前回の記事では、陽朔西街のレンタルショップで電動バイクを借り、初めての走行を開始するまでをお伝えしました。今回は、実際に2日間で70km以上を走破した詳細なルートと、充電の実態、そして電動バイクならではの旅の魅力についてレポートします。
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十里画廊から黄泥嵅経由で遇龍河へ

西街を出発して南下し、まずは十里画廊方面へ向かいました。十里画廊は陽朔の代表的な観光ルートで、整備された幹線道路を通れば快適に進めます。しかし、あえて幹線道路ではなく、黄泥嵅を経由する田舎の農道を選んでみることにしました。

黄泥嵅は地元の集落で、観光ルートからは外れた場所にあります。地図アプリで確認すると、幹線から少し外れた場所に細い道が網の目のように広がっています。これらの農道は地元の農民が日常的に使う生活道路で、観光客の姿はほとんど見かけません。舗装されている道もあれば、砂利道や土の道もあります。こうした道を選んだのは、より生の陽朔の風景を見たかったからです。

農道に入ると、すぐに景色が変わりました。両側には青々とした田んぼが広がり、遠くにはカルスト地形特有の奇岩が連なっています。時折、農作業をしている地元の人々が電動バイクに乗った外国人を珍しそうに見ています。手を振ると、笑顔で振り返してくれました。
スマホホルダーでナビゲーション

この電動バイクにはスマホホルダーが搭載されていたので、高徳地図のナビゲーション機能を使用しながらすいすい動けました。高徳地図は中国で最も使われている地図アプリで、細い農道までかなり詳細に記録されています。ナビゲーション機能を使えば、初めて訪れる場所でも迷うことなく目的地にたどり着けます。
スマホホルダーがあることで、走行中にスマホを手に持つ必要がなく、安全に運転できました。これは非常に便利な装備で、レンタルバイクを選ぶ際にはスマホホルダーの有無を確認することをおすすめします。もしついていない場合は、自分で簡易的なものを持参するのも良いでしょう。
遇龍河沿いを西へ、民宿に到着

その後、川に沿って西へと進みました。遇龍河は陽朔を代表する美しい川で、川下りの筏が静かに流れていく光景が広がります。川沿いの道は比較的平坦で走りやすく、時折立ち止まっては景色を楽しみました。

この日泊まる宿、旧県の官邸民宿に到着したのは午後でした。ここまでで15km程度の道のりでしょうか。思ったよりも短時間で到着できました。電動バイクのおかげで、途中で何度も立ち止まって写真を撮ったり、景色を眺めたりする余裕がありました。

民宿にチェックインしながら、スタッフさんにどうやって充電をしたらいいか尋ねました。中国の田舎の民宿は、こうした要望に非常に柔軟に対応してくれます。軒先にぴょんと出ている電源コードを指差して「ここを使っていいよ」と言ってくれました。
ちなみにこの官邸民宿、めちゃくちゃ美しくてオススメなので、陽朔旅行の際には是非利用してみてください。
充電の実際

充電方法は非常にシンプルでした。普通に2ピンの電源プラグを差し込み、電動バイクの充電ポートと繋げるだけです。充電が始まると、バイクのディスプレイに充電中を示すマークが表示されました。
レンタルショップのおばちゃんから、坂道などでは消費電力が多くなると聞いていたので、なるべくこまめに充電をすることにしました。民宿で一旦充電しておけば、午後の活動にも余裕が持てます。
工農橋への午後のライド

この日は、その後も電動バイクで工農橋方面へ向かいました。工農橋は遇龍河の上流にある美しい石橋で、筏下りのスタート地点としても知られています。私もここで筏ライドを体験し、ゆったりと川を下る時間を楽しみました。
筏から降りた後、再び電動バイクに乗って民宿へ戻りました。夜に宿に帰ってくるまで、結果的にこの日は計30kmほど走ったことになります。バッテリー残量は半分を切っていましたが、まだ余裕がありました。
夜の遇龍河エリアを走る

夜道の遇龍河エリアはかなり真っ暗になります。街灯はほとんどなく、月明かりだけが頼りという場所も多いです。しかし、電動バイクにはハイビームも備わっており、安心して走行できました。ライトのスイッチを切り替えると、前方をしっかりと照らしてくれます。

私はあえて川沿いの道なき道を選んでみました。地図には載っていない細い道で、街灯は一つもなく、かなり暗かったのですが、ハイビームのおかげで何とかなりました。夜の遇龍河エリアは昼間とはまた違った静けさがあり、虫の声と川のせせらぎだけが聞こえる幻想的な雰囲気でした。
宿に着いてからは、一晩中充電しておきました。翌朝には満タンになっているはずです。
翌朝の朝活ライド

翌朝は、日の出前に出発して朝活をすることにしました。遇龍河エリアの朝は格別で、朝もやの中に浮かぶ奇岩の風景は幻想的です。
富里橋、遇龍橋をグルっと回ってきました。どちらも古い石橋で、朝の静かな時間帯は観光客もおらず、独り占めできました。朝の光の中で写真を撮り、ゆっくりと景色を楽しみました。

