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スペイン・バルセロナでぼっち飯は変?お一人様OKの飲食店業態を徹底解説

海外旅行や出張で訪れる際に気になるのが、その国での「一人飯」事情です。特にスペインは食事を通じたコミュニケーションを重視する文化があり、一人での食事に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、実は一人でも気軽に入れる飲食店は数多く存在します。本記事では、スペイン、とりわけバルセロナで一人でも安心して食事を楽しめる店舗形態について、現地の食文化や具体的なおすすめ店舗と共に詳しく解説していきます。

スペインの食事文化について

スペインにおいては、親しい仲間との会話が何よりものおつまみ。

スペインの食文化は、単なる栄養摂取以上の深い社会的意味を持っています。特に、カタルーニャ州の中心都市バルセロナでは、食事は家族や友人との絆を深める重要な時間として捉えられています。現地では、食事中の会話「sobremesa(ソブレメサ)」が食文化の重要な要素となっており、食後もテーブルを囲んで1時間以上話し込むことも珍しくありません。

伝統的なレストランでは、2人以上のグループ客が中心で、テーブルも4人掛けや6人掛けが標準となっています。また、スペイン人の食事時間は日本人とは大きく異なり、ランチタイムは14時頃、ディナーは21時以降が一般的です。このような文化的背景から、観光客が一人で食事をすることに抵抗を感じるのも無理はありません。

しかし、近年のライフスタイルの変化や観光産業の発展に伴い、一人でも気軽に入店できる飲食店が増えてきています。特にバルセロナは、伝統的な食文化を大切にしながらも、国際都市として様々な食のスタイルを受け入れている街です。

スペイン・バルセロナのお一人様歓迎飲食店

それでは、前置きが長くなりましたがぼっち飯OKのご飯屋さんをいくつか業態別に紹介して参ります。

1. タパスバル

スペインで一人でも安心して食事を楽しめる代表的な店舗形態が、タパスバルです。タパスバルはスペインの食文化を代表する飲食店で、「タパス」とは、もともとワインやビールに付き物の小皿料理を指します。語源には諸説ありますが、かつてワインの杯に蠅が入るのを防ぐために、パンやハムで蓋をしたことから「蓋(tapa)」という言葉が使われるようになったとされています。

現代のタパスバルは、カウンター席を中心とした立ち飲み形式の店舗が一般的です。ガラスケースには様々なタパスが陳列されており、指さしで注文できるため、スペイン語が話せない観光客でも利用しやすい点が特徴です。提供される料理は実に多様で、パタタスブラバスと呼ばれるスパイシーソースをかけたフライドポテトや、ガンバス・アル・アヒージョと呼ばれるエビのにんにく油炒め、カラマレス・フリットスと呼ばれるイカの唐揚げなど、様々な料理を少しずつ楽しむことができます。

現地の人々も仕事帰りに一人でタパスバルに立ち寄ることは珍しくありません。特に13時から15時の昼食時間帯は、ビジネスパーソンの一人客も多く見られます。ただし、人気店は昼時になると非常に混雑します。多くの店舗では、テイクアウト用の弁当(メニューデルディア)の提供も行っているため、厨房は大変忙しい状況になります。

ソロ観光客でも取っつきやすい、JUBE

バルセロナを訪れる際は、Plaza España駅から徒歩5分のJube Barがおすすめ。モダンな内装と温かみの雰囲気が特徴的です。また、カタルーニャ産スパークリングワイン「カバ」も充実しており、本場のスペイン料理とワインのペアリングを楽しむことができます。

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2. ハム専門店

スペインのハモン(生ハム)文化は、数世紀にわたって培われてきた伝統です。特に、イベリコ豚から作られるハモン・イベリコは、「世界三大ハム」の一つとして知られており、スペインを代表する食文化の象徴となっています。

ハム専門店では、熟練の職人(コルタドール)が注文に応じて手作業でハムを薄くスライスします。最高級のベジョータは、どんぐりを食べて育ったイベリコ豚のハムで、36〜48ヶ月もの熟成期間を経て提供されます。その繊細な味わいと芳醇な香りは、まさに至高の一品と言えるでしょう。

