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【送迎編】フィジー離島の「Yaqeta Village」で伝統的ホームステイ⑥ 別れと徒歩でのリゾートへの移動

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前回の記事では、村での食事について紹介した。パンの木、その日の釣果で決まる魚料理、レモングラスティー。素朴で力強い島の食事は、村の暮らしを深く感じさせてくれるものだった。

今回は、村でのホームステイを締めくくり、同じYaqeta島内にあるNavutu Stars Resortへ移動する様子をレポートする。一見単純な「移動」だが、そこには村とリゾートという二つの世界をつなぐ、興味深い体験が待っていた。

チェックアウトは11時、最後まで村を満喫

チェックアウトは11時だ。朝食を食べた後も、めいっぱい散策を楽しんだ。

東側のSunrise Beachを歩く。朝の海は穏やかで、子供たちが海で遊んでいる。昨日と変わらない風景だが、今日が最後だと思うと、一つ一つの光景が特別に見える。

村の中心部を通ると、昨夜カヴァセレモニーに参加していた村人たちが声をかけてくれる。Bula! 今朝の朝食は何食べたんだい!と。たった一泊だったが、彼らとの間には確かな繋がりができていた。

送迎と支払い:現金のみの世界

11時が近づき、Rustyさんが家にやってきた。

まずは残金の精算だ。予約時に35%のデポジットを支払っているので、残りの65%を現金で支払う。

ここで重要な注意点がある。ホームステイの残金の決済は現金、フィジードルのみだ。クレジットカードはもちろん使えないし、米ドルやオーストラリアドルなどの外貨も受け付けていない。必ずフィジードルの現金を持参する必要がある。

できれば釣りもないのが望ましい。村には銀行もATMもないため、大きな紙幣を崩すのが難しいからだ。私たちは事前にナンディで適切な金額を用意しておいた。

私たちは、気持ちとしてチップを含める形で、お金をRustyさんに渡した。村の経済は、こうした現金のやり取りで成り立っている。リゾートで働いて得た給与、ホームステイで得た収入、そして本島から物資を購入する際の支払い。すべて現金だ。電子マネーやクレジットカードが当たり前の世界から来た私たちにとって、この現金のみの世界は新鮮だった。

一般的な送迎ルートと、私たちの特別なルート

ここで、通常の送迎ルートについて説明しておこう。

本来であれば、帰りもチェックイン時と同様に、小さいスピードボートで島の沖合に行き、そこでYasawa FlyerあるいはTavewa Seabusに乗り換えて本島へ戻るというルートが一般的だ。ホームステイの料金には、往復の送迎ボート代が含まれている。

ボートは、ホームステイのゲストの出発時間に合わせて手配される。Yasawa Flyerは午後にYaqeta島を通過するので、その時間に合わせて村のビーチから出発し、沖合で待機しているフェリーに乗り移る。あの小舟での移動を、もう一度体験するわけだ。

しかし、今回私たちは、同じYaqeta島の中にあるリゾート「Navutu Stars」への滞在を予定していたので、船での移動ではなく、徒歩で移動をする形である。

Yaqeta VillageとNavutu Starsは一応徒歩で移動できる位置関係にある

これは、予約の段階から計画していたことだった。今回、フィジーに滞在するにあたり、ありのままの島暮らしと、洗練されたリゾートステイと、両方を味わってみたい、という思惑があった。

特に、仮にリゾートステイだけだと、今回のような島の生活や文化を十分に深く体験できなかったであろう。リゾートは素晴らしいが、それはある種観光客向けにアレンジされた体験だ。一方、村でのホームステイは、ありのままの生活を見せてくれる。

逆に、村でのホームステイだけだと、フィジーのリゾート文化の一面を見逃すことになる。南太平洋のリゾートは、世界的に高い評価を受けている。その魅力も体験したい。

そういう観点からも、同じ島の徒歩圏に、ホームステイとリゾートが並ぶYaqeta島は、まさに欲張り理想デスティネーションだったと我ながら思う。

Rustyさんの案内で、リゾートへ

Rustyさんのご厚意で、リゾートまで案内してもらえることになった。

私たちのバックパック、かなり重いのに一つ担いでくださった。

村から北にそれるような、非常に細い道が一本ある。滞在中、これは何だろうと思っていた道だ。村を散策している時に見かけたが、一見するとただの獣道のようで、どこに続いているのか分からなかった。

どうやらこの道がリゾートにつながるようだと分かった。

とはいえ、当然観光客が一般的に通る道ではない。もっぱらリゾートに働きに行っている村民が通勤路として使用しているようだ。散策編で触れたが、村の若者たちの多くは、隣接するNavutu Stars Resortでエンターテイナーやスタッフとして働いている。音楽を演奏したり、レストランでサービスをしたり、客室の清掃をしたり。彼らが毎日通う道なのだ。

朝と夕方には、この道を歩く村人たちの姿が見られるのだろう。リゾートの制服を着て、あるいは着替えを持って、裸足で歩いていく。村とリゾート、二つの世界をつなぐ道だ。

森の中のけもの道:村とリゾートの境界線

道に入ると、すぐに景色が変わった。

村の開けた芝生エリアから、一気に森の中へと入る。木々が生い茂り、頭上を覆う。太陽の光が木の葉の隙間から差し込み、スポットライトのように地面を照らす。

リゾートへの道のりは、10分強くらいだろうか。ただし、これは村人の足で10分強であって、私たちのような観光客にはもう少し時間がかかる。

炎天下の道を、森の中のけもの道を超えていくような感じだ。道があるとは知ってはいたものの、パッと見た限り本当に通じている道なのかは分からない。木々の根が地面から飛び出し、時折大きな石がごろごろとしている。足元を確認しながら慎重に歩く必要がある。

