皆さんこんにちは。前回の記事では、外国人旅行者が中国でチケットを購入する際の苦労についてお伝えしました。その際、コロンス島でのエピソードも少し触れましたが、実はここは厦門観光の際に絶対に外せない、とても魅力的なスポットなんです。そこで今回は、このコロンス島(鼓浪嶼)への行き方と、その魅力を前編としてご紹介したいと思います。
歴史と現代が交差する島、コロンス島
コロンス島は厦門の中心部からわずか600メートルほどの場所に浮かぶ小さな島です。面積は1.88平方キロメートルと、とてもコンパクト。でも、この小さな島には19世紀から20世紀初頭にかけて建てられた欧米風の建築物が数多く残されており、2017年にはユネスコ世界文化遺産にも登録されています。
特に印象的なのは、オレンジ色や淡いピンク色の洋館が並ぶ景観です。高層ビルが林立する厦門本土とは対照的に、ここには車の乗り入れが禁止されており、石畳の通りには独特の静けさが漂っています。まるでタイムスリップしたかのような、不思議な空間が広がっているんです。
手軽に異国情緒を味わえる近さが魅力
コロンス島の一番の魅力は、なんといってもそのアクセスの良さでしょう。厦門からたった15分。「ちょっとそこまで」という感覚で、まったく異なる雰囲気の空間に足を踏み入れることができます。
島内は歩いて回るのにちょうどいい大きさで、半日から1日あれば主要な観光スポットを余裕を持って巡ることができます。狭い路地を歩けば、ヨーロッパの街角のような雰囲気漂う洋館や、カラフルな壁に装飾的な手すり、アーチ型の窓など、厦門本土では見られない建築の数々に出会えます。
また、レトロでおしゃれなカフェや雑貨店も点在しており、散策しながらショッピングや休憩を楽しむこともできます。車が通らない石畳の通りをゆっくり歩きながら、異国情緒あふれる街並みを堪能できるのです。
フェリーでの渡航:要注意ポイント
さて、このコロンス島へのアクセスについて、具体的にご説明します。前回の記事でも少し触れましたが、フェリーのチケット購入には少々注意が必要です。
まず、港にある券売機は中国の身分証明書を持つ方専用となっており、残念ながら外国人旅行者は利用することができません。必ず有人カウンターでチケットを購入することになります。ここで重要なのが、カウンターの営業開始時間。朝7時からとなっていますので、早朝観光を計画している場合は、この時間を念頭に置いて行動しましょう。
私の場合、往復チケットを一度に購入。チケットは小さな紙片なので、なくさないよう気を付ける必要がありますが、帰りのチケットを事前に確保できる安心感があります。購入時にはパスポートが必要となりますので、お忘れなく。
15分間の爽快なミニクルーズ
チケットを手に入れたら、いよいよ乗船です。フェリー乗り場に向かうと、すでにコロンス島の姿が目の前に広がっています。正味15分程度の短いクルーズに対し、船は思いのほか大きく、まるでディズニーランドのアトラクション。でも、これは紛れもない公共交通機関です。
実際、多くの島民がこの船で通勤・通学をしています。島民向けの割引料金や定期券制度も整備されているほど、地域の足として欠かせない存在となっているんです。
船内は清潔で快適そのもの。大きな窓からは、オレンジ色の建物が印象的なコロンス島の街並みと、その背後にそびえる厦門の超高層ビル群という、新旧が交錯する独特の景色を楽しむことができます。
私が驚いたのは、ほとんど揺れを感じないこと。短い距離とはいえ、船酔いが心配な方もいらっしゃると思いますが、おそらく大丈夫でしょう。わずか15分の船旅ですが、爽やかな海風を感じながらの移動は、それ自体が観光の一部として楽しめます。
正面に広がるコロンス島の景色と、背後に見える厦門の高層ビル群とのコントラストは圧巻です。時代の異なる二つの街並みが同時に目に入る光景は、この地域ならではのものかもしれません。
ちなみに船は2階建てで、2階席の方は座席がずらりと並んでいます。立ちっぱなしの1階席が辛くなった場合は、2階席で座りながら波風を浴びることもできます。もっとも、高々15分程度の乗船なので、足が疲れるようなことはほとんどないと思いますが。
そんなこんなで15分ほどで島に到着します。ここからが本当の観光のスタート。港に着くや否や、石畳の通りが人がっており、早速わくわくしてきます。後編では、実際に島内をどのように散策したのか、おすすめのスポットは何か、そして外国人として島内散策をする上での注意点について詳しくご紹介していきたいと思います。
次回予告
次回の中編では、島内の見どころや、おすすめの散策ルートなどをご紹介します。世界遺産にも登録されているこの歴史ある島で、どのような体験ができるのか。レトロでおしゃれな街並みの中で見つけた素敵なスポットの数々を、たっぷりとお伝えできればと思います。お楽しみに!
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