多くの専門店では、イートインスペースを完備しており、一人でもゆっくりと食事を楽しめる空間となっています。ハモン・イベリコ・デ・ベジョータの盛り合わせや、白豚の生ハムであるハモン・セラーノ、イベリコ豚の肩肉のハムであるパレタ・イベリカ、イベリコ豚のサラミであるチョリソー・イベリコなど、様々な種類のハムを味わうことができます。また、スペインを代表するマンチェゴチーズや、トマトを擦り付けたパン(パン・コン・トマテ)といった付け合わせも充実しています。

ちょい飲み利用も歓迎のJamon Jamon

バルセロナでは、サグラダファミリアから徒歩10分のJamon Jamonがおすすめです。23時まで営業しているため、観光後の夜食としても重宝します。店内には温度管理された専用の保管庫があり、最適な状態でハムを提供してくれます。ワインリストも充実しており、ハムに合うワインをグラスで注文することができます。

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3. メルカート

バルセロナの市場(メルカート)は、単なる食材の売買の場以上の存在です。19世紀末から20世紀初頭にかけて建設された市場建築は、モデルニスモ建築の影響を受けた華麗な装飾が特徴で、観光スポットとしても人気を集めています。

市場で食事、と聞くとちょっと意外?

市場内は、生鮮食品を扱うエリアと飲食店エリアに大きく分かれています。新鮮な魚介類、上質な精肉やハム、色とりどりの青果、そして様々な種類のチーズや乳製品が所狭しと並び、地元の人々の日常的な買い物の場となっています。また、市場内には必ずと言っていいほどタパスバーやタベルナが併設されており、買い物の合間に一杯楽しむことができます。

メルカートによってはタパスバルが並び、飲みや横丁のような使い方が可能

メルカートでの食事は、「市場バル巡り」として楽しむのがおすすめです。複数の店舗で少しずつ料理を注文し、その場で立ち飲み形式で楽しむスタイルは、現地でも人気があります。一人客も珍しくなく、むしろ気軽に立ち寄れる雰囲気があります。

バルセロナメルカートでは、2005年に改装されたMercat de Santa Caterinaがおすすめです。カラフルな波型の屋根が特徴的で、市場内には20軒以上の飲食店が入っています。一方、より有名なMercat de la Boqueriaは、近年は観光客向けの土産物店が増えており、本格的な食事を楽しむなら避けた方が無難でしょう。

4. レストラン

実はお一人様からでもパエリアが食べられるレストランがあります!

近年、バルセロナでは一人での食事を受け入れる文化が徐々に浸透してきています。特に、観光客の増加に伴い、一人客向けのサービスを充実させるレストランが増えています。一人客に優しいレストランの特徴としては、カウンター席やバーテーブルの設置、一人前からのパエリア提供、少量サイズのメニュー設定、英語メニューの完備、スタッフの外国語対応などが挙げられます。

Jamon Y Vino Paellaは、一人客に特に配慮の行き届いたレストランです。看板メニューのClassic seafood paellaは、魚介の出汁が効いた本格的な味わいで、一人分から注文可能です。また、ミニパエリアセットやタパス3種盛り合わせ、一人前のフィデウア(パスタのパエリア)、ハーフサイズのサングリアなど、一人客でも様々なメニューを楽しめる工夫が施されています。

ここのレストランは、余りの美味しさに結局おかわりをして2人前分美味しくいただきました。

まとめ:一人でも楽しめるスペインの食文化

スペインの食文化は確かにソーシャルな要素が強いものの、実は一人での食事も十分に楽しめる環境が整っています。特にバルセロナは、伝統的な食文化を守りながらも、現代的なダイニングスタイルを受け入れている国際都市です。

一人で訪れる際には、店舗形態の特徴を理解し、時間帯による混雑状況を把握し、事前にメニューや価格帯をリサーチすることが重要です。また、カウンター席やバーテーブルの有無を確認し、他の一人客の利用状況をチェックすることで、より快適な食事体験が可能となります。

スペインでの食事は、単なる栄養補給ではなく、その土地の文化や歴史を体感する貴重な機会です。一人での食事に不安を感じる方もいるかもしれませんが、適切な店舗選びと少しの勇気があれば、きっと素晴らしい食体験が待っているはずです。