宿に帰還したのは朝食の時間でした。一旦バイクを充電しつつ、朝ごはんを食べます。
南岸ルートで新たな発見

朝食後、今度は遇龍河の南岸に沿って東へと進んでいくことにしました。ポピュラーな観光ルートは北岸の方ですが、南岸からだと坝(ダム)にアクセスできます。これは地元の人しか知らないような隠れたスポットです。

川下りをしている筏を横目に、坝に徒歩でアクセスしました。川の真ん中に立つことができ、筏が坝を越えていく様子を間近で見ることができます。そんな様子を見て、筏に乗っている観光客たちは「いったいどこからどうやって来たんだ?」と不思議な顔をしています。実は電動バイクで南岸から来たんだよ、と心の中で答えました。

途中、あてもなくかなり細い農道なども進んでみました。地図にない川沿いの道を進んでみたところ、変な場所に出ました。

行き止まりかと思ったら、集落の裏手に繋がっていたのです。しかし、ここもここで隔絶された田舎という雰囲気があり、むしろ良かったと思います。地元の人々の生活の匂いがして、観光地化されていない本物の陽朔を感じることができました。

雨天走行の教訓
二日目は途中で雨が降り出しました。陽朔は天気が変わりやすい地域として知られており、晴れていたかと思うと急に雨が降り出すことがよくあります。
雨の中を走っていると、急勾配の道でつるっと滑ってコケそうになりました。電動バイクのタイヤは細く、雨で濡れた路面ではグリップ力が大幅に低下します。特に坂道でブレーキをかけた際に後輪が滑り、ヒヤリとする瞬間がありました。幸い転倒は免れましたが、雨天時の走行には細心の注意が必要だと痛感しました。
この経験から、陽朔で電動バイクを利用する際は、レインコートなどを持っておいたほうが安全だと強く感じました。雨が降り出してから慌てて購入するよりも、事前に準備しておくことをおすすめします。また、雨天時は速度を落とし、特に坂道やカーブでは慎重に運転する必要があります。
月亮山を経由して西街へ

南岸経由で、月亮山へ向かいました。月亮山は陽朔のシンボル的な山で、山頂に月の形をした穴が開いていることで有名です。このあたりをぶらぶらと散策した後、西街へ戻って電動バイクを返却しました。

この日は全部で50km程度のライドになりました。朝の充電で満タンにしておいたバッテリーは、ギリギリでしたが何とか持ったようです。返却時にはまだ10%ほど残量がありました。ただし、もし充電し忘れていたら途中でバッテリー切れになっていた可能性もあり、こまめな充電の重要性を実感しました。
電動バイクで得られた自由
2日間で70km以上を走破した今回の体験を振り返ると、電動バイクがもたらした自由度の高さに改めて驚きます。公共交通機関では行けない場所、ツアーバスでは立ち寄れない場所、自転車では辿り着けない遠方のスポットまで、すべて自分のペースで巡ることができました。
特に印象的だったのは、地図にない農道を自由に探検できたことです。道に迷っても、電動バイクの航続距離があれば安心して冒険できます。細い道を進んで行き止まりになっても、引き返す余裕があります。こうした自由な探検は、電動バイクならではの魅力だと感じました。
安全面での所感と持ち物の推奨
2日間の走行を通じて、いくつかの安全面での気づきがありました。まず、農道は舗装されていない場所もあり、砂利や土の道では速度を落とす必要があります。また、夜間走行は想像以上に暗いため、ライトの確認は必須です。ヘルメットについては、地元の人はほとんど着用していませんでしたが、私は着用して正解だったと思います。
特に重要だと感じたのは、雨天対策です。陽朔は天気が変わりやすいので、レインコートは必携です。雨の中での走行は路面が滑りやすく、特に急勾配では非常に危険です。速度を落とし、慎重に運転することが何より重要です。
また、坂道では予想以上にバッテリーを消費するため、バッテリー残量の管理も安全運転の一部だと感じました。途中でバッテリー切れになると、重い電動バイクを押して歩くことになってしまいます。
まとめ:陽朔観光に電動バイクは最適
陽朔エリアの観光には、電動バイクが非常に適していると断言できます。起伏の多い地形、広範囲に点在する観光スポット、そして発達していないシェアサイクル網を考えると、電動バイクは最も効率的で自由度の高い移動手段です。
レンタル料金も1日30元(約600円)と手頃で、デポジットも返却時に戻ってくるため、経済的な負担も少ないです。充電も民宿や食堂で気軽にさせてもらえるため、インフラ面での心配もありません。スマホホルダーがついた車両を選べば、ナビゲーションも快適に利用できます。
何より、風を感じながら美しいカルスト地形の中を走る爽快感は、他の移動手段では味わえない特別な体験です。地図にない道を探検する冒険心も満たされ、地元の人々の生活に触れる機会も増えました。
陽朔を訪れる際は、ぜひ電動バイクでの観光を検討してみてください。前回の記事で紹介した安全確認のポイントを押さえた上で、レインコートなどの雨天対策も万全にして、この自由で爽快な旅のスタイルを楽しんでいただければと思います。
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