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シルクロードの砂漠で一夜を過ごす!敦煌砂漠キャンプ・テント泊レポート②【滞在・散策編】

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前回は、砂漠キャンプ場への到着までをレポートした。強面のスタッフさんに迎えられ、第一印象は正直「大丈夫かな」という不安もあった。100元で予約していたベーシックテントでのサバイバル体験は無事実現するのだろうか?

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第2回となる今回は、いよいよテントでの滞在体験と、砂漠散策の魅力をお届けしよう。

チェックイン

キャンプ場のレセプションエリア

強面で第一印象がちょっと怖かったスタッフのお兄さんだったが、話してみると見た目とは裏腹に、とても親切で優しい人だった。中国語がろくに話せない私に、翻訳アプリを介して丁寧に説明してくれる。

そしてチェックイン手続きを進めていると、お兄さんが突然無料アップグレードを提案した。ベッドが置いてあるしっかりとしたテントに変更してくれるとのこと。

正直、内心では複雑だった。せっかくプリミティブな体験を求めて来たのに...と思う一方で、せっかくの厚意を断るのも申し訳ない。結局、お兄さんの笑顔に負けて受け入れることにした。

後で分かったのだが、この日の宿泊客は本当に少なかった。私以外には中国人家族1組だけ。きっとオペレーション上も、わざわざ小さなキャンピングテントを設営するより、常設のテントを使った方が楽だったのだろう。中国らしい、臨機応変な対応だ。

クワッドバイクでテントへ

予約確認を済ませ、いよいよテントへ向かう。歩いても数分の距離だが、お兄さんが四輪バギーを指差す。まさか送迎サービスが?思わぬVIP待遇に驚く。

バギーの後ろに乗せてもらい、砂埃を上げながらテント村へ。規則正しく並んだテントの列を縫うように進んでいく。全部で100基はありそうだが、よく見ると3分の1ほどは破れていたり、骨組みが歪んでいたりしている。うーん、これぞ中国クオリティと苦笑い。でもそれがまた、リアルな体験感を演出してくれる。

少し奥の方の区画で停車。ここが君のテントだとお兄さんが誇らしげに案内してくれたのは、確かにグレードアップされたテント。外観からして、私が予約していたペラペラのキャンピングテントとは格が違う。

砂漠の遊牧民の住まいを思わせるような、立派なテントだ

エキゾチックなテント

テントの中に足を踏み入れた瞬間、これはすごいと思わず声が出た。エキゾチックという言葉がぴったりの空間。プリミティブな体験とは程遠いが、これはこれで中国ならではの砂漠リゾート体験だ。

お兄さんと別れ、重いバックパックを置いてひと息つく。9月の敦煌、日中はまだ暑いが、夕方になると風が涼しくなってくる。テントなので当然エアコンはないが、この時間帯なら全く問題ない。むしろ自然の風が心地よい。

テント内を探検してみると、意外に設備が充実している。電源コンセントがあり、LED照明も点く。スマートフォンの充電もバッチリだ。ベッドは少し民族調の柄だが、寝心地を確かめてみるとなかなか良い。思っていたより快適な夜が過ごせそうだ。

砂漠との対面

そして、いよいよ運命の瞬間。テントの入口のジッパーを開けて外に出ると...

思わず声にならない声が出た。目の前に広がるのは、どこまでも続く砂丘の海。

月牙泉の観光地とは全く違う。人っ子一人いない。観光バスも、土産物屋も、騒がしい観光客の声も一切ない。あるのは私と砂漠だけ。風の音さえ聞こえないほどの静寂。

この瞬間、ああ、これを求めていたんだと心の底から実感した。市街地から8kmも離れた立地を選んだ価値が、この一瞬ですべて報われた。汗だくになって歩いてきた甲斐があった。

砂丘の稜線が夕陽を浴びてオレンジ色に染まり始めている。まるで自分だけのプライベート砂漠を手に入れたような、贅沢すぎる気分。これから一晩、この砂漠の中で過ごすのかと思うと、興奮で胸が高鳴った。

砂漠を自由に散歩

テントで一息ついた後、早速砂漠散策に向かった。この砂漠エリアでは、隣のキャンプ場とも繋がっており、クワッドバイクツアーで急峻な砂丘をアップダウンしている人もいれば、砂丘でそり滑りを楽しんでいる人もいる。様々なアクティビティが楽しめるようだ。

テラスでくつろいでいるファミリー客

しかし私はせっかくならばと、静かな散歩を好んだ。テントは確かに近くにあるものの、その反対側に目をやれば延々と砂漠が広がっている。見渡す限り、礫砂漠ではなく立派な砂砂漠が、まさに絵に描いたような美しさで広がっている。

敦煌の砂は灰色がかっている

ここの砂質は、以前訪れたサハラやアラブの砂漠に比べて少し灰色っぽい。しかし手に取ってみると、さらさらで気持ちがいい。指の間を流れ落ちる感触は、まさに砂漠の砂ならではだ。

ただし、この美しい砂の上を歩こうとすると、ボロボロと足が埋まっていく。思うように歩けない。平地を歩くのとは全く違い、一歩一歩が重労働。数十メートル歩いただけで、かなり疲れてぜーぜーしてしまう。

テントからすぐの距離とは言え、水を持たずしての行動は危険だということを痛感した。砂漠の散策には、たとえ短時間でも必ず水分補給の準備が必要だ。

午後から夕方の散策:最高の時間帯

私は、チェックインした日の午後から夕方にかけて散策を楽しんだ。この時間帯は気温も程よく、砂漠散策には最適だった。おそらく日中の炎天下での散策はかなり大変だろう。9月とはいえ、敦煌の日中は相当暑い。

砂丘の稜線を歩きながら、360度砂漠という贅沢な景色を独り占め。時々吹く風が砂を舞い上げ、幻想的な光景を作り出す。これまで写真でしか見たことのなかった敦煌の砂漠の風景が、今まさに目の前にある。

足を取られながらも砂丘を登ってみると、さらに遠くまで砂丘が続いているのが見える。本当にどこまでも続く砂の海。こんな場所に一人でいるという事実が、なんとも不思議で貴重な体験だった。

この日夕方になると、一度キャンプ場を離れて月牙泉へ向かった。砂漠キャンプの魅力を堪能した後、今度は観光地としての砂漠も体験してみたかったからだ。

月牙泉は確かに美しく、整備された観光地としての魅力もある。しかし、キャンプ場で体験した静寂と孤独感は、やはり特別なものだった。人が全くいない砂漠と、観光地化された砂漠の違いを、身をもって実感することができた。

第2回まとめ

無料アップグレードによって快適な滞在となった砂漠キャンプ。そして何より、目の前に広がる本物の砂漠を自由に散策できる贅沢さは格別だった。

砂漠散策で学んだのは、美しさと同時に厳しさも併せ持つということ。足を取られる砂、想像以上の疲労、水分補給の重要性。これらすべてが、砂漠の本当の姿を教えてくれた。

午後から夕方の時間帯の散策は、気候的にも景色的にも最高の体験となった。観光地とは全く違う、プライベートな砂漠体験の価値を十分に実感できた。

【第3回予告】 次回は砂漠の夜から朝にかけての神秘的な体験をレポート。満天の星空、月光に照らされた砂丘、そして砂漠の朝日。砂漠キャンプの真の醍醐味をお伝えします!

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