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【前編】イラン・シーラーズを旅するならコスパ最高のブティックホテルに泊まろう!「Shiraz Traditional Hotel」滞在レポート

今回紹介する超絶お洒落なブティックホテル、Shiraz Traditional Hotel

イラン文学の中心地として知られるシーラーズ。ペルシャ詩人ハーフェズやサアディの眠る街であり、カラフルな「ピンクモスク」の美しさで世界中の写真愛好家を魅了しています。そんなシーラーズを訪れるなら、泊まるべき場所があります。それが「Shiraz Traditional Hotel」(別名:Rashedi Historic House)です。

今回の旅行記では、このお洒落なペルシアンブティックホテルでの滞在体験を前後編に分けてレポートします。

イランで泊まるならブティックホテル

イランには国際チェーンの近代的なホテルも存在しますが、この国の真の魅力を感じたいなら、地元の人が営むブティックホテルが正解と言われています。なんでも、高級ホテルではなく歴史ある建物を改装したホテルに滞在することで、ただの観光客ではなく「文化体験者」になれるのだとか。

そんな中、シーラーズでのホテル選びで頭一つ抜けていたのが「Shiraz Traditional Hotel」でした。ホテルの口コミサイトでの評価も高く、写真を見た時点でびびっと惹かれ「ここしかない!」と決めました。

シーラーズ旧市街の中心という最高のロケーション

趣あふれる旧市街のど真ん中に位置する

「Shiraz Traditional Hotel」の最大の魅力のひとつが、その立地条件です。シーラーズ旧市街地の中心部に位置し、主要観光スポットのほとんどが徒歩圏内という理想的なロケーション。特に世界的に有名なナスィール・アル・ムルク・モスク(通称:ピンクモスク)からは徒歩わずか5分ほどです。

シーラーズ1の観光名所、ピンクモスク

朝日が差し込む時間帯(8〜9時頃)が最も美しいとされるピンクモスクに早朝から訪れるには、この距離感は本当に便利でした。また、ヴァキール・バザール、ヴァキール・モスク、シャー・チェラーグ廟などのシーラーズの主要スポットもすべて徒歩15分以内。地下鉄駅も近く、市内の移動にも困りません。

ホテルは小さな路地の奥にあるため、通りからは目立ちません。しかし、これはむしろ観光客が殺到するエリアから一歩離れた、静かな環境を保証してくれる利点でもあります。静かな夜を過ごしたい方には、このような隠れ家的立地が嬉しいポイントでしょう。

250年の歴史を持つ文化遺産に泊まる

このホテルは単なる宿泊施設ではなく、「Rashedi Historic House」として知られる文化的遺産としても知られます。なんとこの建物には250年の歴史があり、イラン国立文化遺産にも登録されているのだとか。そんな貴重な建物に一泊30〜50ユーロという破格の値段で泊まれるのは、コスパ最高と言わざるを得ません。

日本であれば国の重要文化財に指定されるようなレベルの建物に、これほどリーズナブルな価格で宿泊できる機会はそうそうないですよね。歴史的建造物に泊まることは、単に寝る場所を確保する以上の文化体験になります。

ペルシャ建築の美しさを堪能できる空間

ホテルは伝統的なペルシャ建築の特徴である「中庭を囲む」構造となっています。カジャール時代の建築様式を色濃く残すこの建物は、中央に美しい石造りの池を配した中庭を中心に、U字型に客室が並んでいます。

バラの季節には花びらが浮かぶプール

地下階、地上階、1階の3層構造になっており、それぞれのフロアによって特徴の異なる部屋があります。料金体系も部屋のタイプや階によって異なり、30ユーロ〜50ユーロの幅があります。個人的におすすめなのは、1階(イランの1階は地上階の上のフロア、要するに日本で言う2階に相当します)の「VIP Double Room」。追加料金を払う価値は十分にあります。

今回利用したVIP Double Room

中庭には「タフト(takht)」と呼ばれるペルシャの伝統的な小上がりが設置されています。ここはくつろぎのスペースであると同時に、朝食やお茶を楽しむ場所にもなっています。木製のこのプラットフォームに座布団を敷き、靴を脱いで座り込むスタイルは、どこか日本の縁側文化を思わせる親近感があります。

朝食は、タフトであぐらをかきながらいただくスタイル

庭にはイランを象徴するミカンの木も何本か植えられています。私が訪れた2月はちょうど実がなっており、朝食時に木から「ぽとり」と落ちてきたミカンをオーナーさんがドライブのお供用にと持たせてくれました。このミカンを持ってペルセポリス観光に出かけたのですが、イラン特有の酸味が特徴的で、暑い中での観光の合間に食べるとなんとも爽やかな気分になりました。

冬は蜜柑のシーズン。季節ごとに異なる景色を見せてくれるホテルは、四季を大切にする日本人の感性ともぴったりのはず。

旧市街を望む屋上テラス

またもう一つの魅力は、屋上から眺める景色。屋上テラスは展望フロアとして開放されており、ここからシーラーズ旧市街地を一望することができます。特に印象的なのは、近くに見えるイマームザーデ・セイエド・アラディーン・ホセイン廟の青いドーム。イスラム建築特有の青いタイルが施されたこのドームは、朝日や夕日に照らされると神秘的な輝きを放ちます。

私は毎朝、屋上でお茶を飲みながら、徐々に明るくなっていく街をぼーっと眺めるのが日課になっていました。

モスクのドームと目線がちょうど同じに

ホテル構成と料金体系

「Shiraz Traditional Hotel」の客室は以下のように分かれています:

  • Single Room (1st Floor) - €30 per night
  • Eastern Double Room (Basement Floor) - €35 per night
  • Western Double Room (Basement Floor) - €35 per night
  • Twin Room (Ground Floor) - €40 per night
  • Double Room (Ground Floor) - €40 per night
  • Double Room (1st Floor) - €45 per night
  • VIP Double Room (1st Floor) - €50 per night
  • Triple Room (Ground Floor) - €50 per night

イランの物価の安さを考えると、これらの料金は非常にリーズナブル。私は思い切って最上級の「VIP Double Room」を選びましたが、これが大正解でした。VIPとは言っても一泊約8,000円なので、日本のビジネスホテルよりも余程安い。歴史的建造物の中で最も素敵な部屋に泊まれるなら、妥協しない方が良いでしょう。

まとめ:写真愛好家もディープな旅行者も満足の宿

「Shiraz Traditional Hotel」は写真愛好家にとっても、イランの文化に深く触れたい旅行者にとっても、最高の選択肢となるはずです。写真映えする素敵な空間と、250年の歴史を持つ本物の文化体験が同時に楽しめる稀有な宿泊施設と言えるでしょう。

次回の後編では、私が宿泊した「VIP Double Room」の具体的な様子や、部屋の中のディテール、そしてホテルが提供する便利なサービスについて詳しくお伝えします。

〜次回後編に続く〜

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