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台馬之星の予約体験レポート:欠航との戦いと賢い対処法【基隆⇔馬祖移動】

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本当は乗船レポートを綴りたかったのですが…

今回の記事、本来であれば台湾本島と馬祖を結ぶ「台馬之星」の船旅レポートをお届けする予定でした。しかし、冬の台湾海峡の荒波は想像以上に厳しく、結果として飛行機での移動を余儀なくされました。

ただ、この経験こそが、これから台馬之星の利用を検討している方にとって最も価値のある情報になると確信しています。乗船体験ではなく「予約と欠航対策」というリアルな体験談、そして馬祖への確実なアクセスを確保するための戦略をお伝えします。

台馬之星とは:基隆と馬祖を結ぶ生命線

台馬之星(台馬輪)は、台湾本島と離島の馬祖を結ぶ定期旅客船です。基隆港を夜21時に出発し、南竿と東引を経由して翌朝基隆に戻る三角運航を行っています。

興味深いのは、この運航ルートが日によって異なる点です。奇数日は基隆→南竿→東引→基隆、偶数日は基隆→東引→南竿→基隆という順序で寄港します。つまり、どちらの島に先に到着したいかによって、出発日を調整する必要があるのです。

私が予約したのは奇数日の便で、基隆から南竿へ向かう片道航路でした。

飛行機よりも運賃が安く、船室で横になって移動できるため、時間に余裕のある旅行者や地元住民に利用されています。船内には様々な客室タイプがあり、エコノミーから個室まで選択可能。台湾海峡の夜を船上で過ごすという、離島ならではの旅情を味わえる貴重な交通手段です。

予約方法:思ったよりシンプル

台馬之星の予約は「馬祖海上交通訂位購票系統」という専用サイトから行います。中国語のみの対応ですが、Google翻訳などのツールを使えば問題なく予約できました。

サイトから希望の日程と客室タイプを選び、乗客情報を入力してクレジットカードで決済。予約完了後はメールで予約確認書が届きます。予約代碼(予約番号)と乗船時間、取票方法などが記載されているので、必ず保存しておきましょう。

今回私は基隆→南竿の片道を予約。料金は1,050台湾ドルでした。

取票(チケット受取)方法について:

予約後のメールには詳細な取票方法が記載されています。選択肢は主に3つ:

  1. 乗船港のカウンターまたは自動発券機:身分証明書が必要
  2. セブンイレブンのibon機:予約代碼を入力して発券(全票、半票兒童、半票敬老のみ)
  3. 小三通(両岸航路)はカウンターのみ

長距離航路(基隆-南竿-東引)の場合は出発1時間前までに取票が必要とされています。これを守らないと「放棄」とみなされるので要注意です。島際航線(南北竿間など短距離)の場合は10分前、台北港航線は30分前と、航路によって取票期限が異なります。

予約システム自体は比較的わかりやすく、大きなトラブルもなくスムーズに完了しました。問題は、この予約が実際に使えるかどうかは「天候次第」という点にあります。

【ここから本題】絶対に知っておくべき重要な注意点

ここからが、この記事の最も重要な部分です。台馬之星を予約する前に、必ず理解しておくべき現実をお伝えします。

冬季の欠航率は驚くほど高い:覚悟が必要

台馬之星を利用する上で最も重要な事実があります。それは、冬季(11月〜3月頃)の欠航率が非常に高いということです。

台湾海峡季節風の影響を強く受ける海域として知られています。特に冬の北東モンスーン期には海が荒れやすく、船会社も安全を最優先するため、海況が悪化すると即座に欠航を決定します。

私が予約した便も、見事に欠航となりました。メールで届いた通知には「因海象不佳,基隆→南竿→東引→基隆航班停航」とあり、中央気象局の予報として「6至7陣風9級下午轉7至8陣風10級」という数値が記されていました。

これはビューフォート風力階級での表記で、風力6〜7(風速10.8〜17.1m/s相当)、突風9級(風速20.8〜24.4m/s相当)、午後には風力7〜8(風速13.9〜20.7m/s相当)、突風10級(風速24.5〜28.4m/s相当)という意味です。風力8以上は「疾強風(Gale)」と呼ばれる暴風域で、海上では高波が発生し、船舶の航行は極めて危険です。

