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【2025年春最新】イランリヤルの実勢レート(市場レート)を理解しよう - 確認・計算方法や通貨・両替事情徹底ガイド

イランへの旅行を計画している方にとって、最も頭を悩ませるのが通貨事情です。イランの通貨システムは複雑で、特に「実勢レート」というシステムによって、外国人旅行者にとっては理解しづらい面があります。この記事では、2025年春現在のイランの実勢レートと通貨・両替事情について詳しく説明し、あなたの旅をスムーズにするための情報をお届けします。

イランの通貨「リヤル」と「トマン」

イランの公式通貨はイランリヤル(IRR)ですが、日常生活では「トマン(Toman)」という非公式の単位も一般的に使われています。1トマン=10リヤルの関係にあり、実際の買い物や会話では多くの場合トマンが使われます。つまり、リヤル表示の価格を10で割ると、トマン表示の価格になります。

ややこしいのが、リヤルやトマンは下3桁を省略されることがあり、例えば100,000リヤルの商品が100とだけ表示されていたり、10トマンだと説明されることが多々あります。相場に慣れてしまえば何てことはありませんが、金額表示がどの単位になっているのか、慣れないうちは都度確認する必要があります。

こちらは1トマン=10000リアル表記。店によって採用している単位が異なるので非常にややこしい。

極度のインフレーション

近年のイランは経済制裁を原因とした深刻なインフレーションに見舞われており、通貨価値が急速に下落しています。そのため、物価表示には多くの桁数が並び、計算が非常に困難となっています。それでもなお、ショッピングの際には分厚い札束を持ち歩かなくてはならないほど、とにかく扱う金額の位が大きくて混乱しそうになります。

現地イラン人によれば、「いかに上手くイランリヤルを入手し、そしていかに適切に管理支払いをして行くかは、旅行客に課せられた2つのIQテスト」と冗談交じりに言われるほどです。

この量で100ドル分のリヤル(約1億イランリヤル)

2重の為替レート、公示レートと実勢レート:知らないと大損

さて、先述の通りイランの為替レートには「公示レート」と「実勢レート(市場実勢為替相場)」の2種類があります。

公示レート:イラン中央銀行が公式に定めたレート 公式レートとも

実勢レート:実際の市場で取引されている非公式なレート 市場レート・実質レートとも

ここで重要なのは、世界中のほとんどの為替サイトやアプリが表示しているのは公示レートであるという点です。2025年2月末現在、公示レートと実勢レートの差はなんと20倍もの開きがあります。

例えば、1米ドルは公示レートでは約42,000リヤルですが、実勢レートでは約930,000リヤル(93,000トマン)になります。公示レートで両替すると、本来得られるはずの金額の20分の1しか受け取れないことになります。これは旅行者にとって非常に大きな損失となるので、必ず実勢レートで両替することが重要となるのです。

Googleなどで表示されるのは、公示レート。5年間横ばいになっていることからもわかる通り、とうの昔に実質的に機能しなくなりました。

どこで両替をすれば良いのか

イランでの両替方法を、お勧め順に紹介します。

1. 市内の両替ショップ(最もお勧め)

市内の両替ショップが最も良いレートを提供していることが多いです。特に地元の人々も利用している店舗を選ぶと良いでしょう。ホテルやゲストハウスが両替サービスを提供していることもありますが、どちらも良心的で、限りなく実勢レートに近いレートで両替できることが多いです。

2. 空港の両替ショップ

テヘランイマーム・ホメイニ国際空港には両替ショップがあり、市内よりは若干レートが悪いものの、実勢レートで両替が可能です。

ただし、テヘラン以外の地方空港には両替ショップがない場合が多く、商店などでドルで購入してリヤルのおつりをもらうこともほぼ不可能です。イランに入国するや否や一文無し状態になり空港で途方に暮れている観光客の姿も珍しくありません。この場合は、ドル払いでタクシー交渉するなどして、なんとか自力で市内の両替ショップまで行く必要があります。

3. 市内の野良両替商

市内を観光客らしい格好で歩いていると、札束を持ったおじさんに声をかけられることがあります。これらの非公式な両替商は、レートがあまり良くなく交渉制で、さらにチップを要求されることもあるためあまりお勧めではありません。

両替ショップの営業時間外に、やむを得ずリヤルが必要となった場合など、ごく一部のケースに利用は限られるかもしれませんね。

4. 国外の両替サービス(非推奨)

ドバイ国際空港などで一応ドルやディナールからリヤルに両替してもらうことができますが、これらは公示レートを参照することがほとんど。前述の通り価値は約20分の1。大損をするので、よほどの場合以外は避けた方が良いでしょう。

実勢レートはどこで確認できるか

米ドル/イランリヤルの実勢レートはBonbast(bonbast.com)というサイトで確認できます。

www.bon-bast.com

また2025年現在は、Alanchandというサイトでも、リアルタイムの実勢レートを確認することができます。イランのサイトは接続が多々不安定になるので、両方ブックマークしておくと安心。

両替の際には、ぼったくられないよう必ず最新レートを参照しましょう。

注意点: Alanchandでは単位はリヤルではなくトマン(1トマン=10リヤル)で表示されているので要注意です。先述の通り、トマン表示の金額に10を掛けるとリヤルになります。

alanchand.com

まとめ

イランの通貨事情は複雑ですが、事前に正しい知識を得ておくことで、旅行中の無駄な出費を避けることができます。公示レートと実勢レートの大きな差を理解し、適切な場所で両替することが重要です。

イランの豊かな文化と歴史を存分に楽しむためにも、この記事を参考に、通貨事情を上手く乗り切りましょう!

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