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ギザのピラミッド内部に潜入!メンカウラーのピラミッド玄室訪問体験レポート【エジプト旅行】

5月のエジプト、気温35度を超える砂漠の中で、ついに念願のピラミッド内部探検を果たしました!今回選んだのは、あえてメンカウラーのピラミッド。なぜクフ王の大ピラミッドではなく、3つの中で最も小さなメンカウラーを選んだのか?その理由と実際の体験を詳しくレポートします。

中に入るならメンカウラーのピラミッドがオススメ?

縦に開いた爆破穴がシンボルの、メンカウラーのピラミッド

ギザには3つの有名なピラミッドがあります。最も大きなクフ王のピラミッド、2番目のカフラー王のピラミッド、そして最も小さなメンカウラー王のピラミッドです。多くの観光客が「せっかくなら一番大きなクフ王のピラミッドに!」と考えるのは当然ですが、私たちは敢えてメンカウラーを選択しました。

ピラミッドの入場料は別料金なのですが、クフ王のピラミッドはずばぬけて高額です。一方、メンカウラーのピラミッドは比較的リーズナブル。さらに、5月という観光シーズンのピークでは、クフ王のピラミッドは長蛇の列が予想されました。実際、現地で確認したところ、クフ王のピラミッドには数十人もの観光客が並んでいましたが、メンカウラーは待ち時間ゼロ。

クフ王のピラミッドは入るだけで追加料金4500円(成人)!メンカウラーなら800円程度で済みます

「小さい」とはいえ、メンカウラーのピラミッドも高さ約65メートル、底辺約105メートルという十分すぎる規模です。4500年前の建造物の内部に入るという体験において、サイズの違いはそれほど重要ではありませんでした。

ちなみに、2025年現在カフラーのピラミッドは閉鎖中。よって、ギザのピラミッドエリアで内部見学可能なのはクフまたはメンカウラーの2択となります。

いざ、メンカウラーのピラミッド内部へ

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新しいメインゲートで入場券を購入する際に、あわせてメンカウラーのピラミッド内部見学チケットも購入しました。後からピラミッド付近で購入することも一応可能らしいですが、枚数に限りがあるため入場時に購入しておくことをお勧めします。

なお、ギザのピラミッド地区への入場ゲートはつい4月に移転したばかり。古い観光情報をもとにアクセスすると、現地で大幅に時間を無駄にしてしまう可能性があるので、下記を参考にゲート位置を確認しておくことをお勧めします。

www.kosupatravel.com

ピラミッドの北面にある小さな入口に向かいます。石でできた四角い穴のような入口は、想像よりもずっと小さく、大人がかがまないと入れません。

入場前に看板で注意事項を確認しました。特に目立っていたのが「閉所恐怖症の方は入場をお控えください」という警告でした。実際に内部を体験してみると、この警告は決して大げさではないことが分かりました。

登り方向の写真ですが、道幅は人が二人やっと通れるくらいの狭さでした

入口をくぐると、すぐに急勾配の下り通路が始まります。この角度が想像以上に急で、約26度の傾斜があります。高さは約1.2メートルしかないため、大人は常にかがんだ状態で歩かなければなりません。通路の壁は巨大な石ブロックで構成され、4500年の歳月を感じさせる重厚さがあります。

通路の過酷さと蒸し暑さ

下り通路は約40メートル続きます。最初は「これくらい楽勝」と思っていましたが、現実は甘くありませんでした。入口すぐの急斜面が最も窮屈で、大人は完全にかがんだ状態で手すりにしがみつきながらゆっくりと下っていく必要があります。

この急斜面では一人でも転げ落ちれば雪崩のような大惨事になりそうで、慎重さが要求されます。実際、我々が下っている最中、上りで擦れ違う人たちは皆汗を拭きながら「フーフー」と息を切らしていました。「帰りが大変そうだ...」と既に不安になりました。

登っている人とやっとすれ違うことができる程度の通路幅

通路内の温度は想像と全く違いました。外は35度の灼熱でしたが、通路内は風が全く吹かないため、人々の熱気と汗の湿気で蒸し風呂状態。むしろ外より暑く感じるほどのムシムシした環境でした。真夏に訪問したら、まさに地獄のような暑さになることは容易に想像できます。

