前回の準備編では、青稞酒やカップヌードル、紙コップにコンセントハブまで、様々なアイテムを揃えて万全の体制を整えました。月光を浴びながらの酒盛りという夢を胸に、いよいよ西寧駅のプラットフォームへ。ここから敦煌駅へ向けて、河西回廊10時間超の夜行列車旅が始まります。

車掌に切符を見せて乗車します。切符に記載された番号を頼りに、自分にあてがわれた部屋とベッドを目指して歩き始めました。今回予約したのは、軟臥の下段のベッド。快適さと景色の両方を楽しめる最高のポジションです。

4人個室の同室者たち

自分の部屋に到着すると、4人部屋のうち3つのベッドには既に他の乗客がいました。私は下段のベッド。同室者は、おじさん1名と同世代くらいの女性グループ2人。男女混合だとは思っていなかったので、正直びっくりしました。
中国の寝台列車では、性別関係なく部屋割りされるのが普通のようです。
思った以上に快適な寝台設備

ベッドは簡易的な作りですが、十分柔らかく寝心地が良さそうです。枕もふかふか。女性グループの二人は、自分で持ってきたシーツで布団を覆っていました。潔癖気味の人にはそういう対策もありなのでしょう。はたまた南京虫がいるリスクでもあるのでしょうか。少し気になります。

各ベッドには、読書灯やハンガーなども備わっています。荷物や靴は下段のベッドの下にしまうシステム。スペースが限られているので、全員でシェアする形です。
窓にはカーテンがあり、個室はドアによって閉まるのでセキュリティもばっちり。気温はちょうどよく、暑くも寒くもありません。時期によって変化するのでしょうか。
出発、そして静かな夜

少しして、列車は23時半に発進しました。敦煌を目指して、暗闇のシルクロードを駆け抜けていきます。

よし、いよいよ皆で酒盛りタイムだ!と意気込んで、用意していた青稞酒とおつまみを広げます。しかし、他の乗客さんたちはもう就寝モード。布団に入ってスマホをいじりながら、既に寝ようとしているのです。

前情報によると、乗客同士でお菓子を交換したり交流をすることも多々なんて聞いていたので拍子抜け。ただ、確かにこの日は既に24時前。もう寝るのも変ではありません。私自身、この旅では寝不足が続いていたので、今日こそはしっかり睡眠を取ったほうが良さそうです。
一人静かな晩酌タイム

ほどなくして、部屋を消灯しようということになりました。少し淋しい気分でしゅんとしながらも、一人で夜の河西回廊を眺めながらちびちびとお酒を飲みます。
皆がすやすやと寝ている中、しかし一人でゆっくりと外の星空を眺めながら味わうお酒は、意外にもオツでした。月光を浴びながらの酒盛りという当初の夢とは少し違いましたが、これはこれで悪くない。むしろ、静寂の中で自分と向き合う時間として貴重でした。
深夜の車内探検

一人晩酌に満足したので、歯磨きなども兼ねつつ少し車内を徘徊してみることにしました。皆を起こさないように静かに個室を出ます。

トイレは部屋の真横にありました。道理でたまにうるさい音がするわけです。同じ車両内には洗面所もあり、歯を磨いたり顔を洗うのに不自由はありません。そして温水器も発見。翌朝はこれを使ってお茶やカップ麺でもいただこうかと計画を練ります。

食堂車を覗いてみる
隣が食堂車だったので、散歩がてら覗いてみることにしました。深夜なので営業しておらず、お客さんもいません。警察の人が見回りで座っているだけです。こんな時間に一体何しに来たんだ、というような怪訝な目線を感じました。

食堂車は高い上、別に大した料理があるわけでもないらしく、現地ではあまり利用されないとのこと。しかし、ここに座って景色を見ながら食べるご飯も、それはそれで良いのではないでしょうか。翌朝また来てみようと心に決めました。
硬臥車両もちらり
部屋に戻る前に、お隣の硬臥の車両も手前からちらりと覗いてみました。硬臥ではわちゃわちゃと交流があるのではないか、という期待を持って。

しかし、深夜0時を過ぎていたためか、既に全員が寝ている様子でした。こちらは3段ベッド構造で、オープンな作り。セキュリティもプライバシーもあったものではありません。しかし、ベッドや布団の質自体は軟臥とあまり変わらなさそうです。
晩安、シルクロード

部屋に帰り、そろそろ寝ることにしました。星あかりの下、この日の写真整理をしながらうとうと。列車の中は結構な音が響くので、耳栓をします。
横になると、振動はそこまでストレスがありません。その後、日中の疲れもあって眠りに落ち、翌朝7時くらいまで爆睡することができました。思っていた以上に快適な睡眠でした。
次回予告:朝の目覚めから敦煌到着まで
次回は、朝の目覚めから下車までの様子をお届けします。温水器でお茶を淹れ、カップヌードルをすする朝食タイム。食堂車での体験。そして、同室の乗客との朝の会話。
10時間の旅路の終わり、敦煌到着までをレポートします。お楽しみに!
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