5イギリスの美しいコッツウォルズの丘陵地帯、スコットランド・ハイランドの雄大な自然、ロンドン郊外の田園風景など、イギリスには息をのむような風景が数多く存在します。これらの美しい景観をドローンで空撮できれば、素晴らしい思い出になるでしょう。
イギリスでのドローン飛行には明確な規制がありますが、小型ドローンを使用すれば、手続きが大幅に簡素化されます。この記事では、イギリスでドローンを飛ばす際に知っておくべき最新情報と、特に250g未満のドローンを活用するメリットをご紹介します。
イギリスのドローン規制:250g未満が圧倒的に有利
イギリスのドローン規制は、英国民間航空局(Civil Aviation Authority、以下CAA)によって管理されています。最も重要なポイントは、ドローンの重量によって必要な手続きが大きく異なるという点です。
イギリスでは、ドローンの重量やタイプによって必要なIDが明確に定められています。具体的には、「フライヤーID」と「オペレーターID」の2種類があり、ドローンの重量や機能によってどちらが必要かが変わってきます。
250g未満のドローンのメリット
イギリスでは250g未満のドローンを使用する場合、以下のような大きな利点があります:
カメラ付きの場合でも、フライヤーID(操縦者ID)は不要です。オペレーターID(運用者ID)のみが必要となります。これは18歳以上であれば簡単にオンラインで取得可能です。おもちゃタイプの場合や、カメラが付いていない場合は、オペレーターIDも不要に。
一方、250g以上のドローンでは、フライヤーIDとオペレーターIDの両方が必要になります。フライヤーIDを取得するには、CAAの公式理論テストに合格する必要があります。
つまり、イギリス旅行でドローン撮影を考えているなら、DJI Mini 4 Proなどの250g未満のカメラ付きドローンが最も手続きが簡単で理想的な選択肢となります。
オペレーターIDの取得方法
250g未満のカメラ付きドローンを使用する場合、オペレーターIDの取得が必要です。これは比較的簡単な手続きで、以下のステップで行えます:
1. CAAの登録サイトにアクセス
2. アカウントを作成(18歳以上であることが条件)
3. 必要事項を入力し、料金を支払う
4. 発行されたオペレーターIDをドローンに表示
オペレーターIDは年間更新が必要で、料金は£10(約1,900円)程度です。取得したオペレーターIDは、目視できるようにシールなどでドローンに表示する必要があります。
外国人旅行者もオンラインで申請可能で、イギリス国内の住所がなくても取得できます。短期滞在の場合でも、法令を遵守するためには必要な手続きです。
イギリスでのドローン飛行カテゴリー
イギリスでは、ドローン飛行は「Open A1」「Open A2」「Open A3」「Specific」「Certified」の5つのカテゴリーに分類されています。一般的な観光客は「Open A1」と「Open A3」カテゴリーで飛行することになります。
250g未満のドローンは基本的に「Open A1」カテゴリーに分類され、人の上空を避けるという条件で、比較的自由に飛行できます。一方、250g以上のドローンは主に「Open A3」カテゴリーとなり、人から150m以上離れた場所でのみ飛行可能です。
このカテゴリー分けにより、250g未満のドローンはちょっとした町の公園や観光地などでも、人の上空を避けるという基本ルールを守ればより自由に飛行できるという大きな利点があります。
イギリスでドローンを飛ばす際の基本ルール
イギリスでドローンを飛ばす際は、重量に関わらず以下の基本ルールを守る必要があります:
常に安全に配慮し、責任を持って飛行すること。飛行高度は地上から120m以下に制限される。空港や飛行場の飛行制限区域内では飛行しない。常に目視範囲内で飛行し、ドローンをコントロールできる状態を維持する。人混みや建物の上空での飛行は避ける。他の航空機の邪魔をしないよう注意する。プライバシーを尊重し、人のプライベートな領域を撮影しない。
