
メドニンからマトマタ方面へ向かう国道20号線は、ある意味では荒涼とした砂漠気候のパワーを感じるインパクトの大きい景色だが、ある意味では似たような景色がひたすら続き単調だ。赤茶けた大地が延々と続き、時折オリーブの木が現れる程度。しかし、そんな道を走っていると、時折集落が現れる。
山肌にへばりつくような形で石造りの家々が斜面に沿って段々に連なる光景は、遠くから見ると岩山と一体化しているように見える。これがToujane(トゥジャン/トゥジャネ)だ。
マトマタのSidi Drissに向かう長旅の最中、ドライブ休憩がてらせっかくなので寄ってみることにしたので、そのレポートをお届けする。
こちらの記事もご覧ください
1500年の古集落、Toujane

Toujaneは、チュニジア南部ガベス県に属するマトマタ山地の集落で、メドニンから約27km、マトマタから約23kmの位置にある。ベルベル語で「山の麓の泉」を意味し、歴史は1500年以上に遡るという。
約500年前に西サハラ地域から「Awled Thabet」という部族が移住してきて定住。現在でも村は「Fessil」と「Taicha」というベルベル人グループ住んでおり、それぞれが複数の氏族で構成されているのだという。
マトマタの地下住居とは対照的に、Toujaneは山の斜面に沿って建てられた地上家屋の集落だ。防衛上の理由で高台に作られたのだろう。
まずは町の中腹へ

集落の中腹あたりで車を停め、外の空気を吸ってみることにした。幹線道路沿いには、いくつかホテルや食堂が並んでいる。
石造りの家々が密集し、狭い道路が斜面に沿って伸びている。ところどころに青いドアや窓枠があり、茶色い石壁とのコントラストが美しい。衛星アンテナがあちこちに設置されており、現代的な生活と伝統的な建築が混在している。

ただ、人けがまったくない。8月の灼熱の炎天下だからか、道を歩いている人の姿が見えない。村自体も小さく、静まり返っている。
景色は素晴らしいが、あまりにも暑いし人もいないし、ならもう少し上の方に景色が良さそうなカフェがあるようなので、そちらに行ってみることにした。
Café Restaurant Toujaneで一息

村の高台に、カフェレストラン「Café Restaurant Toujane」がある。こちらで村を一望しながら、コーヒー休憩をすることに。

店内に入ると、アーチ型の石造り天井が美しい。ベルベル絨毯が吊るされ、ガラスケースには「Toujane」と書かれたヴィンテージ風のボトルや伝統工芸品が並んでいる。お土産物も販売している。

そして大量に積まれているのが砂漠の薔薇(デザートローズ)。石膏の結晶が薔薇のような形状になったもので、この地域の名物土産。赤や黄色のプラスチックケースに山盛りになっている。記念に一つ購入しようかと思ったが、相方が「尿路結石みたい」と一蹴したのでやめた。確かに...

エスプレッソとコーラを注文。チュニジアのド田舎なので、東洋人がかなり珍しいのか、スタッフの学生くんたちがかなり興味を示してくる。ちょっと小馬鹿にしているのか、笑ってくる。

珈琲を受け取り、テラス席に腰掛ける。木製のテーブルとベンチが並び、屋根があるので日差しを遮れる。8月の灼熱の中、影で休めるのはありがたい。
展望エリアからの絶景

このカフェは立体構造になっており、一段上がったところに展望デッキがある。ここがToujaneでもっとも見晴らしのいい景色が楽しめる展望エリアだ。

眼下には石造りの家々が密集して広がっている。タタウィンやメドニンで見られるようなボコボコとした伝統的なクサールはないが、その形を模したような新しめの住居か倉庫のようなものが点在しているのが興味深い。アーチ状の連続した屋根を持つ建物もあり、現代的な建築の中にも伝統的な要素が残されているのがわかる。

目を凝らすと、マトマタで見られるような洞窟住居らしきものも見える。この辺りにもそういう文化があったんだな、と気づく。
集落の向こうには乾いた大地が延々と広がり、遠くには切り立った崖も見える。チュニジア南部特有の荒涼とした景色を一望できる。
まとめ

Toujaneは、メドニンやジェルバ方面からマトマタ、Ksar Ghilane方面へ向かう途中に立ち寄るのにちょうどいい休憩スポットだ。
Café Restaurant Toujaneでドリンクを注文して、展望エリアから景色を眺める。小さな村の中に伝統的な洞窟住居の痕跡や、新しいながらも伝統を意識した建築を見つける。30分〜1時間程度の滞在で十分だが、長距離ドライブの合間の息抜きとしては最適だ。なお、レビューを見る限り、食事についてはあまりオススメではない模様。
マトマタの地下住居やクサールとはまた違った、山岳集落のベルベル建築が見られる貴重な場所。単調な国道のドライブに飽きてきた頃、この独特な景観がちょうどいいアクセントになってくれる。