冬季の運航率は体感で50%程度、もしかするとそれ以下という印象です。つまり、冬に台馬之星を予約しても「乗れたらラッキー」くらいの心構えが必要なのです。

LINE公式情報は朝11時発表だが…それでは遅い

台馬之星の運航・欠航情報は、LINEオープンチャットとメールで毎日午前11時に発表されます。この11時という時刻が、旅行者にとって大きな問題を引き起こします。

なぜなら、欠航が発表されると同時に、馬祖行きの飛行機が争奪戦になるからです。

台北松山空港から馬祖(南竿・北竿)への便は、立榮航空(UNI AIR)などが運航していますが、1日の便数は限られています。小型機が多く、座席数も100席前後。特に冬季は馬祖への需要が高まる時期でもあり、平時でも満席になることがあります。

ここに台馬之星の欠航が重なると何が起きるか。船を予約していた数十人、時には百人以上の乗客が一斉に飛行機へと流れ込むのです。11時に欠航が発表され、そこから慌てて飛行機を予約しようとしても、すでに満席。次の便も満席。翌日の便もほぼ埋まっている…という事態が容易に発生します。

運が悪ければ、馬祖への到着が1日、2日と遅れてしまう可能性すらあります。限られた休暇で旅行している場合、これは致命的です。

欠航時の対応について、メールには「已刷卡旅客,本公司自動全額退刷,若有回程或短程航班需辦理退票,請於上班時間來電辦理退票,請勿自行網路辦理退票」と記載されていました。クレジットカードで支払った乗客には自動的に全額返金されるものの、往復や複数区間を予約していた場合は営業時間内に電話で手続きが必要です。

賢い旅行者の戦略:先回りする勇気

では、どうすればいいのか?答えは明確です。「欠航発表を待たずに先手を打つ」こと。

海況予報を自分で読み、欠航の可能性が高いと判断したら、11時の発表を待たずに飛行機を予約する。この判断が馬祖での貴重な時間を守るための鍵となります。

事前の風況チェックが鍵を握る

私は出発数日前から、台湾中央気象署の風況情報サイト(https://wifi.cwa.gov.tw/v2/)を毎日チェックしていました。

この色合いは完全にアウトな海況

このサイトは台湾周辺の海域を細かく区分し、風速を色分けして表示しています。青→緑→黄→橙→赤と、風が強くなるにつれて色が変わっていく仕組みです。基隆から馬祖へ向かう航路は台湾海峡の北部を通過するため、この海域の色が重要な判断材料になります。

過去の欠航パターンと気象データを照らし合わせると、あるパターンが見えてきました。基隆〜馬祖間の海域が緑色以上(風速8m/s以上)になっていると、高確率で欠航になるのです。特に黄色(風速14m/s以上)に達していた場合は、ほぼ確実に欠航と考えて良さそうでした。

このサイトは3時間ごとに更新され、予報も数日先まで確認できます。風向きと風速の予測値も表示されるため、かなり精度の高い判断ができます。

出発前日の夜、私はこのサイトを開きました。画面に表示された基隆〜馬祖間の海域は、予想通り緑色から黄色へと変わりつつありました。翌日の予報はさらに悪化し、風力7〜8、突風10級という数値。これは完全にアウトです。

11時の発表を待たず朝の飛行機で移動を決断

出発当日の早朝、再び風況を確認しました。状況は改善どころか、さらに悪化していました。海域は完全に黄色、一部は橙色に近い表示。風の強さは予報通り、むしろ予報を上回る勢いでした。

この時点で決断しました。午前11時の公式発表を待たず、その日の朝の飛行機で馬祖へ飛行機移動することを。

台湾国内線の強み:当日予約でも高くない

幸いなことに、台湾の国内線には大きなメリットがあります。それは、当日予約でも極端に高額にならないという点です。

台湾では、離島路線は公共交通としての側面も強く、料金は比較的安定しています。

早朝6時頃、私は航空会社のウェブサイトとアプリで空席を確認しました。立榮航空の台北松山-馬祖南竿便は、まだ空席がありました。料金は片道2,500台湾ドル程度。事前予約と比べても1,000円程度の差です。

