
陽朔の遇龍河沿いには、600年以上の歴史を持つ古橋が点在している。中でも有名なのが、「富里橋」「遇龍橋」「仙桂橋」の三大古橋だ。
遇龍河は漓江の支流で、年間を通じて水質が清く、水流も穏やかだ。竹筏下りで有名なこの川には、大小さまざまな橋が架かっており、その中でも特に歴史的価値が高いのがこれらの古橋だ。
今回は、以前の記事で紹介した官邸民宿を拠点に、電動バイクをレンタルしてこれらの古橋を巡ってきた。それぞれの橋が持つ歴史と雰囲気、そして道中の田園風景を、実際に訪れた体験をもとにレポートする。
官邸民宿の宿泊レポートはこちら
電動バイクで遇龍河へ

陽朔市街地では、電動バイクが手軽にレンタルできる。1日50〜70元程度で借りられ、遇龍河沿いの古橋を自由に巡るには最適な移動手段だ。
市街地から遇龍河方面へ向かう道は、カルスト地形特有の奇峰が連なり、田園風景が広がっている。電動車や三輪車がのんびりと走り、その背景には青い山々が連なる。この道を走るだけでも、十分に旅の気分を味わえる。
富里橋(富里桥)|一番上流の竹筏乗り場

最初に訪れたのは、三大古橋の中で最も上流に位置する富里橋だ。明代永楽年間(約600年前)に建造された単孔アーチ橋で、長さ30m、幅5m、高さ10mの石造りの橋だ。
早朝に訪れたこともあり、まだ観光客も少なく、落ち着いた雰囲気だった。橋の両端には古木が立ち、水面に映るアーチの反転が美しい。

実際に橋の上に登ってみると、周囲の田園風景が一望できる。青い山々に囲まれ、緑の水が村を巡る様子は、桂林ならではの風景だ。
橋の周辺を散策すると、さらに気持ちいい。川沿いの小道を歩き、石段を登って橋の上から川を見下ろす。清らかな川の流れと、静かな田園風景。この場所に来ただけで、心が洗われるような気分になった。

この日は、私のほかにももう一人ドローンパイロットがいた。お互いに「何の機種使ってるの?」「どこから来たの?」と盛り上がる。旅先でドローンを飛ばしていると、こうした出会いがあるのも面白い。

ドローンを飛ばして上空から撮影すると、橋のアーチと周囲の景観がより一層際立つ。富里橋は三大古橋の中で一番遠いが、わざわざ足を運ぶ価値は十分にある。
富里橋の周辺には、竹筏がいくつも並んでいた。ここは遇龍河の竹筏下りで一番上流の乗り場だ。

遇龍橋のような賑わいはないが、圧巻のカルストの山々というよりも、清らかな川をゆっくり楽しめるのがこのエリアの魅力だ。
朝早かったため、まだ竹筏ライドはスタートしておらず、デモンストレーションのようなものをやっていた。船頭が竿を操る様子を間近で見られたのは、なかなか貴重な体験だった。
遇龍橋(遇龙桥)|黄色い傘の竹筏が並ぶ賑やかな拠点

遇龍橋は、別名「回龍橋」とも呼ばれ、明永楽十年(1412年)に建造された。長さ36m、幅4.2m、高さ9mで、広西チワン族自治区で最大の単孔石橋だ。
この橋は遇龍河の竹筏下りの拠点として最も人気があり、実際に訪れると、黄色い傘のついた竹筏がたくさん並んでいた。この黄色い傘が、遇龍橋エリアの竹筏の特徴だ。

橋の名前にちなんでか、竹筏には金色の龍の装飾が施されていた。赤や黄色の鮮やかな龍の飾りが、古い石橋と対照的で印象的だった。

橋の周辺は観光客で賑わっており、三大古橋の中で最も活気がある場所だ。一方で、川のほとりでは近隣住民なのか、近くのスタッフさんなのか、何やら川の水で洗濯をしている様子が見られた。観光地でありながら、地元の人々の生活も垣間見える場所だ。

橋の両側には蔦が絡まり、緑の蔦が橋洞に垂れ下がる様子は、まるで緑の暖簾のようだ。この緑が、古い石橋をさらに趣深いものにしている。
仙桂橋(仙桂桥)|遇龍河最古の橋
仙桂橋は、三大古橋の中で最も古い。宋代宣和五年(1123年)に建造され、今から900年近く前のものだ。長さ25.8m、幅4.16m、高さ2.2mで、三つの中で一番小さい橋だ。

訪れた時はメンテナンス中だったのか、橋に入ることができなかった。仕方なく手前の新しい橋から遠目に眺めるだけとなった。
夜に訪れると、橋がライトアップされていた。小さいながらも、古い石橋特有の趣がある。結果的にライトアップされた姿を見られたのは良かったが、実際に橋の上を歩いてみたかったのが心残りだ。
橋のアーチ内側には石刻があり、遇龍河の文化を研究する上で貴重な資料となっているらしいが、残念ながら間近で見ることはできなかった。
道中の田園風景も見どころ
古橋を巡る道中、遇龍河沿いの田園風景も素晴らしかった。

電動バイクで走っていると、赤い三輪車がのんびりと走り、その背景には青い山々が連なる。田んぼが広がり、農家の人々が作業をしている様子が見える。
観光地として整備された場所ではなく、地元の人々の生活が息づく風景だ。こうした何気ない景色こそが、遇龍河の魅力だと感じた。
まとめ
富里橋は早朝の静けさが美しく、橋の上に登り周辺を散策するだけでも気持ちいい。遇龍橋は黄色い傘の竹筏が並ぶ活気ある場所で、地元の生活も垣間見える。仙桂橋は最も古く、小さいながらも趣がある。
電動バイクなら、これらの橋を自由に巡ることができる。そして、拠点としては[官邸民宿](過去記事リンク)が最適だ。遇龍河沿いに位置し、古橋へのアクセスも良い。
陽朔に来たら、漓江だけでなく、遇龍河の古橋にも足を運んでみてほしい。