定番ツアーはもう飽きた?ローカル旅行情報発信サイト「コスパトラベル」

パッケージツアーやガイドブックに頼った旅行に飽きてしまった大の旅行好きの方々向けに、ローカルでコスパの良い旅行プランをまとめたポータルサイト

帽子より実用的!アラブならではの日除け対策「クーフィーヤ」をリヤドでの専門店で買って巻いてみた

被るだけでアラブの仲間入り?クーフィーヤシュマーグ)のご紹介

 

真夏のアラビア半島を旅する中で、私は「クーフィーヤ」という伝統的な頭布の魅力に取り憑かれていった。最初は単なるお土産として半ば強引に購入したものが、やがて旅の必需品となっていく。今回は、そんなクーフィーヤの魅力をお伝えするとともに、サウジアラビアの首都リヤドでの新たなクーフィーヤ探しの旅をレポートしたい。

クーフィーヤとは?

 

www.instagram.com

クーフィーヤは、アラブ諸国で広く使用されている伝統的な頭布。一般的に赤と白のチェック柄が特徴的で、頭部を覆い、首まで布を垂らして使用する。

シュマーグ」や「ガトラ」とも呼ばれ、黒い輪状の「イガール」という紐で固定するのが一般的なスタイルだ。この伝統的な頭布は、単なるファッションアイテムではなく、何世紀にもわたってアラブの人々の生活を支えてきた知恵の結晶といえる。

オマーンでの出会い

マトラスークにて半ば強引に買わされた初めてのクーフィーヤ

私の最初のクーフィーヤとの出会いは、オマーンの首都マスカットのマトラスークでのことだった。活気に満ちた市場の中で、熱心な店主に勧められるがまま購入したクーフィーヤは、当時は「こんなの、いつ使うんだろう」と半信半疑だった。しかし、これが意外な掘り出し物となった。

www.kosupatravel.com

その後アラブの夏の強烈な日差しの中で、クーフィーヤの真価が発揮されたのだ。特にサウジアラビアのヘジャーズ地方を旅した際、その効果は絶大だった。というのも、一般的な帽子と比較して、クーフィーヤには驚くべき利点がある。

砂漠で大活躍のクーフィーヤ

まず、白と赤の布が太陽光を効果的に反射し、熱を遮断する特性を持っている。また、素材と編み方により優れた通気性を実現し、頭部の蒸れや痒みを効果的に防いでくれる。さらに、通常の帽子では保護が難しい後頭部まで完全にカバーできる点も大きな特徴だ。

加えて、帽子と異なり、強風が吹き抜けるアラブの街でも、しっかりと頭部に固定することができる。何より、バックパッカーにとって嬉しいのは、使用しない時はコンパクトに折りたためる点だ。限られたスペースで荷物を運ぶ身として、この特徴は非常に重宝した。

リヤドでの新調

そんなこんなで愛用していたクーフィーヤだが、旅の疲れも相まって、あろうことか思いがけずホテルで置き忘れてしまった。しかしながら、すっかりクーフィーヤに慣れた身として、今さらクーフィーヤ無しで炎天下のサウジアラビアを歩き回ることは考えられない。仕方ないので、リヤドでの新調を決意。

公開処刑をする広場として悪名高いAlsafat Square

観光で訪れたAlsafat Squareの近くにある、Abaya Marketを訪れることにした。この広場は、金曜日には斬首刑が行われるという歴史的な場所で、観光地としても有名なのだが、平日だったこともあり、広場には人影もまばらで独特の緊張感が漂っていた。

リヤドのアバヤマーケット。平日は閑散としている。

アバヤマーケットは、その名の通りアバヤ(女性用の黒い外套)を主に扱う市場だが、男性用の衣類も豊富に取り扱っている。

最初に入店した店舗では、驚くべきことに最も安価なクーフィーヤでも5000円という価格設定だった。店内はまるで高級テーラーショップのような雰囲気で、シルクなどの高級素材を使用した商品が美しくディスプレイされていた。壁には様々な色合いのクーフィーヤが整然と並び、その一つ一つが職人の手による丁寧な仕上がりを感じさせた。さすが富裕層の多いサウジ²アラビアならではの品揃えだ。

しかし、バックパッカーの私にとっては、実用的で手頃な価格のものが理想的。市場を一周ほどしたところで、ようやく理想的な雰囲気の店舗を発見した。こちらの店では2000円からとリーズナブルな価格設定で、より庶民的な雰囲気が漂っていた。店主も気さくな人柄で、私の拙いアラビア語に温かく応じてくれた。

理想のクーフィーヤとの出会い

いくつか品定めをする中で、一目惚れしたのが刺繍入りの一枚。程よい高級感があり、アラビア語のロゴが入ったデザインに魅了された。手に取ると、生地の質感も申し分なく、まさに求めていたものだった。4000円という価格は、以前オマーンで購入したものより高めではあったが、炎天下での長考は避けたいという切実な理由もあり、即決。

店主からイガールの購入も勧められたが、これは丁重にお断りした。イガールを使用する装着方法は確かに正統的なサウジスタイルだが、私は既にオマーンスタイルの巻き方に慣れていた。

オマーンスタイルの巻き方ならイガールは不要

この「海賊巻き」とも呼ばれるスタイルは、オマーンベドウィン遊牧民)から直接教わったもので、個人的にも愛着がある。シンプルながらも機能的なこの巻き方は、まさに遊牧民の知恵が詰まっている。実際、サウジアラビアを歩いている際に現地の人から「その巻き方、オマーンで覚えたの?」と話しかけられることもあり、思いがけない文化交流のきっかけともなった。

まとめ

クーフィーヤは単なるファッションアイテムではなく、アラブの気候に適応した知恵の結晶だ。現代でも十分な実用性を持ち、特に旅行者にとっては心強い味方となる。また、その土地ならではの着用方法を知ることで、現地の人々との素敵な交流のきっかけにもなる。

アラビア半島を旅する際は、ぜひ一枚持っておきたいアイテムだ。私にとってクーフィーヤは、単なる日除けグッズを超えて、アラブ文化との架け橋となった特別な存在となっている。

新調した装着感も抜群。アラブ旅好きの皆様にも、是非とも購入をお薦めしたい。

中東・アラブ旅行情報オープンチャットの新設のお知らせ

この度、より有益でコスパ抜群の旅行情報発信や、旅行に関してお困りの方々からの個別質疑応答を行えるよう、LINEオープンチャットを新設しました!中東やアラブ地域への旅行を計画中の方や、ご興味・ご質問のある方はぜひご参加くださいませ!  line.me

\この記事が気に入ったら是非クリックしてください!/