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Gornergratよりも格安に絶景マッターホルンを味わいたいならケーブルカーでスネガ(Sunnegga)に行こう - 真冬の訪問体験レポート【スイス旅行】

スイスの人気観光地ツェルマットでマッターホルンの絶景を楽しむとなると、多くの旅行ガイドブックは「Gornergrat(ゴルナーグラート)」を推薦しています。確かに標高3,089メートルからの眺めは素晴らしいのですが、以前の記事でも紹介した通り、一般的に往復一人あたり約96スイスフラン(冬のローシーズンで、夏はさらに高額)という料金に尻込みする方も多いでしょう。

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今回は、そんな方々におすすめの穴場「Sunnegga(スネガ/スンネッガ)」を訪れた体験をレポートします。マッターホルンの絶景を、より手頃な料金で楽しめるこのスポットは、知る人ぞ知る隠れた名所なのです。

スネガへのアクセス

 

ケーブルカー駅は、Zermatt鉄道駅から徒歩で10分程度。ケーブルカーに乗らずとも、麓からもマッターホルンが望めるため早速テンションが上がります。

 

ツェルマットの町から、スネガへは専用の地下ケーブルカーでアクセスします。駅はツェルマット駅から徒歩約10分、町の東側に位置しています。地下駅の入り口は小さめですが、「Sunnegga」の表示があるので迷うことはないでしょう。

切符売り場で往復チケットを購入します。料金は往復で32スイスフランから。Gornergratの約3分の1の料金でマッターホルンの絶景が楽しめるのです。Swiss Travel PassやHalf Fare Cardをお持ちの方は、さらに割引が適用されます。

地下ケーブルカーの不思議な体験

スネガへのケーブルカーは実に特徴的です。完全に地下を走るトンネル内のケーブルカーで、わずか4〜5分ほどで標高2,288メートルのスネガに到着します。

真冬の訪問だったこともあり、乗客はほとんどスキーヤースノーボーダー。観光客は数えるほどでした。これもGornergratとの大きな違いです。スネガまでの移動をするだけでも冒険気分を味わえるのは嬉しいポイントです。

ケーブルカー乗車中の景色を楽しむなら最前列・最後列が特等席だが、全区間トンネルのためこれといって面白い景色は見れない

スネガに到着

ケーブルカーを降りると、そこはもう別世界。目の前に広がるのは真っ白な雪景色と、そこにどっしりと構える偉大なマッターホルン。Gornergratよりも標高は低いものの(約800メートル差があります)、マッターホルンまでの距離感は絶妙で、迫力ある姿を写真におさめることができます。

目の前にどーんと聳え立つマッターホルン。この景色を見ると、もうわざわざGornergrateまで行かなくてよくない?という気分にすらなります笑

駅を出ると、すぐそこにレストランとテラス席があります。冬の晴れた日には、テラスで日光浴を楽しむスキーヤーたちで賑わっています。温かい飲み物を片手に、マッターホルンを眺めるひとときは格別です。

テラスレストランではアプレを楽しむスキーヤーも多数

湖に映るマッターホルン

スネガの最大の見どころの一つが、湖に映る「逆さマッターホルン」です。夏季はこの美しい風景を楽しめますが、私が訪れた冬季は湖が完全に凍結していました。凍った湖には危険が伴うので、湖面まで行くことはおすすめしませんが、その周辺エリアはスキーヤーも少なく、静かな雪遊びスポットになっています。

 

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湖から安全な距離を保ちながら、思い切り雪遊びを楽しむことができました。雪合戦や雪だるま作りなど、大人も子供も楽しめる空間が広がっています。夏に再訪する機会があれば、ぜひ湖に映る逆さマッターホルンの絶景を堪能したいと思います。

雪の中に寝転がって天使の羽を作ったり、楽しみ方は無限大。但し雪が深すぎて抜け出せなくなる可能性もあるので要注意。

スキー初心者にも優しい環境

スネガエリアは、スキー初心者にも優しい環境が整っています。Gornergratやグレッシャーパラダイスは上級者向けのコースが多く、スキーに自信のない方は行きづらいと感じるかもしれませんが、スネガには初心者用のゲレンデも充実しています。

初心者用のエリアもあるのがここの魅力。雪遊びをするにもオススメ。

Sunneggaエリア内の小さなロープウェイを利用してアクセスします。

初心者エリアはのんびりした雰囲気

 

私自身はスキーをしませんでしたが、多くの初心者スキーヤースノーボーダーが、インストラクターと一緒に練習している様子が見られました。スキーに挑戦してみたい方も、気負わずに訪れることができる場所です。

高山病対策としてのスネガ

またツェルマットを訪れる多くの旅行者が悩むのが高山病の問題です。せっかく来たのだからと、到着してすぐに標高3,000メートル超のGornergratやMatterhorn glacier paradise(3,883m)に登ると、高山病のリスクが高まります。

その点、スネガは標高が2,288メートルとやや低めで、高所に体を慣らすための「ウォーミングアップ」として最適です。ツェルマットに到着した初日は、まずスネガで体ならしをし、翌日や午後からGornergratに登るというプランがおすすめです。実際、私も到着初日の朝にスネガを訪れ、体を高所に慣らしてからその午後にGornergratに向かいました。

静かな環境で写真撮影

スネガの魅力のひとつは、比較的空いていること。特に午前中の早い時間や、スキーヤーが昼食に向かう時間帯は、観光客も少なく、ゆっくりと写真撮影が楽しめます。マッターホルンの撮影に関しては、空の青さと雪の白さのコントラストが美しいので、晴れた日の訪問をお勧めします。

また、撮影スポットも豊富です。スネガ駅周辺、レストランのテラス、凍った湖の周辺など、様々な角度からマッターホルンを捉えることができます。

ハイキングとサイクリング

真冬に訪れた私は、深い雪のため周辺の村まで歩くことはできませんでしたが、夏季には多くのハイキングコースが整備されています。スネガからFindeln(フィンデルン)と呼ばれる小さな村までのコースは人気があり、マッターホルンを眺めながらの散策が楽しめるそうです。

 

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また、夏季にはマウンテンバイクのレンタルも可能で、Zermattまでの10キロ程度の道のりをサイクリングを楽しむこともできます。アルプスの爽やかな空気の中、自然を満喫できるアクティビティが豊富なエリアです。

まとめ

スネガは、「コストパフォーマンス」という観点からみると、ツェルマットエリアでマッターホルンを眺めるベストスポットと言えるでしょう。観光客が溢れるGornergratに比べ、より静かな環境でマッターホルンの姿を堪能できます。

冬季の訪問であれば、スキーヤーの姿も相まって、より本物のスイスアルプスの雰囲気を味わうことができます。また、高山病対策の「順応地点」としても最適です。初めてアルプスの高地を訪れる方には、特におすすめのスポットと言えるでしょう。

アルプスの美しさと静けさを求める旅行者に、ぜひとも訪れていただきたい隠れた名所です。

※料金や営業時間は変更の可能性があります。訪問前に最新情報をご確認ください。