
黄山の雲海、張家界の奇岩群、福建土楼の独特な景観など、中国には息をのむような絶景が数多く存在します。これらの景色をドローンで撮影できたら素晴らしい思い出になるでしょう。しかし、ドローン大国中国とは言えど、実はドローンを取り巻くルールや規制はかなり複雑。一般の旅行者が事前手続きなしにホイと持ち込めるほど容易ではありません。
このブログでは、観光目的で中国にドローンを持ち込む際に知っておくべきルールや最新情報を複数回にわたり解説します。本記事では、まずは基本的概要を簡単に説明し、さらに、筆者自身の福建土楼エリアでの撮影経験も交えながら現地の様子をお届けします。
中国のドローン規制の概要
中国のドローン規制は、主に民間航空局(CAAC)によって管理されており、全ドローンオペレーターに対し、実名登録という極めて重要なステップが義務付けられています。
実名登録について
中国でドローンを飛ばすには、原則として「実名登録」が必要です。身分証とともに実名を登録し、飛行予定の機体を登録するというもので、日本の無人航空機登録システムと基本的には同様のプロセスです。カメラ付きのドローンは基本的に登録が必要と考えておくのが安全です。
中国はDJIの本拠地であるだけあって、ドローン文化が非常に根付いています。欧米諸国や日本と比較しても、適切なマナーを守る限り、ドローン撮影に対してかなり寛容な印象を受けます。ただし、この寛容さは地域によって大きく異なり、大都市の中心部や重要施設周辺では厳しく規制されている一方、自然エリアや小規模な観光地では比較的自由に飛行できる場合が多いです。
外国人の登録について
飛行時の基本ルールと飛行禁止区域
中国でドローンを飛ばす際は、以下の基本ルールを守る必要があります。
まず、高度は地上120m以下に制限されており、常に目視範囲内での飛行が求められます。人が集まる場所の上空飛行は禁止されています。空港周辺や軍事施設、政府機関周辺は飛行禁止区域となっています。
主な飛行禁止区域としては、北京や上海などの大都市中心部、厦門市の中心エリア、各都市の空港周辺(通常は半径5km以内)が挙げられます。また、自然公園や観光地の一部ではドローン飛行が目羽赫に禁止されているケースもあります。すべての軍事施設や政府機関、主要な観光スポットの多くも飛行が制限されています。
DJIのドローンには飛行制限が組み込まれており、飛行禁止区域では自動的に離陸できないようになっています。一方で、DJIのマップ上の制限区域は正確ではなく、中国政府公表のものと大きくかけ離れているケースも。事前に「DJI Fly Safe」のウェブサイトやアプリでチェックしつつ、並行してUOMが提供する飛行可能空域マップ上でも確認をしておくことをお勧めします。
空港での持ち込みについて
多くの旅行者が心配するのが、ドローンを中国に持ち込む際の空港での検査です。ただ持ち込み自体については、ほとんどの場合問題ありません。
ただし、バッテリーは必ず機内持ち込み手荷物として持参し、チェックイン荷物には入れないでください。機内持ち込みの際、バッテリーの電圧をチェックされることがありますが、それ以上の詳細な調査はほとんどないようです。
おすすめのドローンモデル
さて、中国旅行にドローンを持って行く場合、私がもっともおすすめするのはDJI Mini 4 Proです。重量が249gのため、台湾やヨーロッパ諸国などを含む海外への持ち込み時に手続き申請を簡略化できる他、4K/60fpsの高画質撮影が可能。3方向の障害物検知センサーが搭載され安全性が高く、初心者でも比較的気軽に飛行できる上、軽量モデルの中では群を抜いて耐風性が高いのが魅力。小型ドローンにありがちな、ちょっとの風で操縦可能になったり、紛失するといった心配もありません。最大34分の飛行時間で、一度の充電で十分な撮影が可能。折りたたみ式で持ち運びやすく、計量のため旅行に最適、など良いとこ尽くしのモデルとなります。
※DJI mini 4 proを購入する際は、予備バッテリーや重電ハブが付属したこちらのセットがお得です。
ちなみに、私自身旅行に出かける際は上記のDJI Mini 4 Proか、もしくは渡航先国の重量規制が緩い場合はAir 3を持って行くことが多いです。Air 3は720g、とMiniシリーズと比べて少し重めではありますが、ドローンの中では軽量の部類。それでいてレンズを二つ持っており、広角・望遠撮影を使い分けることができるため、よりがっつり撮影をしたい場合にはオススメです。
筆者の体験:福建土楼エリアでドローン撮影に挑戦
福建土楼(世界遺産に登録されている独特な集合住宅群)を訪れた際、私はDJI Mini 4 Proを持参して撮影に挑戦しました。

福建土楼エリアでは、第三者の上空飛行を避けつつ場所を選んで飛行したところ、特に問題なく素晴らしい映像を撮影することができました。地元の人々は概して友好的で、むしろドローンに興味を示してくれる方も多かったです。
興味深かったのは、同じ場所で中国人の観光客も多くドローンを飛ばしていたこと。彼らも適切な距離と高度を保って撮影しており、お互いに空域を尊重し合う雰囲気がありました。このあたり流石ドローン先進国。

エリアによっては個別のルールが設けられている場合もあるので、現地の看板や案内所での確認は欠かさないようにしました。特に観光客が集中するスポットでは、飛行高度制限などの看板が設置されているケースもありました。

フライト中これと言ったトラブルはありませんでしたが、主要な観光地では可能な限り現地スタッフや住民に撮影の許可を取るようにしていました。これが結果的にスムーズな撮影につながったと思います。
土楼エリアでの滞在やドローン撮影について、過去記事でも特集をしているので、より詳しく様子を知りたい方は是非下記から覗いてみて下さい。
補足:250g未満のドローンについて
なお、250g未満のドローンについては、法律上は「個人情報を収集できない場合」に限り登録が免除される規定があります。しかし、実際にはほとんどの小型ドローンにもカメラが搭載されているため、この例外規定の適用は現実的ではありません。
まとめ
中国でのドローン撮影は、適切な準備と理解があれば十分に楽しむことができます。ただし、地域によって独自の規制がある場合もあるため、現地での確認を怠らないようにしましょう。
私自身の経験から言えることは、中国はDJIの本拠地でもあり、ドローン文化に対して比較的寛容な国だということです。多くの中国人もドローンを楽しんでおり、外国人観光客が適切なマナーとルールを守る限り、素晴らしい空撮体験ができる国だと感じました。
中国の美しい景色をドローンで撮影するためには、現地の法律と文化を尊重し、周囲の状況に常に注意を払うことが大切です。そうすれば、あなたの旅行アルバムに素晴らしい空撮映像を加えることができるでしょう。
次回記事では、UOMを使用した具体的な登録手続きをステップ・バイ・ステップでご紹介する予定です。中国にドローンと共に渡航をする計画を立てている方は、ぜひ当ブログのブックマークを宜しくお願い致します。
免責事項
本記事の情報は2025年3月時点のものです。中国のドローン規制は頻繁に更新されるため、渡航前に必ず最新の規制を確認してください。本記事の情報に基づいて行動された場合の結果について、筆者は責任を負いかねます。特に法的リスクについては、渡航者自身の責任となりますので、十分にご注意ください。

