
アラブ湾岸諸国を訪れたら、現地の美しい伝統衣装を着てみたい!そう思う方は少なくないでしょう。特に男性の純白の長衣「サウブ(トーブ)」は、その上品な見た目と涼しい機能性に魅了されるものです。
しかし、「白い布地だから下着が透けてしまわないだろうか?」「どんな下着を着ればいいの?」と不安に思う方も多いはず。今回は、観光客が現地の民族衣装を着る際の下着事情と、透け防止のコツをご紹介します。
サウブの下着選びと透け対策の基本
現地の男性たちは実際には白い下着を着用するのが一般的です。これは一見すると白い長衣の下で透けそうに思えますが、実はサウブ自体の素材と織り方、そして伝統的な重ね着のスタイルによって透けを防いでいます。

現地の男性が必ず着用している「ファニーラ(فنيلة)」と呼ばれるアンダーシャツは純白で、サウブの下に必ず着用されます。これは白いタンクトップや半袖Tシャツの形状をしており、肌や体のラインが透けて見えるのを防ぐ重要な役割を果たしています。吸湿性に優れた綿素材が好まれ、灼熱の気候の中でも快適に過ごせるよう工夫されています。
観光客の方もサウブを購入する際は、同時にファニーラも買うことをおすすめします。ファニーラの上からサウブを着ることで、体のラインが目立つのを防ぎ、より正統的な着こなしができます。

下半身には「シルワール(سروال)」と呼ばれる長めの白い下着(膝丈ほどのスボン型)を履くのが伝統的です。これも白色が基本ですが、サウブの長さと素材のおかげで透けることはありません。観光客の場合は、白や肌色のボクサータイプや膝丈のスパッツタイプの下着でも代用できますが、できるだけ長めの丈のものを選ぶと安心です。
サウブの素材と透け防止の工夫
アラブ湾岸諸国の伝統衣装は何千年もの歴史の中で、灼熱の気候と文化的慎みを両立させるよう洗練されてきました。一見すると薄く見えるサウブですが、実は透けを防ぐための工夫がふんだんに施されています。
サウジアラビアのサウブには「アル・マロキ」や「アル・ジャパーニ」などの上質な生地が使われ、見た目は軽やかでも裏地がついていたり、特殊な織り方で透けにくく工夫されています。光に透かしてみると一目瞭然ですが、高品質のサウブは内側に特殊な織りパターンがあり、これが下着の透けを防いでいます。
UAEのカンドゥーラは襟元に「タラーシャ(طراشة)」と呼ばれる紐状の装飾があるのが特徴的ですが、生地そのものも重厚で、特にドバイやアブダビでは高級素材を使った透けにくいデザインが好まれています。
オマーンのディシュダーシャは他国と異なり、襟元に刺繍が施されていることが多く、色も白だけでなく淡いパステルカラーも選べます。色付きのものは透け感が少ないので、白の透けが気になる観光客の方にもおすすめです。

カタールとクウェートのトーブは襟の形が立ち襟になっていて、やや幅広のデザインが特徴です。特にカタールでは、高級感のある光沢のある生地が好まれ、特殊な二重織りの技術で透けを防いでいます。
観光客向けのサウブ購入時の実践アドバイス
サウブを購入する際は、生地の厚さや透け具合をしっかりチェックしましょう。手に取ったときの重さや質感で品質がわかることが多いです。良質なサウブは軽くても適度な重みがあり、指で軽く引っ張っても簡単に透けません。裏地の有無も確認し、可能であれば光に透かしてみるとよいでしょう。
サイズ感も重要です。サウブはゆったりとしたシルエットが基本ですが、きつすぎると下着のラインが出やすくなります。かといって大きすぎると不恰好になるので、購入時には必ず試着して鏡で確認することをおすすめします。
湾岸諸国では、ショッピングモールや専門店で様々な価格帯のサウブを購入することができます。観光客向けの店舗では英語も通じることが多く、透けの心配がある旨を伝えれば、適切な素材や厚みのものを提案してくれるでしょう。また、スークで安売りされているようなサウブは透け対策面では難があります。
下着以外にも透け防止のテクニックがあります。重要な場面や式典、写真撮影時には、サウブの上に「ビシュト(بشت)」と呼ばれる外套を羽織るのが現地の習慣です。これは主に黒や茶色、ベージュなどの色で、金や銀の刺繍が施された高級感あるアイテムで、格式の高さを示すと同時に、体のラインを隠す効果もあります。
また、頭に巻くヘッドドレス(サウジアラビアでは「シュマーグ」、UAEなどでは「グトラ」と呼ばれる)の端を肩にかけると、首元からの透けを防止できます。これは現地の男性もよく行う自然な仕草なので、ぜひ真似てみてください。
動きが多い場面では、サウブの裾がめくれる心配があります。現地の男性はこれを防ぐため、内側でベルトのように裾をまとめることがあります。観光客の方も長時間の着用や活動的な場面では、このテクニックを使うと安心です。
サウブを長く楽しむためのケア方法
余談ですが、せっかく購入したサウブを長く愛用するためには、適切なケアが欠かせません。素材によって手入れ方法も異なるので、購入時に店員さんに必ず確認しましょう。
多くの高級サウブは専門のクリーニングを推奨しています。自宅で洗濯する場合は、冷水での手洗いが基本で、強く絞ったり、漂白剤を使ったりするのは避けるべきです。アイロンをかける場合も、低温から中温で、当て布をすることで生地を傷めにくくなります。
保管の際は、湿気の少ない場所に吊るして保管するのが理想的です。折り目がついてしまうと、見た目に影響するだけでなく、その部分が傷みやすくなることもあります。
まとめ:自信を持ってサウブを楽しもう
サウブは単なる衣装ではなく、アラブの文化や知恵が詰まった素晴らしい民族衣装です。適切な下着選びと素材の知識があれば、下着の透けを気にすることなく、現地の伝統的な装いを楽しむことができます。
アラブの人々は何千年もの間、灼熱の砂漠気候の中で快適に過ごすための知恵を衣服に織り込んできました。白い長衣と白い下着の組み合わせは、見た目の清潔感と実用性を兼ね備えた、長い歴史が生み出した最適解なのです。
現地の方々も観光客が自分たちの衣装に興味を持つことを歓迎してくれますので、恥ずかしがらずにチャレンジしてみましょう。店員に「サウブを着たいのですが、下着の透けが心配です」と率直に相談すれば、きっと丁寧にアドバイスしてくれるはずです。
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