即座に予約を完了。この時点ではまだ台馬之星の欠航は正式発表されていませんでしたが、データからは「これは間違いなく欠航する」と判断できました。

結果は予想通り:データは正確だった

朝便で台北松山空港へ向かい、8時台のフライトで馬祖南竿空港に到着しました。馬祖上空から見下ろす東シナ海は、確かに白波が立ち、荒れている様子が見て取れました。

空港に到着後、スマートフォンを確認すると、予約していた台馬之星から予想通りのメールが届いていました。

因海象不佳,基隆→南竿→東引→基隆航班停航

やはり欠航です。中央気象局の予報データ通り、海況は船の運航に耐えられるレベルではありませんでした。メールにはさらに翌日の予告も記載されていて、「依目前海象分析,預估可開航(海象隨時變化,是否確定開航仍需依當日上午11時公告為主)」とのこと。翌日は運航できそうだが、最終的には11時の発表次第ということです。

判断は正しかったわけです。もし11時の発表を待っていたら、飛行機の予約は取れず、馬祖到着が大幅に遅れていたでしょう。

欠航時の処理はスムーズ:自動返金システム

台馬之星のシステムで評価できる点は、欠航時の返金処理がスムーズだったことです。

メールには「已刷卡旅客,本公司自動全額退刷」と明記されており、実際にクレジットカードへの返金は数日以内に自動的に処理されました。こちらから何か手続きをする必要はなく、ただ待っているだけでOK。欠航のストレスを少しでも軽減してくれる配慮だと感じました。

ただし、往復や複数区間を予約していた場合は、営業時間内に電話で連絡する必要があるとのこと。私は片道だけの予約だったので該当しませんでしたが、複雑な行程を組んでいる方は注意が必要です。

まとめ:台馬之星予約時の心得と冬季旅行の現実

台馬之星は魅力的な交通手段です。料金も手頃で、時間さえあればぜひ利用したい選択肢です。

しかし、冬季利用には慎重な計画と柔軟な対応が不可欠です。今回の経験から学んだ教訓をまとめます。

台馬之星を冬季に予約する際の必須ポイント:

  • 冬季の欠航率は50%以上と心得る:楽観視は禁物
  • 台湾中央気象署の風況情報https://wifi.cwa.gov.tw/v2/)を毎日チェック
  • 海域が緑色以上(風速8m/s以上)は警戒、黄色(14m/s以上)なら高確率で欠航
  • 風力6以上(風速10.8m/s以上)、突風9級以上(風速20.8m/s以上)の予報は危険信号
  • 欠航発表(11時)を待たず、朝の時点で飛行機を予約する勇気を持つ
  • 飛行機の当日予約も高額ではない(片道2,000〜3,000台湾ドル程度)
  • LINE公式アカウントhttps://page.line.me/600wjhet)で最新情報を入手
  • 欠航時は自動返金される(クレジットカード払いの場合)
  • 奇数日と偶数日で寄港順序が異なることを理解して予約

特に強調したいのは、「先手を打つ判断力」の重要性です。海況データを見て「これは厳しい」と感じたら、公式発表を待たずに代替手段を確保する。この判断ができるかどうかが、快適な旅と台無しになった旅の分かれ目になります。

台湾中央気象署のサイトは誰でもアクセスできますし、言語の壁も翻訳ツールで乗り越えられます。データさえ読めれば、欠航はある程度予測可能です。

冬季に馬祖へ行く方への提案:

もし日程に余裕がなく、確実に馬祖に到着する必要があるなら、最初から飛行機を選択するのも賢明な判断です。台馬之星は、海況が安定する4月〜10月の利用を強くおすすめします。この時期なら欠航率は大幅に下がり、安心して船旅を楽しめるはずです。

逆に、冬季でも「欠航になったらそれも含めて旅の一部」と割り切れる余裕のある旅程を組めるなら、チャレンジする価値はあります。

穏やかなシーズンに台馬之星で馬祖へ渡る機会があれば、その時は乗船レポートをお届けしたいと思います。

【参考情報】