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イギリスでレンタカーを運転してみよう!安全性や運転難易度、注意点をペーパードライバー目線で徹底解説【運転レポート】

イギリスの田舎を旅するならレンタカーの利用がおすすめ!

イギリスは歴史的に発達した鉄道網を誇る国として知られていますが、限られた休暇で効率的に観光地を巡るには、レンタカーの利用がベストな選択肢となります。しかし、慣れない外国での運転、特に左ハンドル車での運転は、日本人ドライバーにとって大きな不安要素となることは間違いありません。また、イギリス特有の交通システムや道路事情は、その不安をより一層大きくする要因となっています。

そんな中、今回ペーパードライバーである私が、イングランドで約500kmに及ぶドライブ旅を敢行しました。出発前は不安で押しつぶされそうでしたが、実際に運転してみると意外にも対応できることが分かりました。この経験をもとに、イギリスでのドライブの注意点や交通事情について、初心者目線で詳しく解説していきます。

イギリスの基本的な交通事情

イギリスの道路は、日本と同じく右ハンドル&左側通行という共通点を持ちますが、そこから先はかなり異なる特徴があります。最も特徴的なのは、市街地に数多く存在するラウンドアバウトと呼ばれる環状交差点です。これは日本ではめったに見かけない道路システムで、最初は戸惑うことが多いでしょう。進入時の優先順位や出口の選択など、日本の信号機のある交差点とは全く異なるスキルが求められます。

悪名高いラウンダバウト

さらに、イギリスでは速度制限の取り締まりが非常に厳格です。道路上には数多くのオービス(速度監視カメラ)が設置されており、わずかな速度超過でも容赦なく検知されます。違反が検知された場合、現地で切符を切られることはありませんが、後日レンタカー会社を通じてクレジットカードに反則金が請求されることになります。このため、現地のドライバーも概して速度制限を厳守する傾向にあります。

ちなみに標識上の速度表示は全て「マイル(mph)」。普段の時速キロの感覚で運転するとかなり遅くなってしまうので間違えないように。

レンタカーの手配と受け取り

今回私たちが選んだのは、世界的な展開をする「GreenMotion」というレンタカー会社です。世界各地で高い評価を受けている企業というだけあって、サービスの質は申し分ありませんでした。予約から実際の車両受け取りまで、スムーズな対応に好感が持てます。

GreenMotion Gatwick

空港到着後、グリーンモーションの担当者に電話をすると、迅速に専用のシャトルバスで迎えに来てくれました。営業所では、事前予約の内容確認から車両の損傷チェックまで、丁寧かつ細やかな対応を受けることができます。契約時には様々な説明がありますが、その多くが安全運転のための重要な注意事項なので、面倒がらずにしっかりと耳を傾けることをお勧めします。

保険の選択は特に重要です。今回私たちは、万が一の事故に備えてExcess保険(免責保険)に加入しました。追加料金は決して安くありませんが、慣れない外国での運転では予期せぬトラブルが起こる可能性が高く、運転歴が長い方でも、この保険への加入を強くお勧めします。実際、現地のスタッフも外国人観光客には必ず保険加入を勧めているようでした。

車両について

レンタカーで利用できる車種は、基本的にヨーロッパのメーカーの車両がメインとなります。今回私たちが使用したのは、Peugeotの新型コンパクトカーでした。外観は小型ながら、エンジンの特性は日本車とは大きく異なります。特に印象的だったのは、アクセルの効きの鋭さです。日本のレンタカーで使用する感覚でアクセルを踏むと、予想以上の加速を見せるため、最初のうちは慎重な運転が必要でした。

車両自体の性能は非常に高く、最新のナビゲーションシステムも搭載されているため、慣れてしまえば快適なドライブを楽しむことができます。シートの座り心地も良く、長距離運転でも疲労を感じにくい設計になっています。また、コンパクトな車体サイズは、狭い市街地や駐車場での取り回しに大変重宝しました。

イギリス特有の交通規制

さて、イギリスでドライブする際には、一般的な交通ルールの他に、特殊な規制についても理解しておく必要があります。特に、ロンドンなどの大都市に乗り入れる際は、以下の規制について必ず確認が必要です。

ULEZ(超低排出ゾーン)について

ロンドン市内には、ULEZ(Ultra Low Emission Zone:超低排出ゾーン)と呼ばれる環境規制区域が設定されています。この区域に入る際には、車両の環境性能基準を満たしているかどうかが重要です。基準を満たさない車両で進入した場合、1日あたり約12.50ポンド(約2,300円)の課金が発生します。

