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外国人旅行客はスイスでドローン撮影が可能か?ドローンを持って行く前に知っておくべきこと【2025年最新版】

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マッターホルンやアイガーなど、美しいアルプスの山々。レマン湖畔に広がる風光明媚な街並み。スイスには、ドローンで撮影したくなる絶景スポットが数多く存在します。しかし、2023年から規制が大幅に変更され、観光客がドローンを持ち込む際の手続きも複雑になっています。

今回は、スイス旅行でドローンの持ち込みを検討されている方に向けて、最新の規制情報をご紹介します。

カメラ付きドローンは全て登録が必要に

2023年までは、250g未満の小型ドローンは基本的に規制対象外でしたが、現在は重量に関係なく、カメラが付いているドローンは全て事前登録が必要となりました。これは、カメラで顔などの個人情報を収集できる可能性があるためだと言われています

登録自体は無料で、Federal Office of Civil Aviation(FOCA)の管理するオンラインシステム「dLIS」からPersonal UAS Operator Numberの発行を行う形となります。ただし、こちらのシステムを利用するにあたって、スイスの公的認証システム「CH-Login」が必要となるため、旅行前に余裕を持って手続きを進めることをお勧めします。

FOCAのプラットフォームdLIS上で、使用するドローンのスペックに応じた必要登録申請を行います

重量で変わる追加要件

なおドローンの重量によって、必要な手続きは大きく変わってきます。250g未満のドローンにおいては上記手続きのみで基本的にはOKですが、250g以上のドローンを使用する場合は、別途dLIS上で提供されるオンライン試験の合格が必須となります。試験は学習時間を含めて少なくとも約4時間程度かかり、75%以上の正答率が求められます。

さらに900g以上のドローンを操縦するとなると、対面での試験が必要になります。観光で訪れる場合、これらの手続きは現実的ではないかもしれません。そのため、スイス旅行でのドローン撮影を検討される場合は、250g未満の小型ドローンの使用をお勧めします。

高額な保険加入が必須

スイスでは、250g以上のドローンには100万スイスフラン(約1.5億円)以上の賠償責任保険への加入が義務付けられています。250g未満のドローンでも同様の保険加入が推奨事項となっています(250g未満の場合は必須ではないらしいものの、Personal UAS Operator Numberの発行手続きにあたり、保険情報の記入が必須になっていたため、事実上保険なしでの登録は困難かと思われます)。

日本で加入しているドローン保険がスイスでも有効かどうかは、事前に保険会社に確認しておく必要がありますが、一般的なドローン保険では海外事案については対象外となっているケースが多いです。カバーされていない場合は、追加の保険に加入することが必要になります。

飛行時の基本ルール

さて、スイスでドローンを飛ばす際は、他国同様いくつかの基本的なルールを守る必要があります。高度は地上120m以下に制限されており、目視範囲内での飛行が求められます。また、人が集まる場所の上空飛行は禁止されています。

気を付けたいのは、これらの基本ルールに加えて、各州や自治体が独自の規制を設けている場合があることです。特に観光地では、景観や環境保護の観点から、追加の制限が設けられていることが多いので注意が必要です。

飛行禁止エリアの確認方法

スイスには多くの飛行禁止区域が存在します。空港周辺はもちろん、自然保護区や刑務所周辺なども飛行が制限されています。これらの区域はFOCAの提供するマップで簡単に確認できます。

map.geo.admin.ch

マップを使用することで、場所ごとの飛行可否や規制詳細がすぐに分かります。観光スポットでの撮影を計画する際は、必ず事前に確認しておきましょう。

違反した場合のリスク

規制違反は民間航空法違反として扱われ、最大2万スイスフラン(約300万円)の罰金が科される可能性があります。さらに深刻な場合は、懲役刑の対象となることも。

スイスの法執行は非常に厳格で、「知らなかった」は通用しません。特に観光客は目立ちやすいため、規制をしっかりと理解し、遵守することが重要です。

【おまけ】申請が面倒な時の代替案:Insta360 Xシリーズ

ドローンのような撮影が可能に

ここまでドローン規制やルールについて見てきましたが、「申請が複雑すぎて面倒」「手続きが煩雑で時間がない」と感じる方も多いのではないでしょうか。また、せっかく準備しても現地で規制に引っかかったり、天候や飛行禁止エリアの影響で思うように撮影できない場面もあります。

そんな時の強力な代替手段として、私が強くおすすめしたいのがInsta360のXシリーズと3mの自撮り棒の組み合わせです。

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360度カメラと長い自撮り棒を使えば、ドローンで空撮したかのような迫力ある写真や動画を撮影できます。特に注目すべきは「見えない自撮り棒」機能で、編集時に自撮り棒が自動で消去されるため、まさに空中から撮影したような仕上がりになります。

ドローンと比べて以下のようなメリットがあります:

  • コストが圧倒的に安い(ドローンの半額以下で購入可能)
  • 事前申請や複雑な手続きが一切不要
  • 飛行禁止エリアを気にする必要がない
  • 天候に左右されにくい
  • 防水対応で水中撮影も可能(海やプールでも安心)
  • 人が多い観光地でも安全に使用可能
  • 荷物も軽く、持ち運びが簡単
  • バッテリー切れの心配が少ない
  • 万が一の人身事故を気にする必要がない

耐性水にも優れたInsta360ならば、水中から3m自撮り棒を伸ばして撮影することも可能。

海外旅行での絶景撮影を確実に楽しみたい方、ドローンの申請が面倒に感じる方、できるだけ費用を抑えたい方には、非常におすすめの組み合わせです。

まとめ:スイス旅行でドローンを持ち込むべきか?

スイスの絶景は確かにドローン撮影の魅力的な被写体ですが、2023年以降の規制強化により、観光目的での使用はかなりハードルが高くなっています。とは言え、筆者個人の印象としては250g未満のドローンを使用する限り、比較的ドローンに寛容な国だと感じました。慣れない方にとっては少し手続きが大変に感じるかもしれませんが、都合がつくようであれば、是非スイスでのドローン空撮にチャレンジしてみて下さい。

※本記事の情報は2025年2月時点のものです。規制は随時更新される可能性があり、各地域で独自の規制が追加されることもあります。実際のドローン使用に際しては、必ず最新の規制を確認し、自己責任のもとで判断してください。