はじめに:外国人が中国でタクシーを利用する際の壁
中国を旅行中の外国人にとって、移動手段の確保は大きな課題のひとつです。特にタクシー配車アプリについては、一見すると「DiDi(滴滴出行)」などのアプリが使えるように見えても、実際には外国人ユーザーに対しては「ドライバーが見つからない」という状況に陥ることがほとんどです。
中国国内の配車サービスを直接利用するには、通常、中国の電話番号や中国の身分証明が必要となります。しかし、多くの旅行者はこれらを持っていません。そこで登場するのが、AliPay(支付宝)を介した配車方法です。
AliPayを使った配車サービス
AliPayを使うことで、外国人旅行者でも簡単に中国国内のタクシー配車サービスにアクセスできます。この方法の最大の魅力は、中国の電話番号がなくても利用可能なことと、英語インターフェースで操作できる点です。さらに、クレジットカード決済に対応しているため、現地通貨を用意する必要もありません。DiDiなどの現地配車サービスを間接的に利用できるという、いわば「裏技」的な方法なのです。
AliPayを使ったタクシー配車の手順
1. アプリのダウンロードと初期設定
まず、AppStoreやGoogle Playから「AliPay」アプリをダウンロードします。アプリを開いたら、地域設定を確認します。日本のエリアが選択されたままだと配車機能が表示されません。必ず中国本土の市町村に変更してください。
配車機能へのアクセス
地域設定を変更したら、ホーム画面で「Transport」メニューを探してタップします。表示された子メニューの上部タブから「Taxi」を選択すると、配車画面に進むことができます。
3. 配車リクエストの作成
配車画面では、まず出発地(Pickup)を入力します。現在地を自動取得することも可能です。次に目的地(Destination)を入力し、表示された車種オプションから希望のものを選択します。このとき料金の目安も表示されるので、予算に合わせて選択できます。最後に「Confirm Request」をタップして予約を実行しましょう。
正しく操作できていれば、通常数分以内にドライバーとマッチングします。中国国内の配車状況はとても効率的で、都市部であれば数分で配車が完了することがほとんどです。日本でタクシーを呼ぶより早く配車されることも珍しくありません。
4. ドライバーとのコミュニケーション
マッチング後は、アプリ内のチャット機能を使ってドライバーとコミュニケーションを取ることができます。ピックアップ場所の詳細説明が必要な場合や、道路工事や通行止めなどのトラブルが発生した時、待ち合わせ場所を変更したい時などに活用しましょう。
言語の壁がある場合でも、アプリ内の翻訳機能を活用すれば、基本的なコミュニケーションは可能です。また、ピックアップ地点の写真を送ることもできるので、言葉でうまく説明できない場合は画像でのコミュニケーションも効果的です。
5. 乗車と支払い
タクシーが到着したら乗車します。目的地に到着すると、アプリ上で自動的に料金が計算され、支払い画面が表示されます。金額を確認したらアプリ内で支払い手続きを実行しましょう。
支払いをスムーズに行うために、事前にAliPayにクレジットカードを登録しておくことをおすすめします。これにより、現金を用意する手間が省け、アプリ上で全ての操作を完結することができます。
おまけ:Trip.comを活用した空港送迎
特に空港から市内へのアクセスなど、事前に予定が決まっている場合は、「Trip.com」を活用した送迎サービスの予約もおすすめです。料金はAliPayでの配車とほぼ同等でありながら、事前に日時と場所を指定して予約可能なので安心感があります。
このサービスを利用すれば、空港へ向かう際にタクシーを探す手間や、なかなかタクシーが捕まらないリスクを抑えることができます。特に初めての中国訪問で不安がある場合は、この方法で最初の移動を確保しておくと安心です。
まとめ
中国国内での移動において、AliPayを活用したタクシー配車は外国人旅行者にとって非常に便利なオプションです。DiDiなどの現地アプリが直接使えない状況でも、AliPayを経由することで同様のサービスにアクセスできます。
事前にアプリをダウンロードし、必要な設定を済ませておけば、現地での移動がぐっと楽になるでしょう。特に言語の壁が心配な方や、初めて中国を訪れる方にとって、この方法は安心感のある移動手段となります。
旅行の計画段階で、ぜひAliPayアプリのセットアップを検討してみてください。スムーズな中国旅行のための強力なツールとなるはずです。