レンタカーを借りる際には、必ずULEZ対応車両であるかどうかを確認することが重要です。多くの大手レンタカー会社では、ロンドン市内での利用を前提に環境基準を満たした車両を用意していますが、念のため契約時に確認することをお勧めします。私たちが利用したプジョーの新型車は、幸いにもULEZ基準をクリアしていましたが、古い車両や特定のディーゼル車では対応していない可能性があります。

コンジェスチョンチャージ

ULEZとは別に、ロンドン中心部には「コンジェスチョンチャージ(Congestion Charge)」と呼ばれる渋滞税が設定されています。平日の午前7時から午後6時までの間にこのエリアに進入する場合、1日あたり15ポンド(約2,800円)程度の料金が必要です。この制度は交通渋滞の緩和を目的としており、観光客も例外なく支払いが必要となります。

支払いは当日の深夜までにオンラインまたは電話で行う必要があり、支払いを忘れると高額な罰金が科せられる可能性があります。レンタカー会社によっては、これらの料金を事前に含めたパッケージプランを提供していることもあるので、ロンドン市内での運転を予定している場合は、契約時に確認することをお勧めします。

実際の運転体験

最初の数時間は、慣れない道路環境に緊張の連続でした。特に市街地での運転は、ラウンドアバウトの存在もあり、かなりの神経を使います。しかし、徐々に運転に慣れていくことができました。イギリスのドライバーは全般的にマナーが良く、また厳格な速度取り締まりの影響もあってか、荒っぽい運転をする車両はほとんど見かけません。

夜道&雨の日は特に緊張

最も苦労したのが、やはりラウンドアバウトでの運転です。理論上は理解していても、実際の運転では正しい出口を見逃してしまったり、出るタイミングを逃して何周も周回してしまったりすることが度々ありました。特に複数車線のラウンドアバウトでは、車線変更のタイミングも重要で、常に周囲の車両の動きに気を配る必要がありました。

また、駐車場に関する問題も予想以上に厄介でした。感覚的に、イギリスは日本と比べて駐車場の数が圧倒的に少なく、また路上駐車が許可される場所も限られています。事前にインターネットで入念に調べていたものの、実際には営業していなかったり、精算機が故障していたりするケースに何度も遭遇しました。このため、観光地付近では常に駐車場の確保に気を使う必要がありました。

高速道路での運転

高速道路での運転は、また違った意味でスリリングな体験となりました。イギリスの法定速度は日本より高めに設定されており、特に高速道路では時速150キロメートルほどで走行する車両も珍しくありません。さらに、頻繁に車線変更を行う車両も多く、まるでレースのような雰囲気を感じることもありました。

驚いたのは、高速道路での他車両との距離感です。日本では比較的車間距離を保って走行する傾向がありますが、イギリスではかなり接近して走行する車両が多く、最初は戸惑いました。ただし、この爽快感は少し病みつきになりそうですが、調子に乗り過ぎると事故の危険性も高まるため、常に慎重な運転を心がける必要があります。

高速道路には適度な間隔でサービスエリアが設置されており、コーヒーブレイクや食事休憩を取ることができます。このあたりは日本と似た環境で、長距離運転の疲れを癒すことができました。サービスエリアの施設も清潔で快適であり、休憩スポットとして重宝します。

まとめ

イギリスでのドライブ旅行は、確かに最初は不安だらけですが、適切な準備と心構えがあれば、十分に楽しむことができます。

私たちの旅でも、ラウンドアバウトでの乗り間違いや高速道路の出口見逃し、予期せぬ環境規制区域への進入など、いくつかのヒヤリハットは発生しました。しかし、そのような経験も含めて、イギリスでのドライブは非常に貴重な思い出となりました。高速道路でのダイナミックな走行感や、のどかな田園風景の中を走り抜ける爽快感は、他の交通手段では味わえない特別な体験です。また、整備された道路環境と、全般的に良好な運転マナーにより、日本人ドライバーにとっても比較的運転しやすい国だと感じています。

ぜひ、イギリスならではの道路環境を楽しみながら、素晴らしい旅の思い出を作ってください。イギリスの魅力的な観光地を、自分のペースで巡る旅の楽しさは、きっと不安を上回るものになるでしょう。

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