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上海ガニ食べたい!知っておこう、様々な食べ方 - お勧め上海蟹料理・リーズナブルなオススメレストラン徹底紹介

秋の訪れとともに、中国・上海の街は特別な興奮に包まれます。それは、待ちに待った上海ガニ(大閘蟹)のシーズンの到来を告げる雰囲気です。日本でも名高い上海ガニですが、中国の美食文化を代表する存在として世界的に知られています。

さて、日本では「上海ガニといえば蒸し蟹」というイメージが定着していますが、実は現地では様々な調理法で楽しまれており、それぞれに独特の魅力があります。今回は、知る人ぞ知る上海ガニの多彩な楽しみ方と、リーズナブルに本場の味を堪能できるレストランをご紹介します。

知られざる上海ガニの世界

実は千差万別の蟹料理

上海ガニと聞くと、多くの日本人が思い浮かべるのは、黒酢をつけて食べる蒸し蟹の姿ではないでしょうか。確かに、その濃厚なミソと繊細な身は、シンプルな蒸し調理だけでも十分に美味しい食材です。

しかし、現地の上海では、実はもっと多彩な調理法で上海ガニが楽しまれています。蒸し蟹はもちろん、そのミソや身を活かした様々な料理が、レストランのメニューを彩っているのです。時には気軽な家庭料理として、時には特別な日の贅沢な一品として、上海の人々の食卓に上海ガニは欠かせない存在となっています。

では、そんな多彩な上海ガニ料理の世界を、代表的な料理とともにご紹介していきましょう。

代表的な上海ガニ料理

清蒸蟹(チンジョンシエ)- 伝統の蒸し蟹

最も伝統的な調理法である蒸し蟹。上海ガニと聞いて真っ先に思い浮かぶのがこの料理ではないでしょうか。シンプルな調理法だからこそ、上海ガニ本来の旨味を存分に味わえます。生きた状態の蟹を15-20分蒸すのが基本で、黒酢と生姜のタレを添えて食べるのが定番とされています。特に、甲羅の下のミソと内子・外子を白米と一緒に頂くと、上海ガニの真髄を味わうことができると言われています。

蟹拌飯(シエバンファン)- 贅沢なかに飯

蟹拌飯は、蟹肉・蟹ミソや内子・外子を混ぜて白米にぶっかける贅沢料理

上海の人々に最も愛されている料理の一つが蟹拌飯です。蒸した上海ガニの身とミソを白米と和えて作る、究極の一品です。蟹の旨味が米一粒一粒に染み込み、黄金色に輝く見た目も食欲をそそります。手軽に蟹の味わいを楽しめる点も、地元の人々に愛される理由の一つ。

蟹黄面(シエファンミェン)- 濃厚カニそば

蟹のミソと内子・外子をふんだんに使用した贅沢な麺料理。コシのある麺と濃厚な蟹の風味が絶妙なハーモニーを奏でます。蟹の風味を活かした上品なスープにモチモチした手打ち麺が絡み、好みに応じて最後に香菜(パクチー)をのせて仕上げる現地流の食べ方は、まさに至福の一杯です。

酔蟹(ズイシエ)- 古来の保存食から進化した珍味

「酔っ払いガニ」としても知られる酔蟹。黄酒に漬け込んで作る伝統的な発酵食品である酔蟹は、現代では洗練されたカニ料理として人気を博しています。独特の香りと発酵による旨味が特徴で、さっぱりとした味わいは意外にもワインとの相性も抜群です。食べる前に冷やして供されるのが一般的で、その繊細な味わいは多くの美食家を魅了してきました。

雄雌の特徴と味わいの違い

少し話が逸れますが、上海ガニは雄と雌で異なる魅力を持っています。雄蟹はミソ(膏)が特徴的で、濃厚な味わいが特徴です。秋が旬で、特に10月がピークとされ、外見的には腹部が細く尖っているのが特徴です。

腹部が丸っぽい方がメス(左手前)、尖った三角状の方がオス(左奥)

一方、雌蟹は内子と外子という二種類の卵が最大の魅力となっています。雄蟹より少し遅い11月が最盛期とされており、腹部が丸みを帯びているのが特徴的です。

上海ガニを選ぶ際は、可能であれば活きの良さを足の動きで確認し、甲羅の艶と重量感を確認することが大切。これらの要素は、蟹の鮮度と質を判断する重要な指標となります。

おすすめレストラン紹介

さて、長くなりましたが先ほど紹介した各メニューについて、上海のオススメレストランを紹介します。上海ガニは、金額と質が綺麗に比例するある意味でシビアな料理ですが、今回紹介するお店はコスパ旅行客にも手が出やすい、リーズナブルなレストランを中心に選定させていただきました。

まず蟹拌飯の名店として知られる蟹伙記(シエフォーチー)は、上海を中心に店舗展開をしているチェーンブランド。上海の観光地、豫園近くに位置する人気店はアクセスの良さから特に人気。地元民にも観光客にも絶大な人気を誇ります。比較的リーズナブルで、気軽に本格的な味を楽しむことができます。

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裕興記 - 蟹黄面館(シエファンミェングァン)は、七宝に店を構える麺料理の店舗。裕興記はチェーンブランドで、静安寺近くのお店が特に観光客に人気なのですが、蟹黄面を食べるならば七宝のこちらのお店に行くのが断然オススメ。伝統的な製麺技術を守り続け、手打ち麺の食感と蟹の風味が見事に調和した一品を提供しています。

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酔蟹の美味しいお店として名高い蟹太太(シエタイタイ)も、上海市内に多店舗展開する蟹料理専門店。立地柄、陆家嘴のお店が空港や都心部からアクセスしやすく、個人的にも重宝しています。蒸し蟹はもちろんのこと、個々の熟酔蟹はとにかくリーズナブルで絶品。多くの常連客が太鼓判を押しています。

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まとめ

上海ガニは、単に蒸して食べるだけでなく、様々な料理法で楽しむことができます。それぞれの料理に込められた工夫と伝統は、上海の食文化の奥深さを物語っています。清蒸蟹から始まり、蟹拌飯、蟹黄面、酔蟹まで、それぞれに異なる魅力があり、上海の食文化の豊かさを感じることができます。

また、雌雄それぞれの特徴を理解し、適切な時期に適切な調理法で楽しむことで、より深い味わいを体験することができます。10月から11月にかけてのベストシーズンには、雄蟹のミソの濃厚さと雌蟹の内子・外子の繊細な味わいを、目的に合わせて選んで楽しむことができます。

今回ご紹介したレストランは、いずれも確かな技術を持つ名店ばかりです。チェーンブランドではありますが、多店舗展開に裏付けされた確かな品質。伝統を守りながらもリーズナブルな価格で本場の味を提供する、信頼できる店として地元の人々に愛されています。上海を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

上海ガニは、その味わいの深さと多様な楽しみ方で、きっとあなたを魅了してくれるはずです。