チュニジアの青と白の町として有名なシディブサイド。その美しい景観を求めて多くの観光客が訪れますが、実際に行ってみると...人、人、人!理想的な写真を撮ろうにも、いつも誰かが画面に入ってきてしまう。特に週末や観光シーズンには、どこもかしこも青い扉の前で順番待ちするほど混雑しています。
そんな中、私がどうしても皆さんに教えたいのが「ダール・エル・アナビ(Dar El Annabi)」です。シディブサイドを訪れるなら、絶対に見逃せないフォトジェニックスポットなんです。他の観光客に邪魔されることなく、美しい青と白のコントラストを堪能できる、まさに写真愛好家の天国です。今回は、実際の訪問体験を踏まえ、レポートをお届けします。
歴史ある邸宅美術館「ダール・エル・アナビ」の魅力
ダール・エル・アナビは18世紀末に建てられた伝統的なチュニジアの邸宅で、現在は博物館として一般公開されています。20世紀には、ムフティ・モハメド・アナビの息子であるタイブ・エル・アナビの夏のリゾートとして再開発されました。「ダール」はアラビア語で「家」を意味し、まさにチュニジアの上流階級の生活を伝える貴重な文化遺産となっています。
この館内に一歩足を踏み入れると、まるで時間旅行をしたかのような感覚に包まれます。伝統的なチュニジアの邸宅建築の真髄を体感できるだけでなく、当時の暮らしぶりを今に伝える貴重な調度品や装飾品の数々が目を楽しませてくれます。
華麗な彫刻が施された天井、繊細な幾何学模様のタイル、伝統的なチュニジアの家具が配された優雅な空間には、その時代の息吹が今も感じられます。特に中央の中庭を囲む回廊式の設計は、イスラム建築の特徴を見事に表現しており、写真撮影の絶好のポイントとなっています。
写真撮影の決定版スポット:ルーフトップテラス
そんなダール・エル・アナビの最大の魅力は、何と言ってもルーフトップテラスです。ここからの眺めは圧巻です!
広々としたテラスは、シディブサイドの他の観光スポットと違い、ゆったりと時間をかけて撮影できるのが最大の利点。立体感のある白壁と青い手すりのコントラストが織りなす空間は、どの角度から撮っても絵になります。シディブサイドの街やチュニス湾を一望できるパノラマビューも素晴らしい。
日差しの強い真っ昼間も良いですが、特に朝早くか夕方遅くに訪れると、柔らかな光線が白壁を黄金色に染め、これまた幻想的でフォトジェニックな時間帯に。
内装と展示品の魅力—時を超えた贅沢な空間
ダール・エル・アナビを訪ねるからには、写真だけ撮って満足して帰ることなかれ。ダール・エル・アナビの内部空間は、チュニジアの伝統美の宝庫です。精巧に彫刻された木製の扉や窓枠、手作業で描かれた壁画、そして色鮮やかな絨毯が織りなす世界は、現代のインテリアデザインに通じる洗練された美意識を感じさせます。
館内には、伝統的なチュニジアの婚礼衣装や日常生活で使われていた道具類も展示されています。特に注目すべきは伝統的な「セドリア」と呼ばれる婚礼用の座席。花嫁が結婚式の日に座るための特別な椅子で、その華麗な装飾は思わずカメラのシャッターを切りたくなるほどの美しさです。
また、プライベートライブラリには貴重な古書や手書きのコーランが保管されており、当時の文化的な豊かさを物語っています。礼拝堂は厳かな雰囲気に包まれ、チュニジアのイスラム文化の一端を覗くことができます。
寝室には当時の上流階級が使用していた伝統的なベッドや化粧台が保存されており、その精巧な細工は職人技の高さを今に伝えています。特に天蓋付きの豪華なベッドは、まるでアラビアンナイトの世界から抜け出してきたかのような華麗さです。
キッチンエリアには、欧米風のモダンなつくりのキッチンに伝統的な調理器具や食器が展示されており、当時の食文化を垣間見ることができます。青と白の陶器は、建物の外観の色彩と見事に調和し、その美しさは写真映えすること間違いなしです。
その他の撮影スポット
撮影スポットとしてダール・エル・アナビの魅力は尽きません。アーチ状の通路から奥を振り返る構図は、自然なフレーミングが生まれる絶好のアングル。伝統的なイスラム様式の細かな装飾模様は接写すると、その精緻な美しさが際立ちます。
また青と白のコントラストが美しい階段は、上から見下ろす角度が特におすすめです。
訪問時の情報
ダール・エル・アナビは通常、9:00~17:00(10月~3月)、9:00~18:00(4月~9月)に開館しています。入場料は約10ディナール(約450円)ですが、この価値は十分にあります。混雑を避けるなら平日の午前中がおすすめで、館内をじっくり見て回るなら1~2時間は見ておきましょう。服装は特に厳しい規定はありませんが、文化的な施設であることを考慮した服装が望ましいでしょう。
まとめ
シディブサイドは確かに美しい街ですが、人気観光地ゆえの混雑も避けられません。そんな中、ダール・エル・アナビは貴重な「ゆっくり撮影できる空間」を提供してくれます。単なる写真スポットではなく、チュニジアの歴史と文化を深く体感できる生きた博物館としての価値は、入場料をはるかに上回るものがあります。
本記事が気に入った方は、次回チュニジア旅行の際にぜひダール・エル・アナビをスケジュールに入れてみてください。
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