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ぶっちぎり世界最低評価?のエアライン「チュニスエア(Tunisair)」に乗ってみた!乗り心地?安全性?何が問題なのか、徹底検証レポート

https://www.tunisair.com/en


毎年恒例となったAirHelp社の航空会社ランキング。旅行好きなら誰もが楽しみにしているこの発表で、上位にランクインする優秀な航空会社をチェックするのはもちろん、下位の結果を見て「まじか!」と驚くのもまた一つの楽しみだろう。

そんな2024年のランキングで、チュニスエア(Tunisair)が堂々の最下位を獲得した。109位という最下位は、ある意味で「快挙」とも言える結果だ。

「世界最悪の航空会社」という不名誉なレッテルを貼られたチュニスエア。果たして本当にそこまでひどいのだろうか?好奇心旺盛な私は、実際にこの航空会社に搭乗して真実を確かめることにした。

チュニスエアが「世界最悪」と評価された理由

https://www.airhelp.com/en/airhelp-score/

AirHelpの調査によると、チュニスエアのスコアは3.63/10点という驚異的な低さ。評価は定時運航率4.7点、顧客満足度6.0点、そしてクレーム処理0.2点という3つの指標で決まる。

特にクレーム処理の0.2点は目を疑う数字だ。これは遅延やキャンセル時の補償対応がとてつもなく悪いということを意味している。

1位のブリュッセル航空(8.12点)とチュニスエア(3.63点)の差は、なんと4.49点!これは10点満点中で半分近い差という、航空業界では異例の格差だ。

なお、このランキングはAirHelpという企業が発表している格付けであり、一般的に有名な「SKYTRAX」の航空会社ランキングとは異なるものであることにご注意願いたい。

www.airhelp.com

チュニジア航空業界の大きな課題?

さらに注目すべきは、ワースト3のうち2社がチュニジアの航空会社という事実だ。109位のチュニスエア(3.63点)が堂々の最下位、108位のBuzz(4.45点)を挟んで、107位にはやはりチュニジアNouvelair(4.48点)がランクインしている。

チュニスエアは2位のBuzzに0.82点差をつけての圧倒的最下位。この差は決して僅差ではない。

なぜチュニジアの航空会社が1位と3位を占めるほど低評価なのか?考えられる要因として、チュニジア経済の不安定さによる航空業界への投資不足、空港設備や管制システムの老朽化、EU基準との乖離による国際的な制約、優秀なパイロットやエンジニアの海外流出、そして国内市場の寡占状態による改善圧力の不足などが挙げられる。

実際の予約・搭乗体験

さて、この度そんなチュニスエアに登場する機会が得られた。予約~搭乗まで、実際の体験を踏まえ感想をレポートしていきたい。

予約から当日まで - 早速の試練

まず最初の関門は予約だった。Tunisairの公式サイトは英語対応が非常に不十分で、英語モードがあるにも関わらず、重要な部分がフランス語のまま残っており、正しく翻訳されていない箇所が多数あった。なんとか予約は完了したものの、「本当に予約できているのか?」と当日まで不安になるような作りで、早くも「世界最悪」の片鳞を見せつけられた気分だった。

出発当日、オンラインチェックインの案内メールが届いた時は正直驚いた。「お、意外にこの辺りはしっかりしているんだな」と一安心。事前の不安が少し和らいだ瞬間だった。ロンドンガトウィック空港でのチェックインは比較的スムーズで、若干の遅延は告知されたものの許容範囲内。大きなトラブルもなく無事搭乗することができた。

機内での体験 - 予想外の発見

搭乗した機体はやや小ぶりで、フルサービスキャリアにしては足元が狭めだった。国際線としては機内エンターテイメントシステムもなく、全体的に地味で簡素な印象を受けた。ただし、ロンドン~チュニス間は約3時間弱のフライトなので、「まあこんなもんか」というのが正直な感想。日本~中国の国際線でもよくあるパターンだと思えば、特別ひどいわけではない。

機内エンタメなしのシンプルな機内。

そして何より驚いたのが機内食だった。3時間弱のフライトにしては結構しっかりとした内容で、ツナサラダ、チョコケーキ、パンに加えて、メインはなんとクスクス!

さすがチュニジアといったところで、このクスクスが非常に美味しく、これからのチュニジア旅行への期待を高める壮大なイントロとなった。「なんだ、チュニスエア結構いいじゃないか」と思わずニヤリ。個人的には、多少席が狭くても機内食がエキゾチックで美味しければ満足度は高いタイプなので、この点は大きなプラスポイントだった。

着陸まで - 拍子抜けの結末

飛行中は若干の遅延はあったものの許容範囲内で、大きなトラブルもなく運航された。機内Wi-Fiは残念ながら利用できず、これは2024年としては物足りないが、短時間フライトなら我慢できるレベルだった。

そして特に問題なくチュニスカルタゴ国際空港へ着陸。多少定刻より遅れての到着とはなったが、前評判があまりに悪かったため、逆に拍子抜けするような感じだった。大きなストレスなく旅を終えることができ、「オンライン上での評価ってあまり当てにならないのかも」と思った。

正直な感想 - 「世界最悪」は言い過ぎでは?

今回の搭乗で印象に残ったのは、まずスタッフの人柄の良さだ。地上職員からCAまで、みんな温かく親切だった。機内食のクオリティも予想を大きく上回る美味しさで、特にクスクスは絶品。価格面でもヨーロッパ系航空会社の半額程度と魅力的で、安全性についても運航自体に不安を感じることはなかった。
一方で改善が必要な点もある。設備の古さは否めず、Wi-Fiや個人用スクリーンがないのは時代遅れ感がある。定時性についても若干の遅延は発生したし、公式Webサイトの使いにくさも大きな問題だ。予約変更などで苦労する可能性は高い。

結論 - チュニスエアは本当に「最悪」なのか?

正直に言うと、「世界最悪」というのは言い過ぎだと思う。確かに設備面では他の航空会社に劣る部分もある。定時性にも課題がある。しかし、実際に乗ってみると:

  • 基本的なサービスは十分
  • 安全面で不安を感じることはない
  • スタッフのホスピタリティは高い
  • コストパフォーマンスは優秀

むしろ、「格安でアフリカ・中東へのアクセスを提供する貴重な航空会社」という印象だった。

最後に - 航空会社選びのアドバイス

チュニスエアは確かに万人向けではない。最新設備や完璧な定時性を求める人には向かないだろう。しかし、「予算を抑えて旅したい」「多少の不便は気にしない」「現地の文化を感じたい」という旅行者にとっては、決して悪い選択肢ではない。

大切なのは、自分の旅のスタイルに合った航空会社を選ぶこと。ランキングは参考程度に留めて、実際の口コミや自分の優先順位を考慮して判断するのがベストだ。

余談:TunisairとTunisair Expressは別物

ちなみに、TunisairとTunisair Expressは全く別の航空会社だ。Tunisair Expressは2007年に設立された格安航空会社で、親会社であるTunisairとは運航方針やサービス内容が大きく異なる。混同しないよう注意が必要だ。

近いうちにTunisair Expressにも搭乗予定なので、また改めて搭乗レポートをお届けしたい。果たしてこちらの評価はどうなるのか、乞うご期待!

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