前回のシャルム・エル・シェイクとダハブの比較記事に続き、今回はダハブ(Dahab)の最大の目玉スポット「ブルーホール」に焦点を当てた詳細レポートをお届けします。世界的に有名なこのダイビング・シュノーケリングスポットの魅力と注意点、そして実際の訪問体験を包み隠さずお伝えします。
前回記事はこちらから
ダハブ・ブルーホールとは?基本情報から
ダハブのブルーホール(Blue Hole)は、シナイ半島東岸の紅海に面した天然の海中洞窟です。直径約100メートル、深さ約110メートルの円形の穴が海底に開いており、その独特な地形から「世界で最も美しいダイビングスポットの一つ」として知られています。
ダハブ市街地から北へ約8kmの場所にあり、直径約100メートル、深さ約110メートルの円形の穴が海底に開いています。入場料は一人10ドル、車1台につき5ドルが必要です。水温は年間24-28℃とされていますが、実際の体験では季節による差が大きいことが分かりました。
現地到着〜ブルーホール体験の一日
今回はシナイ山登山からの帰路、レンタカーでブルーホールへ向かいました。ダハブ市街地から約8km、15-20分の道のりです。最初は普通の舗装道路ですが、最後の数kmが要注意のオフロード。
舗装されていない砂利道で、車が横転しそうになるほど揺れます。セダンでも通行可能ですが、慎重な運転が必要です。4WDがあると安心ですが、我々のレンタカーは普通のセダンでも何とか通れました。
途中、ブルーホールの手前には名も無きビーチがあり、なんとラクダの姿が!恐らく観光用のラクダで、海を見ながらラクダに乗れるという、なかなかない体験ができそうです。
入場料支払い・準備
ブルーホールに到着する際には、まず入場料の支払いが必要となります。一人10ドル、車1台につき5ドルが必要でした。ゲートを入って駐車場を探していると、親切な海の家のおじさんが声をかけてくれました。「お茶でも飲んでいかない?」という感じで、実質的にはお茶代(3人で600円程度)で車を駐車させてもらえることに。
この海の家はシュノーケリングツアーショップも兼ねており、インストラクターの同行も提案してくれました。時間があまりなかったため今回はお断りしましたが、それでも親切におすすめのルートや地形についてブリーフィングをしてくれる、なんとも温かい対応でした。
更衣室も海の家のものを利用させてもらうことができました。今回はレンタカーで自力で来たということもあって、どこで着替えるべきか事前情報が無く困っていたので、大変助かりました。また、貴重品も預かってくれると言ってくれましたが、双方のトラブル回避のため、ドライバッグで海に持参することにしました。
シュノーケリング体験レポート
さて、実際にブルーホールでシュノーケリングしてみました。このブルーホールの最大の魅力は、その独特な地形です。ホールの形状に沿って、肩までの深さのところから一気に水深100メートルの深さにドロップオフ(急激な深度変化)しています。このドロップオフこそが魚影が最も豊富で見どころなのです。
深い青色に吸い込まれそうな感覚は、他では味わえない体験でした。カラフルなスズメダイの群れ、エンゼルフィッシュ、そして深場から上がってくる回遊魚など、ドロップオフ周辺での魚の多様性は印象的でした。リーフエッジの岩には、綺麗な色をしたパイプウニが隠れています。
5月の訪問でしたが、想像以上に水温が低く感じました。15分ほど入っていると体がぶるぶる震えてくるほど。水温計がなかったので正確な温度は不明ですが、恐らく22-24℃程度だったと思われます。この時期にブルーホールに入るなら、ウェットスーツがあると良いかもしれません。
またサンゴの状況については、前回の記事でも触れましたが、シャルムのラス・モハメドと比較すると、珊瑚の色鮮やかさや魚影の濃さは一歩劣る印象。ただし、ブルーホールの独特な地形美は他では味わえない魅力があります。
訪問日の透明度は15メートル程度。決して悪くはありませんが、観光客の多さにより、期待していたほどのクリスタルクリアな透明度ではありませんでした。午前中の方が人が少なく、透明度も良好とのこと。
午後になると、地元の若者が飛び込み台(本来はただのアクセス)に群がり、度胸試しでもするかのように次々にブルーホールめがけて飛び込んでいました。これにより、余計に泡が立って透明度が落ちていた印象です。
個人的な総合評価
ダハブのブルーホールは、独特な地形美は一見の価値があり、施設・アクセスが整っているため初心者でも安心して楽しめます。食事も含めて一日楽しめ、コストパフォーマンスも良好です。ただし、想像以上の観光地化が進んでおり、「秘境感」を求める人には不向きかもしれません。魚影や透明度も、ラスモハメドと比べてそこまで高くないため、良くも悪くも、観光客の多い有名観光スポットを訪れたい人向けの場所かなと感じました。
まとめ
ダハブのブルーホールは、確かに世界的に有名になるだけの魅力を持ったスポットです。独特な地形美と手軽にアクセスできる環境は、多くの人にとって価値のある体験となるでしょう。
ただし、「手つかずの秘境」を期待して訪れると、想像とのギャップに戸惑うかもしれません。適度に観光地化された、アクセスしやすい美しいスポットとして捉えて訪れることが、満足度を高めるコツだと感じました。
前回の記事でも触れましたが、最高レベルの海の美しさを求める場合はシャルムのラス・モハメド、手軽に楽しめるユニークなスポットを求める場合はダハブのブルーホールという使い分けがベストです。エジプトの紅海エリアを訪れる際は、ぜひ両方のスポットを体験して、それぞれの魅力を比較してみてください。きっと素晴らしい思い出になるはずです。
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