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中東屈指のコスパLCC、Air Arabia (エアアラビア)搭乗レポート - シャールジャ~シーラーズ往復の利用を経て

中東のLCC(格安航空会社)というと、サービスの質や安全性に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。私も初めてエアアラビア(Air Arabia)を利用する前は、正直なところ少し不安がありました。「本当に予定通り飛ぶのか」「機内環境は大丈夫か」「危険なんじゃないか」といった疑問が頭をよぎりました。

しかし、実際に体験してみると、その不安は杞憂に終わりました。この記事では、シャールジャ(Sharjah)からイランのシーラーズ(Shiraz)への往復でエアアラビアを利用した体験を詳しくご紹介します。中東のLCCに対する先入観を持っている方々に、実際のサービス品質や体験をお伝えできればと思います。

エアアラビア(Air Arabia)について

https://www.airlineroutemaps.com/maps/Air_Arabia

エアアラビアは、UAEシャールジャを拠点とする中東最大のLCCの一つです。2003年に設立され、中東、北アフリカ、アジア、ヨーロッパの170以上の都市に就航しています。特に、他の航空会社ではカバーしていない路線も多く持っているため、中東やアジアの一部地域への旅行には非常に重宝します。

価格競争力があり、基本運賃に含まれている機内手荷物が10kgまでOKだったりと、通常のLCCよりも少し価値の高いサービスを提供していることが特徴です。シャールジャを拠点としていますが、モロッコカサブランカやエジプトのアレキサンドリアなど、複数の拠点も持っているそう。

予約時のちょっとしたトラブル

今回の旅行では、格安OTA「SEISHIN SPIRIT(セイシンスピリット)」を通じて航空券を予約しました。比較的新しい格安航空券予約サイトで、特に中東・アジア路線に強いことで知られます。価格は魅力的だったのですが、ここでちょっとしたトラブルが発生しました。具体的な内容については別記事で詳しく書いていますので、興味のある方はそちらをご覧ください。このトラブルがあったものの、最終的には無事に旅を楽しむことができました。

www.kosupatravel.com

出発前:シャールジャ空港での体験

早朝のシャールジャ国際空港(Sharjah International Airport)は、予想していたよりも活気に満ちていました。ドバイの隣町にあるこの空港は、ドバイ国際空港ほど巨大ではないものの、意外と多くの旅行者で賑わっています。空港に到着すると、エアアラビア専用のチェックインカウンターがすぐに目に入りました。赤と白のブランドカラーが目立ち、複数のカウンターが開いていました。

小さめの空港だが、世界各国への国際線が就航する

チェックインカウンターやセキュリティチェックは意外とすいていて、ともに5分ほどで通過。搭乗ゲートへ向かう途中、コンパクトながらも必要なものは揃った空港内のショップやカフェを横目に見ながら歩きました。朝食を食べていなかったので、簡単なサンドイッチとコーヒーを購入。搭乗時間まで30分ほどあったので、ゲート近くのベンチで軽く朝食を取りました。

いよいよ搭乗

搭乗時間の20分前、アナウンスが流れました。英語、アラビア語、そしてペルシャ語の順で案内が行われ、すぐに乗客たちが列を作り始めました。

搭乗ゲートでは、赤いユニフォームを着たエアアラビアのスタッフが搭乗券とパスポートをチェック。すぐに飛行機へと続く搭乗橋を渡り始めました。搭乗橋を歩いていると、UAEの灼熱の外気と空調の冷気が入り混じる不思議な感覚を味わいました。

機内に足を踏み入れると、客室乗務員が笑顔で挨拶。A320型機の機内は、赤と灰色の座席が整然と並んでいました。予約時には座席指定ができていませんでしたが(席指定は追加料金)、チェックイン時に直前だったにもかかわらず窓側の席を確保できました。窓からはシャールジャ空港の風景が一望できました。

座席に座ると、足元のスペースは平均的で、男性の私でも足を伸ばすことができました。座席のポケットには安全のしおりと機内販売の案内のみ。LCCらしく、機内エンターテイメントはありませんでした。機内はあっという間に満席になり、搭乗が完了しました。

効率的な出発と機内での時間

搭乗完了から離陸までの時間の短さに驚きました。客室乗務員は素早く安全チェックを行い、ドアが閉まるとすぐに機長からのアナウンスがありました。フライト時間は1時間30分で、天候は良好、多少の乱気流が予想されるとの説明が。

安全デモが終わるとすぐに飛行機はゲートを離れ、滑走路へと向かいました。滑走路に到着すると、エンジン音が一気に大きくなり、強い加速力を感じました。てきぱきというか、ちょっと荒々しいというか。飛行機は素早く速度を上げ、数秒後には地面を離れていました。

機体が安定した高度に達し、シートベルト着用サインが消えると、客室乗務員が機内販売の準備を始めました。機内アナウンスで飲み物や軽食の販売が案内されましたが、短いフライトだったので私は何も購入しませんでした。

機内には特にエンターテイメントシステムはなかったため、自分で持ち込んだスマートフォンで音楽を聴きながら、窓の外の景色を眺めていました。比較的低空飛行なのか景色がよく見え、UAEの砂漠の風景からペルシャ湾のエメラルドグリーンの海を経て、イランの山岳地帯へと移り変わる様子は、とても印象的でした。

アクロバティックな着陸アプローチ

フライト時間の約3分の2が過ぎた頃、機長からのアナウンスで目的地への着陸準備が始まることが告げられました。徐々に高度を下げていく中、窓の外にはイランの乾燥した岩石砂漠が広がっていました。

そしてフライトの終盤、シーラーズに近づくにつれ、美しいピンクレイク(Pink Lake)が見えてきました。鮮やかなピンク色の湖は、周囲の茶色い大地との対比が素晴らしく、思わずスマートフォンで写真を撮りました。

その瞬間突然、飛行機が大きく右に傾き始めたのです。「これは普通の旋回ではない」と直感的に感じました。窓から見える地面が急に斜めになり、機体が大きくバンクしていきます。

思わず声が出そうになるのを抑えながら、シートアームレストを強く握りしめました。周りを見渡すと、地元のイラン人乗客はこの急カーブに全く動じていません。多くの人は普通に窓から景色を眺めており、これが日常的な着陸パターンであることを物語っていました。

この劇的なカーブは、かつての香港カイタック空港へのアプローチ「香港カーブ」を思い起こさせるものでした。後で知ったところによると、シーラーズ空港へのこの急カーブは「名物」となっており、地形の関係で必要なアプローチだそうです。

急カーブを抜けると、飛行機は再び安定し、シーラーズの街並みが見えてきました。歴史的な建物と近代的な構造物が混在する街の様子が窓から見えました。高度をさらに下げていき、滑走路が見えてきた頃には、すっかり機体は安定し、そのままスムーズに着陸しました。

まとめ

その後はすっかりエアアラビアのリピーターになりました

エアアラビアはLCCながら、シャールジャ~シーラーズ間の短距離フライトとしては十分満足できるサービスを提供しています。特に料金を抑えつつも必要最低限の快適さを求める旅行者や、中東経由での短期旅行を計画している方にはぴったりです。他の航空会社があまり就航していない路線も多く持つエアアラビアは、中東・アジア旅行の強い味方となるでしょう。

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