イランの水道水は飲めるのか？実際に飲んで検証してみた【安全性・味レポート】 - 定番ツアーはもう飽きた？ローカル旅行情報発信サイト「コスパトラベル」

イランを旅行する際に多くの人が抱く疑問の一つが、「イランの水道水は飲めるのか？」というものです。この記事では、実際にイランの水道水を飲んでみた体験をもとに、その安全性と味について詳しくお伝えします。

ネット上の情報は混在している

イランの水道水が飲めるかどうかの情報はネット上でかなり少ないのが現状です。英語で調べても、「飲める」という説と「飲めない」という説が混在しています。有力な説としては、「イランは山々の地下水がきれいだから大丈夫」というものがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。

旅行者向けの情報では安全策を取って「ボトルの水を飲みましょう」と書かれていることが多いのですが、本当にそれが必要なのか疑問に思い、自分自身で検証してみることにしました。

現地の人に聞いてみた

まずは情報収集のため、滞在していたブティックホテルのオーナーさんに直接質問してみました。

オーナーさんの回答は興味深いものでした。安全性について述べるならば「飲むのに適している」とのこと。しかし、「美味しくないから普通はそのまま飲まない」という理由で、多くのイラン人は水道水をそのまま飲むことはないそうです。

その理由は「ミネラルが多く、重い味わい」だから。そのため、通常一般家庭では水道水を浄水した上で飲み水にしているとのことでした（実際にオーナーさんも、フィルター済みの水道水を飲料水として宿泊客に提供してくれていました）

つまり、安全性の問題ではなく、味の好みの問題ということです。

喉の渇きが実験のきっかけに

滞在中、シーラーズの街を一日中歩き回ったせいで、とにかく喉が渇いていました。ホテルに戻った時、オーナーさんは親切にフィルター済みの水をくれましたが、一日の終わりを迎える前に飲み干してしまいました。

深夜に再度水をくれというのも憚られるし...そこで思い切って、水道水を飲んでみることにしました。「重い水」とやら、一体どんな味なのか、この機会に確かめてみたかったのです。

いざ、水道水を飲んでみる

キッチンの蛇口から水を汲み、恐る恐る一口飲んでみました。しかし、拍子抜け。予想していたような変な味や匂いはなく、正直なんてことありません。個人的にはそんなに気になる味ではなく、むしろ割りと美味しいと感じました。

以前にイギリスやスペインでも水道水を飲んだ経験がありますが、それらの硬水に比べたらイランの水は全然気にならない味でした。確かにうっすらとミネラル感はありますが、不快なほどではありませんでした。

その後の経過

その夜以降、わざわざフィルター済み水をお願いすることはなく、部屋の蛇口をひねって水道水を直接飲むようになりました。3日間の滞在で、一日4リットルくらいは飲んでいたでしょうか。

結果としては、お腹が緩くなったり、不調を感じたりするような症状は一切ありませんでした。少なくとも私が滞在した都市部のホテルでは、水道水はいたって安全だということが実験の結果わかりました。

考察：なぜイラン人は水道水を浄水するのか

実験の結果、水道水は安全だと確信しましたが、それでも多くのイラン人が浄水する理由は何なのでしょうか。

おそらく、ミネラル含有量の高さによる味の問題が主な理由でしょう。また、長期的に飲み続けることで体に何らかの影響があるのではないかという懸念もあるかもしれません。その他、イラン人が大好きなお茶との相性だったり、何となくの精神的な抵抗なども関係があるかもしれませんね（日本でも、基本的に水道水はそのまま飲めると言われていますが、実際には浄水器を使用して飲む人が多いですよね）

さらに、地域によっては水質に差があり、配管の老朽化などの問題から二次汚染のリスクがある地域もあるという話も聞きました。都市部と農村部では水質管理の状況も異なる可能性があります。