スペイン旅行でグルメを満喫したいなら、メルカードは絶対外せない!
マドリード観光といえばプラド美術館やレアル・マドリードが有名ですが、実は地元の食文化を存分に味わえるメルカード(市場)での食べ歩きこそ、この街の真の魅力を体験できるスポットです。特に旧市街地にある「メルカード・デ・サン・ミゲル」は、美しいガラス張りの建物の中に小さなタパス店がひしめく、まさに大人の横丁のような場所。一人旅のバックパッカーでも気軽に立ち寄れる、ハードルの低さが魅力です。
メルカードとスペインの立ち飲み文化
夕方になると、メルカード・デ・サン・ミゲルには仕事帰りの地元の人々が集まり始めます。スーツ姿のビジネスマンも、観光客も、みんな同じカウンターに立って、ワイングラスを片手にタパスをつまんでいる光景は、まさにスペインならでは。日本でいう「センベロ」や「横丁」のような雰囲気ですが、歴史あるガラス張りの美しい建物の中で繰り広げられる光景は、どこか上品で洗練されています。
店から店へとグラスを持って移動する「はしご飲み」は、ここでは当たり前の光景。言葉が通じなくても、身振り手振りとカタコトのスペイン語があれば十分。むしろ、一生懸命スペイン語で注文しようとする姿勢を、店員さんたちは温かく迎えてくれます。
実際に行ってみた!メルカード・デ・サン・ミゲル はしご飲み体験記
この度、実際にソロ客としてメルカードに晩御飯&飲みに出掛けてみました。現地風のスタイルに則っていくつかお店をはしごしてみたので、その様子をレポートいたします。
1軒目:本格タパスで胃袋を掴まれる
高い天井にアンティークな装飾が施された建物の中に入ると、まず目に飛び込んでくるのは色とりどりのタパスが並ぶショーケース。
最初に向かったのは、パンの上に具材を美しく盛り付けたタパス専門の店でした。カウンターには既に数人の地元客が立っていて、スペイン語でおしゃべりを楽しんでいます。
白ワインを注文し、アンチョビのタパス、Codish Brandada(タラのブランダーダ)、そして珍しいIcelandic Smoked Codish Liver(アイスランド産スモークタラ肝)を指差しで注文。下手くそなスペイン語でも、店員さんは笑顔で「¡Muy bien!」と言ってくれました。
特にタラのブランダーダは、クリーミーでほんのり塩気の効いた深い味わいが絶品。お腹が温まったところで、追加でトルティーラ・デ・パタタス(スペイン風オムレツ)も注文。ふわふわの卵とほくほくのジャガイモの優しい味が、ワインとの相性抜群でした。
2軒目:やみつき必至のベジョータハムポテト
周りを見渡すと、みんな当たり前のようにグラスを片手に次の店へ移動しています。「郷に入っては郷に従え」ということで、私も白ワインの入ったグラスを持って2軒目へ。
ここではハム&ポテトをオーダー。一見シンプルなポテトチップスとハムの組み合わせですが、使われているのは最高級のベジョータ(イベリコ豚のどんぐり肥育)。口に入れた瞬間、濃厚でナッツのような風味が広がり、サクサクのポテトとの絶妙なハーモニーに思わず目を閉じてしまいました。
3軒目:ベルムートで〆の一杯
お腹もいっぱいになってきた頃、ベルムート(スペイン版ベルモット)専門店を発見。ここは他の店よりも少し落ち着いた雰囲気で、年配の店主が一人でゆっくりとベルムートを注いでいました。オリーブを注文し、スペインの伝統的なアペリティフであるベルムートで〆の一杯。
甘苦いハーブの香りが鼻に抜ける独特の味わいは、最初は少し不思議に感じましたが、オリーブの塩気と組み合わせることで不思議と病みつきになります。薬草酒好きの身としては癖になる味わいです。
一人旅にもオススメ!メルカード飲みの魅力
メルカードでの食べ歩きが一人旅にオススメな理由は、何といってもそのカジュアルな雰囲気にあります。カウンター席が中心なので、一人で立っていても全く違和感がありません。むしろ、隣に立った人と自然に会話が始まることも多く、現地の人々との交流のきっかけにもなります。
英語が通じない店も多いですが、ショーケースに並んだ料理を指差せば注文は簡単。店員さんたちも慣れているようで、外国人観光客にもとても親切です。高級食材を使った本格タパスを少量ずつ楽しめるので、一人でも様々な味を体験でき、予算も調整しやすいのが嬉しいポイントです。
日本のセンベロほど安くはありませんが、この質の料理とワインを考えれば十分納得の価格。何より、地元の人々と同じ空間で、同じものを食べて飲んでいるという体験は、どんなレストランでも味わえない特別感があります。
まとめ:マドリードに来たら絶対体験したいメルカード飲み
メルカード・デ・サン・ミゲルでのはしご飲みは、まさにマドリードの食文化を五感で体感できる最高の体験でした。美しいガラス張りの歴史ある建物の中で、地元の人々に混じりながら本格的なスペイン料理を味わう時間は、どんな高級レストランでの食事よりも印象的で、心に残るものでした。
一人旅でも、カップルでも、友達同士でも、誰でも気軽に楽しめるのがメルカードの魅力。特にバックパッカーの方には、現地の人々との自然な交流が生まれる貴重な場所として、ぜひ訪れてほしいスポットです。言葉の壁を越えて、美味しいものを一緒に楽しむ体験は、きっと旅の一番の思い出になるはずです。
次回マドリードを訪れる際は、ぜひメルカードでの食べ歩きを旅程に組み込んでみてください。グラス片手に店から店へと移動しながら、スペインの豊かな食文化に触れる時間は、きっと忘れられない美味しい思い出になりますよ。