エジプトを訪れたら、ピラミッドや博物館もいいけれど、現地の人々が愛する本当の庶民料理を味わってみませんか?今回は、イスラミック・カイロエリアで発見した激安ローカルコシャリ専門店での衝撃体験をレポート。観光客向けレストランでは絶対に味わえない、リアルすぎるエジプト庶民グルメの世界をご紹介します!
コシャリって何?エジプトの国民食を知ろう
コシャリ(كشري)は、エジプト人なら誰もが愛する庶民の味。お米、マカロニ、レンズ豆、ひよこ豆を混ぜ合わせ、揚げ玉ねぎとスパイシーなトマトソースをかけた、見た目はちょっと不思議だけど病みつきになる美味しさの一品です。
日本人には馴染みのない組み合わせですが、これが意外にも絶妙にマッチ!炭水化物祭りのような料理ですが、豆類のタンパク質もしっかり摂れる栄養満点の国民食なんです。
なお、コシャリを本当に楽しむなら、観光地のレストランではなく、地元民だけが知る激安ローカル専門店を狙うのがオススメ!今回はその理由を身をもって体験してきました。
現地の人だけが知る秘密の店を発掘
イスラミック・カイロエリアを散策中、お腹が空いた私たちは現地の人に声をかけてみました。「この辺りでおすすめのコシャリ店はありませんか?」すると、おじさんが教えてくれたのが「كشرى سيد بلبل(コシャリ・サイード・ブルブル)」。
GoogleMapにはアラビア語でかろうじて掲載されているものの、ガイドブックには一切載っていないディープすぎる店。看板もやはりアラビア語でしか書いておらず、本当にこれで大丈夫?と不安になるほどのローカル感満載の外観でした。
店内の様子は想像以上にディープ
恐る恐る店内に足を踏み入れると...そこは想像を超えるローカル空間でした。かなりごみごみとした店内で、席は限られており、当然のように現地のエジプト人たちと相席に。観光客なんて私たち以外誰もいません。
最も衝撃的だったのは、水を飲むためのコップが使い回しされていたこと。前のお客さんが使ったコップを、そのまま次の人に。現地のエジプト人おじさんたちと間接キッス状態になりながらも、「郷に入っては郷に従え」の精神で乗り切ることに。
まずはサイズ選びから
コシャリはサイズを選べるシステム。スモールサイズを注文しましたが、それでも一食分として十分すぎるボリューム。これで15エジプトポンド=たった45円!日本のコンビニおにぎり1個より安い価格で、満腹になる一食が食べられるなんて信じられますか。
一緒に運ばれてきたのは、激辛のキュウリサラダ。これが後々重要な役割を果たすことになるとは、この時はまだ知る由もありませんでした。
衝撃の美味しさ!本場コシャリの味を徹底解剖
いよいよ実食。一口スプーンですくい上げると、様々な食材がバランスよく口の中に広がります。
お米は日本のものよりもパラパラとした食感で、程よい塩味が効いています。マカロニは少し柔らかめに茹でられており、コシャリ特有の優しい食感を演出。レンズ豆は深い旨味とホクホクした食感、ひよこ豆は歯ごたえがあり、噛むたびに豆の甘味が口の中に広がります。
そして何より素晴らしいのがトマトソース!酸味と甘味のバランスが絶妙で、クミンやコリアンダーなどのスパイスが効いた複雑な味わい。日本のトマトソースとは全く別物で、まさに本場の味という感じです。最後に揚げ玉ねぎのカリカリ食感がアクセントとなり、全体をまとめ上げています。これらすべてが一体となって、まさに「エジプトの味」を作り出していました。
辛さが足りない?テーブルの魔法のソースで大変身
ただ、辛党の私個人的には少々マイルドでパンチが効いていないと感じたので、テーブルに置かれているスパイシーソースを投入。これが大正解...いや、むしろ大挑戦だったかもしれません。
このソース、とんでもなく辛い!極端すぎるほどの辛さで、一瞬で汗が噴き出しました。でも不思議なことに、その激辛さがコシャリの味を一層引き立てて、スプーンが止まらなくなるんです。
さっきまで「激辛!」と感じていたキュウリサラダが、もはや箸休めのような存在に。辛さのレベルが完全に書き換えられてしまいました。辛いものを食べていると当然喉が渇くので、現地おじさん達と間接キッス状態になりながらも、水を飲まざるを得ない。汗をかきながらも、最後の一口まで美味しく完食できました。
なぜローカルコシャリ専門店を狙うべきなのか?
今回の体験を通じて確信したのは、コシャリは絶対にローカル専門店で食べるべきということ。観光地のレストランでは、以下の理由で本当のコシャリは味わえません:
- 価格が10倍以上違う: 観光地なら200-500円、ローカル店なら45円
- 味が観光客向けにアレンジされている: 本来の庶民の味とは別物
- 雰囲気が全く違う: 現地の生活感や文化は体験できない
- 量や作り方も違う: 家庭的な手作り感は観光地レストランでは不可能
ローカルコシャリ専門店を探す際には、やはり現地の人に聞くのがベスト。彼らが普段通っている店なら間違いありません。GoogleMapでアラビア語表記のみの店、ガイドブックに載っていない店を探すのも手。少し勇気がいりますが、その分得られる体験は何倍にもなります。
注意点とアドバイス
なお、ローカルコシャリ店を訪れる際は、以下の点を覚悟しておきましょう:
- 清潔さは期待しない: 日本基準の清潔さを求めると失望するかも
- 英語は通じない: アラビア語のみの環境
- 観光地の雰囲気はゼロ: 完全にローカル仕様
- 治安が悪い: 物乞いなどが入ってくることも
特に、私が利用した際にも物乞いのおじいさんが金銭を持たずにお店に入ってきて、スタッフさんに追い出されていました。その際に、観光客である私にも話しかけて、お金を恵んでくれ、と言ってきたり、無視してると杖でつつくようなジェスチャーをしてきました。人によっては非常にストレスフルに感じる体験となることでしょう。
とは言え、これらの「デメリット」こそが、実は最大の魅力。本当のエジプト庶民の生活を垣間見ることができる、貴重な文化体験になります。料理の味も、観光客向けにアレンジされていない本物の味を楽しめます。
まとめ:エジプト旅行の隠れた名体験
「كشرى سيد بلبل」での体験は、確かに万人におすすめできるものではありません。でも、本当のエジプトを知りたい、現地の人々と同じものを食べてみたいという冒険心旺盛な旅行者には、これ以上ない体験を提供してくれるでしょう。
45円という激安価格で本格的なコシャリを味わい、地元の人々の日常に触れ、時には間接キッスまで体験する(笑)。これこそが、ガイドブックには載っていない真のエジプト旅行の醍醐味。観光地のレストランでは決して味わえない、本物の庶民の味と文化体験が待っています。
※衛生面や言語の問題もあるため、胃腸の弱い方や初めての海外旅行の方は十分ご注意ください。また、使い回しのコップなどの衛生面に不安がある方は、マイボトル持参をおすすめします。
本記事は、登山YouTubeチャンネル「Sweet Climber」さんとの共同取材で作成しています。現地の様子をより詳しく知りたい方は、下記動画を合わせてご覧ください。
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