を紹介します。
※本記事は政治的にセンシティブな内容を含む上、情勢が日々変化する可能性があります。記載内容が最新でない可能性があることをご了承ください。
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1. イスラエル
イスラエルは、豊かな歴史と文化を持つ中東の国です。エルサレムやテルアビブなど、世界的に有名な観光地を有する一方、現在パレスチナとの衝突を受け、言わずもがな危険地域に。外務省海外安全ホームページにてイスラエル全土に「レベル4:退避してください。渡航は止めてください(退避勧告)」が発出されています。
イスラエルが危険な理由
• 武力衝突: パレスチナ武装組織との衝突が継続しており、ロケット攻撃や軍事作戦が頻発しています。
• テロの危険性: 民間人を標的としたテロ攻撃のリスクが極めて高い状況です。
• 治安の急激な悪化: 情勢が急変する可能性があり、突如として大規模な戦闘に巻き込まれる危険があります。
• インフラへの攻撃: 空港や主要施設が攻撃対象となり、緊急時の退避が困難になる可能性があります。
どうしても行きたいなら?
現在の情勢では、観光目的での渡航は絶対に避けるべきです。将来、情勢が安定した際には以下の点に注意が必要です:
• 現地の治安情報を常時確認する
• 防空壕の場所を事前に確認する
• 緊急連絡先を常に携帯する
• 大使館に渡航登録を行う
2. イラン
イランは、古代ペルシャの遺産や豊かな文化を持つ国で、昨年までは日本からも多くの旅行者が訪問する人気渡航先の一つでした。しかし現在、イスラエルとの緊張によりイラン国内での空爆リスクが高まっているなど、外務省海外安全ホームページにて多くの地域に高レベルの危険情報が発出されています。
イランが危険な理由
• 国際的緊張: 周辺国との軍事的緊張が高まっており、武力衝突のリスクがあります。
• 政治的不安定: 国内での抗議活動や取り締まりが継続しています。
• 外国人の拘束リスク: 外国人が諜報容疑で拘束される事例が報告されています。
• 制裁の影響: 国際的な制裁により、銀行取引や緊急時の対応が困難です。
どうしても行きたいなら?
• パレスチナ問題が一旦落ち着くまで待つ
• 現地の服装規定を厳守する
• 政治的な発言や活動を避ける
3. レバノン
レバノンは、地中海に面した美しい景観と豊かな食文化で知られる国です。しかし現在、外務省海外安全ホームページにて「レベル4:退避してください。渡航は止めてください(退避勧告)」以上の危険情報が発出されています。レバノンの首都ベイルートでは特に、武装集団ヒズボラが拠点を置くことからイスラエルからの空爆が相次いでおり、現状とても観光に適した場所とは言えなくなっています。
レバノンが危険な理由
• 周辺国の紛争の影響: イスラエルとの国境地域での緊張が高まっています。
• 政治的・経済的不安定: 深刻な経済危機と政治的混乱が続いています。
• テロの脅威: テロ組織の活動が報告されています。
• インフラの機能不全: 電力供給や基本的サービスが不安定です。
どうしても行きたいなら?
• かわりにヨルダンへ旅行する
• 国境地域には絶対に近づかない
• 夜間の外出を避ける
4. スーダン
スーダンは、ナイル川沿いの古代文明の遺跡を持つ国です。しかし現在、外務省海外安全ホームページにて全土に「レベル4:退避してください。渡航は止めてください」が発出されています。ちなみに、スーダンのみならず、近年独立した南スーダンも退避勧告対象。解決にはもうしばらく時間を要しそうです。
スーダンが危険な理由
• 内戦状態: 軍事勢力間の武力衝突が継続しています。
• 人道危機: 深刻な食料・水・医療の不足が報告されています。
• 治安の崩壊: 一般犯罪や略奪が増加しています。
• 外国人の退避困難: 空港の閉鎖や交通インフラの破壊により、緊急退避が極めて困難です。
どうしても行きたいなら?
現在の情勢では、いかなる目的でも渡航は避けるべきです。将来、情勢が安定した際には:
• 武装警護付きで移動する
• 複数の退避ルートを確保する
5. ウクライナ
ウクライナは、豊かな文化遺産と美しい自然を持つ東欧の国です。しかし現在、外務省海外安全ホームページにて全土に「レベル4:退避してください。渡航は止めてください」が発出されています。理由はもちろん、皆さんご存知の東欧情勢が大きく関係しています。
ウクライナが危険な理由
• 軍事侵攻: 継続的な戦闘が行われており、民間人への被害が報告されています。
• ミサイル攻撃: 都市部を含む広範囲でミサイル攻撃が行われています。
• インフラ破壊: 電力・水道などの基本インフラが深刻な被害を受けています。
• 不発弾の危険: 地雷や不発弾による危険が広範囲に存在します。
どうしても行きたいなら?
現在の戦争状態では、観光目的での渡航は絶対に避けるべきです。将来、戦争が終結し、安全が確保された際には:
• 地雷除去が完了した地域のみを訪問する
• 現地の安全情報を常時確認する
• 避難シェルターの場所を把握する
• 緊急医療サービスの利用方法を確認する
総括
2024年秋現在、世界各地で地政学的な緊張が高まっており、これまで観光地として人気のあった国々でも深刻な危険が存在しています。海外旅行を計画する際は、必ず以下の点を確認しましょう:
• 外務省の海外安全ホームページで最新の危険情報を確認する
• 戦争下でも適用される、十分な補償内容の海外旅行保険に加入する
• 現地の大使館に渡航登録を行う
• 緊急時の退避ルートを複数確保する
特に上記で紹介した国々については、情勢が改善するまで渡航を避けることを強く推奨します。旅行者の安全が最優先であることを忘れないでください。
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