前回の記事では、Hôtel Le Balmoralを起点にプロムナードを東へ歩き、偶然見つけた市場エリアや屋内マルシェle marché des Halles de Mentonを訪れ、旧市街の路地に入っていくところまでご紹介しました。
今回は、その続きです。オレンジ色の建物が立ち並ぶ路地を抜けて、マントンを代表する教会へ。そしてさらに高台を目指し、絶景ビューポイントを巡ります。
マントンの魅力は、坂道を登りながら少しずつ変わっていく景色を楽しめることにあります。息を切らしながら登った先に待っている絶景は、その苦労を忘れさせてくれるものでした。
裏路地を抜けて、バジリカへの階段エリアへ

旧市街の路地を進んでいくと、徐々に坂道が急になってきます。狭い路地の両側には、オレンジやピンク、黄色の建物が並び、窓辺には花が飾られています。
路地を曲がりながら進んでいくと、突然視界が開けました。目の前に現れたのは、Basilique Saint-Michel Archange de Menton(聖ミカエル大天使バジリカ)へと続く階段です。

白と黄色のバロック様式の教会が、階段の上に堂々とそびえています。イタリアの影響を強く受けた建築で、マントンを象徴する建物のひとつです。
階段の前には小さな広場があり、そこから見上げる教会の姿が絵になります。
階段を登りながら変わっていく景色
階段を登り始めます。夏の日差しが強く、すぐに汗が出てきます。ヒーヒー言いながら、一段一段登っていきます。

しかし、時々振り返ると、素晴らしい景色が目に入ります。オレンジ色の建物のはざまから、青々とした地中海、そしてビーチが見えます。
少し登るとまた景色が変わります。さらに登ると、また違う角度から街並みが見えてくる。階段を上がりながら、少しずつ景色が変わっていく様子を楽しむのがおすすめです。

パステルカラーの建物、青い海と空、カラフルなパラソル。その色合いのコントラストがなんとも美しく、目の保養になります。息が切れても、この景色を見るために立ち止まる口実ができます。
階段を登り切ると、目の前に教会の広場が広がりました。
荘厳な空間で一息

広場からは、マントンの旧市街と地中海が一望できます。ここまで登ってきた甲斐がありました。
せっかくなので、Basilique Saint-Michel Archange de Mentonの中にも入ってみることにしました。

重厚な扉の中に入ると、荘厳な空間が広がっています。バロック様式の装飾が美しい内装。天井には天使や聖人の絵が描かれ、金色の装飾が輝いています。ステンドグラスから差し込む光が、静謐な雰囲気を作り出しています。
暑い日差しの中、階段を登ってきた後に、この涼しく静かな空間で休むと気持ちが良い。観光客の姿もちらほらありますが、静かに過ごしています。
教会を出て、さらに先へ進むことにしました。
住宅街を抜けて、さらに高台を目指す

教会から先は、閑静な住宅街のようになっています。観光客の姿はほとんどなく、地元の人たちが暮らすエリアです。
マップを見ると、この先の丘の上に「シャトー」があるとのこと。城があるのか、と期待しながら、そのまま坂を登り続けます。
石畳の細い道を登っていきます。10分ほど歩いたでしょうか。息が切れてきます。しかし、地図上で「シャトー」と書かれているはずの場所に到着しても、明らかに見渡しても城のようなものは建っていません。
あれ?と思いながら、周囲を彷徨うこと数分。どうやら「城」ではないことに気づきました。
よく見ると、Cimetière du Vieux Château(旧城墓地)という名前の墓地でした。
絶景を望む墓地

この場所は、かつて中世の城が建っていた跡地に作られた墓地です。「Vieux Château(旧城)」という名前はその歴史に由来しています。19世紀に墓地として整備され、マントンの著名人や地元の人々が眠る場所となっています。
高台という立地から、マントンで最も美しい景色を望める場所のひとつとして知られています。
墓地ということで、ずかずか入るのは心苦しい気もします。しかし、どうやらすっかり観光スポットと化している様子。観光客の姿もちらほら見られ、景色を楽しんでいます。
恐る恐る入ってみると、目の前に絶景が広がりました。

180度、視界いっぱいにマントンの街が広がっています。オレンジ色の瓦屋根が段々に連なり、その先には青い地中海。ビーチや港も一望できます。
遠くには、さっきまで私たちがいたBasilique Saint-Michel Archange de Mentonも見えます。黄色と白の教会が、オレンジ色の街並みの中で目立っています。
青い海と空、オレンジ色の屋根、緑の植物。その色合いのコントラストの美しさにうっとりしてしまいます。風が吹き抜けて、とても気持ちが良い。

「こんなところに埋骨してもらえたなら本望だろうなあ」などと考えてしまいます。マントンの美しい景色を永遠に眺められる場所。ここに眠る人たちは、きっと幸せだろうと思いました。
景色を堪能し、しばらく風に吹かれた後、下山することにしました。
細い路地Rue Mattoni Històriqueを下る

下りは、来た道とは違うルートを選びます。Rue Mattoni Historique(リュ・マットーニ・イストリック、マットーニ歴史通り)という細い路地を通りながら、ビーチ方面へ下っていきます。
この路地は観光客もかなりまばらで、静かです。古い建物が立ち並び、歴史を感じさせる雰囲気。窓辺に飾られた鉢植えの花、壁に掛けられた古い看板。時が止まったような空間です。

細い路地を下っていくと、遠くからビーチの方の熱気が聞こえてきます。子供たちの声、波の音、カフェのざわめき。静かな路地と、賑やかなビーチエリアとの対比がなかなかオツなものです。
坂道を下り切ると、目の前にPlage des Sablettes(プラージュ・デ・サブレット、サブレット・ビーチ)が見えてきました。

まとめ:高低差を楽しむマントン散策
今回の散策では、旧市街の路地からBasilique Saint-Michel Archange de Mentonへの階段を登り、さらに高台のCimetière du Vieux Châteauまで足を延ばしました。
階段を登りながら少しずつ変わっていく景色、教会の荘厳な空間、そして墓地からの絶景。マントンは、高低差があるからこそ楽しめる街です。
坂道や階段を登るのは大変ですが、その先に待っている景色は、その苦労を忘れさせてくれます。パステルカラーの建物群、青い地中海、オレンジ色の瓦屋根。マントンの美しさは、高いところから眺めてこそ実感できるのかもしれません。
次回の記事では、ビーチエリアに降りて、プロムナード沿いを散策します。海を間近に感じながら、再びホテル方面へと戻っていく様子をご紹介します。