Rustyさんが案内してくれて本当に助かった。我々だけでこの道を歩くのは、かなり不安だったに違いない。道が隠れている場所もあり、どちらに進めばいいのか判断に迷う。Rustyさんは迷うことなく、慣れた足取りで進んでいく。

当然、舗装がされていない歩きづらい道だ。私たちはスニーカーを履いて、慎重に、足元を確認しながら歩いている。それでも時々、根っこに足を取られそうになったり、滑りそうになったりする。

ところが、Rustyさんは裸足でぐいぐい歩いていく。

村民はそういえばみな裸足で過ごしている。家の中も、村の芝生も、このけもの道も、すべて裸足だ。足裏がかなり丈夫なのだろうか。それとも、生まれた時からずっと裸足で過ごしているから、足裏が鍛えられているのだろうか。

ふと、ここが村とリゾートの境界線なのだと感じた。物理的な距離はわずか10分強だが、この森の道が、二つの世界を分けている。村の素朴な暮らしと、リゾートの洗練された世界。その間に、この森がある。

森の中を進んでいくと、リゾートの裏手に到着する

村人たちは、毎日この道を通って、二つの世界を行き来している。朝は村から森を抜けてリゾートへ、夕方はリゾートから森を抜けて村へ。彼らにとって、これは日常だ。

汗だくになりながら森の中の道なき道を10分強歩くと、突然視界が開けた。

リゾートに到着した。

目の前の光景に、思わず息を呑んだ。さっきまでいた森の道とは、全く別の世界だった。整備された芝生、真っ白なビーチ、透明な海、そして洗練されたデザインのレストランやバンガロー。リゾートの建物は、モダンで美しく、まるで雑誌の写真のようだ。

なお、今回はスタッフさん用の裏口からの入場だ。本来、正面の港から入場すれば、リゾートのスタッフが歓迎の音楽を披露してくれるのだが、まさかスタッフたちも村から歩いてくるゲストがいるとは想定していまい。

裏口からの登場に、リゾートのスタッフも少し驚いた様子だったが、すぐに笑顔で迎えてくれた。Welcome to Navutu Stars!と。そして、Rustyさんを見て、あぁ、Yaqeta Villageから来たのね、と納得した様子だった。

Rustyさんとリゾートのスタッフが、フィジー語で何か話している。笑い声が聞こえる。おそらく、知り合いなのだろう。村とリゾート、物理的には近いが、世界としては全く異なる。しかし、人々はその二つの世界をつなぐ存在なのだ。

こうして、Navutu Stars Resortに到着。無事、村の滞在を締めくくることができた。

Rustyさんに改めて感謝を伝える。本当にありがとう。忘れられない体験だった。この一泊二日は、私たちの人生の中でも特別な思い出になる。

Rustyさんは笑顔で、また来てね、いつでも歓迎するよ、と言ってくれた。そして、重いバックパックをリゾートのスタッフに手渡し、また裸足で森の中の道を戻っていった。

余談:島のネズミ事情とウシガエルの大群

ここで、少し余談を。

以前の記事で、ブレ(家)にはネズミがいるという話があると書いたが、Yaqetaについてはどうだったか。

Rustyさんの家では、滞在中、ネズミを見かけることはなかった。公式の案内書には「どの家にもネズミがいる」と書いてあったので、覚悟していたのだが、幸いにも遭遇しなかった。

たまに小さいアリの軍隊が村を行進していることはあったが、体に実害のあるような生物はいなかったので安心してほしい。アリも、食べ物を部屋に置かなければ、特に問題はない。

ただし、蚊は多いので、部屋に備えてある蚊取り線香を使用すること。夕方から夜にかけては、特に蚊が活発になる。蚊取り線香を焚いておけば、ある程度は防げる。

さて、ネズミの代わりに、面白い生き物に出会った。

夜になると、村の芝生の中で、ごそごそと重い音がするのだ。最初は何だろうと思った。ネズミにしては音が大きすぎる。何か大きな生き物がいるのか?

懐中電灯で照らしてみると、なんと大型のウシガエル

それも無数に!驚くほどの数だ。1平米に1匹いるような密度で、芝生中がウシガエルで埋め尽くされている。

村の芝生は、夜になるとウシガエルの天下になるのだ。彼らは芝生の中を跳ね回っている。最初は少し不気味だったが、慣れてくるとこれも村の夜の風物詩だと思えてくる。

試しに捕まえてみた。意外と素早く、追いかけるのは大変。ようやく捕まえると、手の中でキューキューとかわいい声で鳴く。見た目は大きくてゴツいのに、鳴き声はカエルらしからず、意外と可愛らしい。

ただし、注意が必要だ。運が悪いと尿をかけられる。この島のウシガエルは驚くと、防衛本能で尿を出すようだ。実際、私も一度やられた。つつくのはほどほどにしよう。

尿をかけられないよう、持ち方に工夫が必要

このウシガエルも、島の生態系の一部だ。夜の芝生を支配し、虫を食べ、島の自然のバランスを保っている。ネズミはいなかったが、ウシガエルがいた。これもまた、島の生活の一部なのだ。

まとめ

こうして、Yaqeta村での滞在は幕を閉じた。

一泊二日という短い滞在だったが、その密度は計り知れない。Rustyさんの温かいもてなし、村の子供たちの人懐っこさ、カヴァセレモニーで出会った村人たち、食事を見守ってくれた子供たち、そして最後に森の道を裸足で案内してくれたRustyさん。すべてが、忘れられない思い出となった。この場を借りて、改めて村の皆様に感謝を伝えさせていただきたい。

次はNavutu Stars Resortでの体験レポートを綴っていく。村とリゾート、二つの世界を味わう欲張りな旅は、まだ続く。