前回の記事では、布農部落休閒農場で披露される伝統芸能のパフォーマンスについてご紹介しました。圧倒的な歌声と、伝統と現代が融合した見事なステージに、私たちは深い感動を覚えました。
しかし、この施設の魅力はそれだけではありません。今回は、施設内の様々な体験スポットやショップ、カフェなどをご紹介したいと思います。
前回記事はこちらから!
布農部落休閒農場について
この施設は1994年、白光勝牧師によって構想が練られ、翌年に台湾初の先住民族による文化財団として設立されました。台東県の緑豊かな渓谷の高台に位置し、ブヌン族の文化継承と経済的自立の両立を目指して運営されています。
入場料は一人500台湾ドル。この中には伝統芸能の鑑賞料が含まれているほか、施設内で使える100台湾ドル分のバウチャーも付いてきます。営業時間は朝9時から午後5時まで。芸能公演は午前10時30分と午後2時の1日2回行われています(ただし30人未満の場合は中止となるため、事前確認をお勧めします)。
伝統の射的場で狩猟体験
緑深い木々に囲まれた敷地の一角に、伝統的な射的場が設けられています。ブヌン族は古くから弓矢を使った狩猟を行ってきた民族。その文化を体験できる場として、丁寧に作られた空間です。
的には動物の絵が描かれており、より臨場感のある体験ができるよう工夫されています。実際に弓を手に取っている人たちは、想像以上の重みと張力を感じている様子。昔の狩人たちは、この弓で獲物を追い、家族や集落の人々の糧を得ていたのかと思うと、感慨深いものがありました。
射的場の周りには、狩猟に使われていた道具類も展示されています。それらの多くが自然素材で作られており、ブヌン族の人々が自然との調和の中で生きてきた証を見る思いがしました。
暮らしと文化が息づくショップ
お土産コーナーは、単なる観光みやげ屋とは一線を画す充実ぶり。店内に一歩足を踏み入れると、まず香りに包まれます。地元で採れたハーブを使用したアロマオイルや、手作りの石鹸の優しい香り。トイレ前の手洗い場では、これらの石鹸を実際に使用することができ、思わず長居してしまいそうになりました。
棚には、ブヌン族の伝統的な模様が施された民族衣装やアクセサリーが並びます。一つ一つの模様には意味があり、スタッフの方が丁寧に説明してくれます。現代的なデザインのキーホルダーやジオラマなども、伝統模様を巧みに取り入れており、新しい形での文化継承を感じさせます。
特に目を引いたのは、小米酒のコーナー。試飲もできるとのことでしたが、残念ながら私はドライバーだったため断念。ボトルのデザインも美しく、台湾茶と並んで人気の土産品だそうです。
また、地元の女性たちが作る手工芸品コーナーも充実しています。カゴやアクセサリー、布製品など、現代的なデザインに伝統的な技法が活かされた品々が並びます。
絶景カフェで過ごす贅沢な時間
カフェに入ると、まず目に飛び込んでくるのが大きな窓からの眺め。渓谷を見下ろすテラス席からは、雄大な山々と緑豊かな谷が一望できます。この日は天気も良く、遠くまでくっきりと見渡すことができました。
「今日は視界が良いですね。雨の日は雲海が見られることもありますよ」
流暢な英語を操るスタッフの女性が、にこやかに話しかけてくれました。観光客との会話を楽しみながら、誇りを持って自分たちの文化を伝えているのが印象的でした。
カフェで提供される「布農コーヒー」は、この地域の標高を活かして栽培された特産品です。標高1500メートルを超える場所で育てられた豆は、深い香りと爽やかな酸味が特徴。ブヌン族の人々が丁寧に栽培から製造まで手がけているそうです。
テラス席に座り、コーヒーを味わいながら山々を眺めていると、不思議と時間がゆっくりと流れていくのを感じます。周囲からは鳥のさえずりや、そよ風に揺れる木々の音が聞こえてきて、まさに「天空のカフェ」という雰囲気です。
次回への期待を胸に
実は施設内には、私たちが体験できなかった魅力がまだまだ隠されています。特に評判なのが伝統的な原住民料理のランチ。地元で採れた食材を使ったオーセンティックな味わいが楽しめるそうですが、次の予定があった私たちは今回泣く泣く断念することに。
また、宿泊施設も完備されており、朝夕の静かな時間に村の空気を感じられるプログラムもあるとか。スタッフの方によると、夕暮れ時から夜にかけては、また違った表情を見せる村の風景が楽しめるそうです。
まとめ
布農部落休閒農場は、単なる観光施設ではありません。1984年に白光勝牧師が故郷に戻り、先住民族の文化継承と経済的自立の両立を目指して設立したこの場所には、伝統を守りながら現代に生きるブヌン族の姿勢が随所に表れています。
射的体験、手工芸品との出会い、絶景カフェでの一時。どれもが、ブヌン族の人々の暮らしや文化に触れる貴重な機会となることでしょう。その他にも、我々自身まだ体験できていない魅力も多く残されています。
次回は是非、宿泊を含めたより深い文化体験を楽しみたいと思います。
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