Kiwi.comで航空券を検索していると、時々「隠れ目的地」というマークが付いたフライトを見かけることがあります。直行便より安い価格が表示されていて魅力的に見えますが、この予約方法には航空会社が禁止しているグレーな側面があり、利用する際には相応のリスクを理解しておく必要があります。
今回は、この「隠れ目的地」フライトの仕組みと、予約する際に知っておくべき注意点について詳しく解説していきます。
Kiwi.comの安全性・レビューについてはこちらの記事をご覧ください
「隠れ目的地」とは何か?
「隠れ目的地」とは、英語で「Hidden City Ticketing」や「Skiplagging」と呼ばれる予約方法で、最終目的地まで行かず、途中の経由地で降りるという手法です。

例えばこの画像の例では、長沙から上海への直行便を探しているのに、「長沙→上海→マカオ」という経路が表示されています。この場合、本来の最終目的地はマカオなのですが、実際には上海で降りてしまうという方法です。
なぜこんな旅程が提案されているのかというと、航空券の価格設定の仕組みに理由があります。直行便よりも、経由便の方が安く設定されていることが意外と多く、特に人気路線の直行便は需要が高いため価格も高めになりがちです。一方で、あまり人気のない路線を経由する便は安く売られることがあります。
多くの航空会社は問題視している
多くの航空会社にとって、この「隠れ目的地」方式は利用規約で禁止している行為です。
航空会社は路線網全体の収益バランスを考えて価格設定をしているため、乗客が途中で降りてしまうと、その計算が狂ってしまいます。また、預け入れ荷物がある場合は最終目的地まで送られてしまうため、途中で降りると荷物を受け取れないというトラブルも発生します。
実際、アメリカでは「Skiplagged.com」という隠れ目的地検索サイトが、アメリカン航空やユナイテッド航空、サウスウエスト航空から訴訟を起こされています。2024年10月には、Skiplaggedがアメリカン航空に対して940万ドル(約14億円)の損害賠償を命じられました。
CNBCの報道によると、アメリカン航空の利用規約には「より安い運賃を得るために、全フライトに搭乗する意図なくチケットを購入すること」が禁止行為として明記されています。違反した場合、チケットのキャンセル、搭乗拒否、払い戻し不可といったペナルティが科される可能性があるとされています。
実際の予約画面

Kiwi.comのアプリでは、隠れ目的地を含むフライトを選択すると、必ず注意事項が段階的に表示されます。スクリーンショットを見ると、以下のような警告が示されています。
1. ビザの確認

「マカオへのビザが必要かどうかご確認ください」という警告が出ます。実際にはマカオに入国しないにもかかわらず、形式上は最終目的地がマカオになっているため、このような表示が出るわけです。仮にビザを持っていないにも関わらず、ビザが必要な国へのフライトを予約した場合、フライト全区間が無効になる恐れが有ります。
2. 荷物の制限

「マカオまで送られてしまうので、手荷物を持ち込むことはできません」という注意が表示されます。これは非常に重要なポイントで、預け入れ荷物は最終目的地のマカオまで送られてしまうため、上海で降りても荷物を受け取れないということです。
3. キャリアのルール違反の可能性

「この旅程はキャリアが定めるルールに違反している可能性があることを理解しました」というチェックボックスが表示されます。つまり、Kiwi.com側も航空会社の規約違反になる可能性を認識しており、リスクを承知の上で予約する必要があるということです。有事の際に、Kiwi.comは責任を取ってくれないので、全て自己責任です。
利用する際のリスクとは?
隠れ目的地方式を利用する際には、以下のようなリスクがあることを理解しておく必要があります。
預け入れ荷物が使えない
これは最も大きな制約です。手荷物のみで済む短期旅行でない限り、現実的ではありません。液体物の持ち込み制限もあるため、化粧品類なども制限されます。
マイレージポイントへの影響
航空会社によっては、利用者のマイレージポイントを没収する権利を持っています。Skiplaggedも公式に「マイレージ番号を登録しない」ことを推奨しています。
往復では使えない
往路で隠れ目的地方式を使った場合、復路のフライトが自動的にキャンセルされてしまうことが多いため、片道ずつ別々に予約する必要があります。
ブラックリスト入り
多くの航空会社の利用規約で禁止されている行為であり、何らかのペナルティを受ける可能性はゼロではありません。深刻なケースとしては、ブラックリスト登録がされ、二度とその航空会社を利用できなくなるか、さらに最悪の場合、今後同じアライアンスの航空会社便すら利用できなくなる可能性も否めません。
筆者の見解
この方式は条件が合う人にとっては有効な選択肢かもしれません。ただし、誰にでもおすすめできるものではありません。
特に初めて海外旅行をする方や、航空券予約に慣れていない方には、素直に直行便か正規の経由便を予約することをおすすめします。数千円の節約よりも、安心して旅行できることの方が価値があるでしょう。
一方で、旅慣れていて、手荷物のみで身軽に移動できて、かつブラックリスト入りを厭わないという大いなる覚悟を決めた人にとっては、リスク考慮の上で活用する価値はあるかもしれません。重要なのは、リスクを完全に理解した上で、自己責任で判断するということです。
もっとも、コスパトラベラーである筆者自身、航空会社に嫌われたくたいので、どれだけ安くても絶対に利用したいと思いません。
まとめ
Kiwi.comの「隠れ目的地」機能は、航空券の価格設定の仕組みを利用した方法です。確かに直行便より安く予約できることもありますが、航空会社の利用規約上はグレーな領域であり、相応のリスクも存在します。
特に預け入れ荷物が使えないという制限や、マイレージへの影響、往復での利用制限については、必ず理解した上で予約するようにしてください。
Kiwi.comは予約時に明確にリスクを開示しており、利用者が十分に情報を得た上で判断できるようになっています。最終的には、自分の旅行スタイルや優先順位に合わせて、メリットとリスクを天秤にかけて判断することが大切です。
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