定番ツアーはもう飽きた?ローカル旅行情報発信サイト「コスパトラベル」

パッケージツアーやガイドブックに頼った旅行に飽きてしまった大の旅行好きの方々向けに、ローカルでコスパの良い旅行プランをまとめたポータルサイト

タイで静かな海を味わいたいなら、穴場島「Koh Kood(コークット)」へGO!【後編】

前回に続き、今回はタイの穴場ビーチリゾート島「コークット(Koh Kood、Ko Kutとも)」での滞在についてレポートします。

至福のビーチタイム

部屋に荷物を置いた後、待ちきれない気持ちで真っ先にビーチへと足を運びました。目の前に広がるのは、どこまでも続く白砂のビーチ。足裏に伝わる砂の感触は、思っていた以上に細かく柔らかで、まるで上質なパウダーを踏んでいるかのよう。波打ち際まで歩を進めると、透明度の高い海水が足首を優しく撫でていきます。

遠浅の海は、シュノーケリングには向いていないかもしれませんが、のんびりと海水浴を楽しむには最高の環境です。水深が緩やかに深くなっていくため、泳ぎが得意でない人でも安心して楽しむことができます。海底は白砂で覆われており、太陽の光を反射して美しい光のグラデーションを作り出します。

透き通った海水に身を委ねれば、日常のストレスが溶けていくよう。波のリズムに身を任せながら、ただ空を見上げる。時折通り過ぎる白い雲を眺めながら、何も考えずにただそこにいる。そんな贅沢な時間を過ごすことができます。

ビーチには、リゾートが用意したビーチベッドやチェアが点在しています。深く腰掛け、波の音を聴きながらうとうとするのも、またとない幸せです。ついつい昼寝をしてしまいましたが、目が覚めれば、目の前には変わることのない青い海。時間の流れすら忘れてしまいそうな、至福のひとときです。

静寂が織りなす特別な空間

Koh Koodの最大の魅力は、その静けさにあります。観光地化があまり進んでいない島だからこそ、ビーチにはほとんど人影がなく、まるでプライベートビーチのような感覚を味わえます。他のビーチリゾートでよく見られるような、大音量の音楽や賑やかな声も聞こえてきません。代わりに耳に届くのは、波のさざめきと、椰子の葉が風に揺れる音だけ。

まだまだ漁村のような様相を残すコークット

時折、地元の漁師が小さな漁船で沖に出ていく姿が見えることもありますが、それすらもこの場所の魅力的な風景の一部となっています。彼らの素朴な暮らしぶりを垣間見ることができるのも、この島ならではの特別な体験といえるでしょう。

息をのむような夕暮れ

特に印象的だったのは、西向きのビーチから眺める夕陽でした。午後5時を過ぎる頃から、空全体が壮大なキャンバスに変わっていきます。まずは黄金色に染まり始める水平線。そこから徐々に、オレンジ、赤、紫、そして深い青へと移り変わっていく色彩のグラデーションは、まさに自然が描く芸術作品です。

日が沈むに従い、色合がどんどん幻想的に

この海では、太陽が海に沈む瞬間に「グリーンフラッシュ」と呼ばれる現象を見ることができることも。太陽の最後の光が大気中で屈折して、一瞬だけ緑色に輝く神秘的な現象です。私自身その光景を目にすることは叶いませんでしたが、きっとそんな幻想的な光景はより深く心に刻まれることでしょう。

心癒される夜の過ごし方

開放感たっぷりの屋外レストラン

日が沈むと、リゾート内の屋外レストランで夕食を楽しみました。レストランは砂浜のすぐ近くに位置し、波音を聞きながら食事を楽しむことができます。天井のない空間には、やわらかな照明が配され、星空を眺めながらの食事も可能です。

新鮮なシーフードを使ったタイ料理の数々は、本場ならではの味わい深さ。特に印象的だったのは、島で獲れたエビを使ったガパオクン。レモングラスとライムの爽やかな酸味が効いた味付けが、エビの繊細な味わいを引き立てます。

デザートに注文したセンソムシャーベットは、個人的にはタイに来る度に食べたい(飲みたい)お気に入りドリンク。甘みと酸味のバランスが絶妙で、暑い気候にぴったりの爽やかさです。たっぷりお酒が入っているので、甘さに騙されてクイクイ食べ進めてしまわないよう用心したいところです。

レストランではBGMは心地よく流れているものの、決して騒がしくはありません。チルアウトミュージックが、波の音と見事に調和しています。他の宿泊客たちも、静かに海を眺めながら食事を楽しんでいます。パーティー気分を求めて来る人はほとんどいないようで、そこがまたKoh Koodの魅力となっているのでしょう。

その夜は、エアコンを切り、バルコニーのドアを開けたまま眠りにつきました。心地よい潮風と、遠くで聞こえる波の音が、まるで子守唄のように私たちを深い眠りへと誘ってくれます。都会では決して味わえない、自然に包まれた心地よい睡眠でした。

最後の朝を迎えて

翌朝、目覚めると既に太陽は昇り、その光が海面に反射して部屋の中まで差し込んできます。朝のビーチは、また違った表情を見せてくれます。朝露に濡れた砂浜には、カニたちが残した跡が無数に残り、夜の営みを物語っています。

朝食をとりに向かうレストランまでの道すがら、ビーチでくつろぐ野良犬たちの姿も。彼らもまた、この島の穏やかな空気に魅了されているかのようでした。犬たちは人なつっこく、時折観光客に寄り添って一緒に散歩を楽しむこともあります。

朝食はバイキング形式。新鮮なトロピカルフルーツや、タイ式のお粥「ジョーク」を楽しみました。ジョークには島で採れた新鮮な海老が添えられ、生姜の風味と相まって、朝の目覚めにぴったりな一品でした。

心に残る島との別れ

昼には送迎車で再び港へ。たった1泊2日の短い滞在でしたが、バンコクの喧騒を忘れ、心身ともにリフレッシュするには十分な時間でした。港に向かう車窓からは、来た時と同じ景色が広がりますが、今度はどこか寂しさを感じます。

まとめ:Koh Koodの魅力

Koh Koodは、「観光地化されすぎていない」という言葉が最大の褒め言葉となる、稀有な場所です。2泊以上の滞在でも、決して飽きることはないでしょう。むしろ、島の静けさに身を委ねれば委ねるほど、新たな魅力が見えてくるはずです。

島内には、まだ訪れていない数々の美しいビーチや滝があり、レンタルバイクで島を周遊するのも一つの楽しみ方。また、カヤックスタンドアップパドルボードなどのマリンアクティビティを楽しむことも可能です。のんびりとした海を楽しみたいならば、是非コークットを訪ねてみてください。

夕陽の沈む海を眺めながらゆったりとした時間を過ごしたい方に、コークットはおすすめです!