照明は十分に設置されているため、懐中電灯の持参は不要でした。足元にはところどころ滑り止めの板が張ってあり、安全対策は一応されています。ただし、狭い通路での擦れ違いは注意が必要で、特に体格の大きな方同士では困難な場面もありました。

通路の途中で水平通路に出ます。ここでようやく背筋を伸ばすことができ、一息つけました。この水平通路も約10メートルほどあり、最後にまた下り階段を経て、ついに玄室(王の間)に到達します。

想像していた以上に長い道のり

玄室での圧倒的な体験

玄室は縦約4メートル、横約4メートル、高さ約4メートルの石の部屋でした。ここまで来てようやく、通路よりも少し涼しい空気を感じることができました。それでも決して「涼しい」とは言えず、蒸し暑さからの若干の解放感といった程度です。

玄室の中央には石棺が置かれていまたであろうスペースが。台の前に立つと、4500年前の王が実際にここに眠っていたという事実に感動せずにはいられません。

ミイラポーズでの記念撮影

玄室で写真撮影をしていると、現地のガイドらしき男性が近づいてきました。明らかに非公式のサービスで、チップ狙いの雰囲気満載でしたが、エジプト旅行ではもはやこうしたことは日常茶飯事。すっかり慣れてしまい、諦めの境地で利用することにしました。

話しかけてみると、やはり「1ドルで写真を撮ってあげる」とのこと。せっかくなので私の思い付きで「ミイラポーズ」での撮影を提案しました。石棺の前で両腕を胸の前で交差させ、目を閉じてミイラになりきるポーズ。

彼は真面目に石棺の角度や構図を工夫して撮影してくれて、記念に残る面白い写真を色々と撮ってもらえました。

体力と健康面での注意点

ピラミッド内部の探検は想像以上に体力を消耗します。主な負担は以下の通り。

まず、通路内の蒸し暑さです。外の灼熱よりもむしろ辛い、風のない湿気だらけの環境での長時間滞在は想像以上に体力を消耗します。こまめな水分補給と、無理をしないペースでの移動が重要です。

また、閉所恐怖症の方には本当に推奨できません。特に入口すぐの急斜面は、狭く急で圧迫感が強烈です。看板で警告されているのも納得の環境でした。

空気の質も気になる点です。風が全く吹かない密閉空間で、多くの人の熱気と湿気がこもっています。息苦しさを感じることがありました。呼吸器系に問題がある方は医師に相談してから訪問することをお勧めします。

足元の安全については、滑り止めの板が設置されているものの、急斜面での転倒リスクは依然としてあります。手すりにしっかりとつかまり、慎重な歩行が必要です。

所要時間と混雑状況

メンカウラーのピラミッド内部の見学は、入口から玄室まで約15分、玄室での滞在約10分、出口まで約10分の合計約35分でした。クフ王のピラミッドよりもコンパクトで、時間的な負担も少なめです。

5月の平日でしたが、混雑はほとんどありませんでした。通路で他のグループと擦れ違うことは数回ありましたが、玄室では比較的ゆっくりと見学できました。週末や祝日、観光シーズンのピークはもう少し混雑する可能性があります。

入場制限があるのか、一度に入れる人数は限られているようでした。私たちの後に5-6人のグループが続いていましたが、内部はそこまで混雑しておらず、適切な間隔で入場が管理されていました。

まとめ:メンカウラーのピラミッドは隠れた名選択

結論として、メンカウラーのピラミッド内部見学は大満足の体験でした。「小さい」と思われがちですが、4500年前の建造物としては十分すぎるスケールです。

混雑を避けてゆっくり見学できたこと、コストパフォーマンスの良さ、そして十分な感動を得られたことを考えると、多くの観光客におすすめできる選択肢です。

特に、時間や予算に限りがある旅行者、混雑を避けたい方、初めてピラミッド内部を体験する方には最適だと思います。クフ王のピラミッドの行列を見て諦めそうになっている方も、ぜひメンカウラーのピラミッドを検討してみてください。

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