これらのルールは「The Drone and Model Aircraft Code」として公開されており、ドローン操縦者はこのコードに従う義務があります。
飛行禁止区域と撮影におすすめのスポット
重要なことに、イギリスには明確な飛行禁止区域が設定されています。代表的なのは、空港や飛行場の周辺(一般的に周囲5km以内)、軍事施設周辺、特定の政府機関や重要インフラ周辺、国立公園内の一部エリア(特に野生動物保護区域)など。
特にロンドン市内は飛行制限ゾーンが多数設定されています。テムズ川沿いの主要観光地、バッキンガム宮殿周辺、国会議事堂周辺、主要な公園や広場など、多くの場所で飛行が制限または禁止されています。また、ロンドン・シティ空港やヒースロー空港の影響範囲も広いため、市内の大部分はドローン飛行が難しい状況です。ロンドンでドローンを飛ばす場合は、事前に詳細な制限区域の確認が必須です。
飛行前には必ず「Drone Assist」などのアプリで、飛行予定場所の制限を確認することをお勧めします。その他、私有地などで飛行する際には必ず土地所有者または管理者の許可が必要になります。
おすすめのドローンモデル
さて、イギリス旅行にドローンを持って行く場合、私がもっともおすすめするのはDJI Mini 4 Proです。重量が249gのため、ヨーロッパ諸国などを含む海外への持ち込み時に手続き申請を簡略化できる他、4K/60fpsの高画質撮影が可能です。3方向の障害物検知センサーが搭載され安全性が高く、初心者でも比較的気軽に飛行できる上、軽量モデルの中では群を抜いて耐風性が高いのが魅力。小型ドローンにありがちな、ちょっとの風で操縦可能になったり、紛失するといった心配もありません。最大34分の飛行時間で、一度の充電で十分な撮影が可能。折りたたみ式で持ち運びやすく、計量のため旅行に最適、など良いとこ尽くしのモデルとなります。
※DJI mini 4 proを購入する際は、予備バッテリーや重電ハブが付属したこちらのセットがお得です。
ちなみに、私自身旅行に出かける際は上記のDJI Mini 4 Proか、もしくは渡航先国の重量規制が緩い場合はAir 3を持って行くことが多いです。Air 3は720g、とMiniシリーズと比べて少し重めではありますが、ドローンの中では軽量の部類。それでいてレンズを二つ持っており、広角・望遠撮影を使い分けることができるため、よりがっつり撮影をしたい場合にはオススメです。
イギリスにドローンを持って行く際の注意点
その他、イギリスにドローンを持って行く際は、以下の点に注意しましょう。
まず、バッテリーは必ず機内持ち込み手荷物として持参し、預け入れは避けること。イギリスは天候が変わりやすいため、防水対策や急な天候変化への備えが必要。特に沿岸部や高地では風が強いことが多いので注意すること。
また、イギリスは個人のプライバシーに非常に敏感な国です。住宅地や私有地の上空での飛行は避け、人々のプライバシーを尊重することが重要です。
まとめ:イギリス旅行なら250g未満のドローンが最適
イギリスでのドローン撮影は、250g未満の小型機を選ぶことで手続きの手間を大幅に削減できます。フライヤーIDの取得が不要となり、オンラインでオペレーターIDを取得するだけで合法的に飛行可能です。
DJI Mini 4 Proなどの250g未満の高性能ドローンであれば、イギリスの美しい景観を十分に堪能できる素晴らしい映像が撮影できるでしょう。また、Open A1カテゴリーでの飛行が可能なため、より多くの場所で撮影を楽しむことができます。
イギリスの美しい景色を空から楽しむために、ぜひ250g未満の小型ドローンの持参を検討してみてください。適切なマナーとルールを守りながら、イギリスならではの絶景を空撮する喜びを味わえることでしょう。
免責事項
本記事の情報は2025年4月時点のものです。イギリスのドローン規制は変更される可能性があるため、渡航前に必ず最新の規制をCAAのウェブサイトで確認してください。本記事の情報に基づいて行動された場合の結果について、筆者は責任を負いかねます。特に法的リスクについては、渡航者自身の責任となりますので、十分にご注意ください。