
中国・長沙を訪れたら絶対に外せないのが、湖南料理の定番食材である牛蛙(ウシガエル)料理だ。今回は長沙発祥の人気チェーン「蛙来哒(ワーライダー)」で、本場の蛙料理を堪能してきた。
蛙料理はゲテモノ?侮るなかれ
「蛙料理」と聞くと、日本人の感覚ではゲテモノ料理に聞こえるかもしれない。実際、私も最初は少し躊躇した。しかし蛙来哒の店内を見れば、そんな先入観は吹き飛ぶはずだ。
店内は20代以下の若者たちで賑わい、彼らはスマホで写真を撮りながら普通に食事を楽しんでいる。蛙料理は彼らにとって、私たちが焼肉や居酒屋に行く感覚と何ら変わらない。むしろポップでSNS映えする、トレンディな外食の選択肢なのだ。

この若者人気を支えている、蛙料理レストラン「蛙来哒」は、2009年長沙創業の業界の雄。当初こそ湖南料理全般を扱う料理屋だったが、創業者の羅浩・羅清兄妹が2015年にブランド改革を断行し、牛蛙に特化することで独自のポジションを確立。現在は中国全土90都市以上に300店舗以上を展開する人気チェーンに成長した。2023年には看板メニューの「紫蘇牛蛙」が、格付け機関によって「湘菜名菜(湖南名物料理)」に選出されるなど、地元でも高い評価を受けている。
伝統的な食材を若者向けにポップにアレンジして大衆化する。これが現代中国の食文化であり、蛙来哒はその象徴的な存在と言えるだろう。
ポップな店内で味わう本格派料理

そんな蛙来哒の店内は、カラフルなロゴと明るい照明が特徴的だ。テーブルには蛙来哒のロゴが入った食器が並び、SNS映えする空間作りにも力を入れている。まるで日本のファストカジュアルレストランのような気軽さがあり、若い世代をターゲットにした雰囲気が漂っている。

実際、客層の大半は20代以下の若者だ。週末ともなれば、友人同士や若いカップルで賑わう。この活気ある雰囲気こそが、蛙来哒の魅力の一つだろう。
長沙の現地友人に連れられ、今回私達が注文したのは、看板メニューの紫蘇牛蛙の鍋料理をメインに、各種串焼き、ドリンクだ。
紫蘇牛蛙の鍋料理が登場

メインディッシュの紫蘇牛蛙は、鍋に盛り付けられて登場する。蛙肉は調理の過程で切られ、炒められているため、一見するとカエルとは分からないが、よくよく観察するとカエルの四肢の名残がうかがえる。見た目のインパクトは抜群だが、食欲をそそる香りが漂ってくる。

いざ一口食べてみる。牛蛙の肉は鶏もも肉のような食感で、プリプリとした弾力がある。この歯ごたえが病みつきになる。脂は決して多くなく、さっぱりめ。くどくないのが嬉しい。ゲテモノ感は一切感じず、カエル料理が現地で大衆権を得ている理由がよく分かる。
味付けは、唐辛子や花椒の痺れる辛さが効いており、ジャガイモや青ネギ、赤唐辛子などの野菜が心地良い風味付けをしている。紫蘇の風味は意外と控えめで、辛さの中にほのかに香る程度だ。
湖南料理らしいしっかりとした辛さがあるが、意外と食べやすい。白いご飯との相性も抜群で、ついつい箸が進んでしまう。熱々の状態で提供、コンロの上で保温されるため、最後まで温かい状態で食べられるのも嬉しいポイントだ。
サイドメニュー

メイン料理だけでなく、串焼きメニューも充実している。特に、トウモロコシの串焼きは通常サイズより小ぶりで、食べてみると不思議なもちっとした食感がある。個人的にはこの独特の食感が気に入ったのだが、一緒に行った現地の友人には不評だった。好みが分かれる一品のようだ。肉串は香ばしく焼き上げられており、メイン料理の箸休めとしても最適だ。

ドリンクメニューも豊富で、今回はフルーツティーをオーダー。フルーツティーは苺がまるっと入った爽やかな味わいで、辛い料理との相性が良く見た目も華やか。
コストパフォーマンスの高さも魅力
2人で様々なメニューを注文して、料理もドリンクもデザートも楽しんで、価格は非常にリーズナブル、5000円程度。中国の外食価格を考えても、コストパフォーマンスは高いと言える。特に、メイン料理のボリュームを考えれば、かなりお得に感じられるはずだ。この価格設定も、若者に支持される理由の一つだろう。
辛さが心配な人も安心だ。湖南料理の辛さはしっかりあるが、注文時に「微辣(やや辛め)」や「不要辣(辛くしないで)」と伝えることもできる。
アクセスと営業情報
蛙来哒は長沙市内を始めとし、全国主要都市に複数店舗があり、ショッピングモールのフードコートエリアに入っていることが多い。今回訪れた店舗も、大型商業施設内にあり、買い物のついでに立ち寄りやすい立地だった。
営業時間は店舗によって異なるが、多くの店舗が昼から深夜まで営業している。週末や夕食時は混雑することが多いので、時間をずらして訪れるのがおすすめだ。
まとめ:先入観を捨てて現地の食文化を楽しもう
長沙を訪れたら、ぜひ本場の牛蛙料理を体験してほしい。日本人の感覚では「ゲテモノ料理」に聞こえるかもしれないが、それは大きな誤解だ。
蛙来哒は清潔でポップな雰囲気の店で、現地の若者たちに圧倒的な支持を得ている。彼らが普通に外食を楽しむ場所で、私たちが想像するようなマニアックな店では全くない。実際に食べてみれば、味も本格的で美味しい。紫蘇牛蛙の独特の風味と湖南料理らしい辛さは、中国旅行の忘れられない思い出になるだろう。
全国展開しているチェーン店なので、長沙以外の都市でも食べられるが、やはり発祥の地である長沙で食べる体験は格別だ。コストパフォーマンスも高く、本格的な湖南料理を気軽に楽しめる蛙来哒は、現代中国の食文化を体感できる場所として、間違いなくおすすめできる。
先入観を捨てて、現地の若者たちと同じ目線で楽しんでみてほしい。きっと新しい発見があるはずだ。
