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馬祖南竿島をスクーターで一周① 福澳港エリアから北海岸・12據點の絶景へ

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前回の記事で紹介した微型電動車を使って、馬祖南竿島を一周するバイク旅を敢行した。

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今回から数回に分けて、南竿島の見どころを紹介していく。ルートは必ずしも時系列順ではなく、近いエリアをまとめながら説明する形になるが、実際の旅程の参考にしていただければ幸いだ。

第一回目は、スクーターをレンタルした福澳港周辺から出発し、復興路に沿って島の外周を時計回りに北上。途中の急坂で電動スクーターの洗礼を受けつつ、荒々しい波が垂直の岩壁に打ち付ける、南竿島北端部の絶景スポットまでを巡る。

スクーターレンタルからスタート

旅のスタート地点は、福澳港近くにある「兵兵機車出租」。今回は2泊3日、48時間以内のレンタルで料金は1000元(約4,500円)だった。

スタッフの方から鍵を受け取り、島内のバッテリー充電スポットの場所を教えてもらう。簡単な操作方法のレクチャーを受けたら準備完了。エンジン音のない静かなスクーターにまたがり、いざ出発である。

福澳港エリア:台湾本島と馬祖を結ぶ玄関口

福澳港は南竿島の玄関口。台湾本島や他の離島からのフェリーが到着する港で、人とモノの流れが集まる場所だ。港のターミナルには、小三通のチケットカウンターや台馬航線の窓口が並び、南竿-北竿を結ぶ島間フェリーの時刻表も掲示されている。

後日、この港から北竿島へ渡る予定もある。フェリーは1日に複数便運航しており、朝7時から夕方17時過ぎまで、ほぼ1時間おきに出ている。所要時間はわずか15分ほどだ。

港周辺には商店や飲食店が並び、島の生活を支えるエリアとなっている。観光客向けの土産物店では、馬祖限定の高粱酒やTシャツ、迷彩柄グッズなどが売られている。馬祖らしさ満点のお土産だ。

このエリアは南竿の玄関口なだけあって、最も開発が進んでいるエリアでもある。スポーツ施設や近代的なビルなども建っており、まだこの時点では遠く離れた離島に来たという感覚をつかみづらい。

そして驚くことに、このエリアには馬祖列島唯一のスターバックスがある。離島でスタバが飲めるというのは、なんだか不思議な感覚。旅の合間にいつもの味でホッと一息つけるのはありがたい。店内からは港を眺めることができ、フェリーの出入りを見ながらコーヒーを楽しめる。

なお、そんな福澳港エリアだが、少し裏路地に入っていくと一気に畑が広がる。福建省の内陸で見たような、のどかな田舎暮らしの風景が垣間見れ、旅行情緒が一気にくすぐられる。

復興路を北上、島の外周をぐるっと

港エリアを出発する。静かに滑り出すスクーターに、これから始まる島巡りへの期待が高まる。

復興路という島の外周道路に沿って、時計回りに北へと向かう。海風が心地よく、スクーターでの移動は本当に気持ちがいい。

しかし、すぐに電動スクーターの弱点を思い知らされることになった。復興路は海沿いを走るだけでなく、アップダウンも激しい。特に急な上り坂に差し掛かると、スクーターの馬力不足が顕著になる。

平地ではスイスイ走れるのに、坂に入った途端、スピードがみるみる落ちていく。アクセルを全開にしても推進力が足りず、最悪の場合は坂の途中で止まってしまう。そんな時は、足で地面を蹴りながら進むしかない。ガソリンバイクなら何の問題もない坂でも、微型電動車にとっては試練なのだ。

それでも、坂を登り切った後の達成感は格別。そして下り坂では再び快適に走れる。島の起伏を体で感じながら、のんびりと北上していく。

復興路を北上しながら、最初に目指すのは牛角聚落だ。徐々に景色が荒々しくなり、島の北端部らしい雰囲気が漂ってくる。

北端部の絶景スポット:南竿12據點

島の北端部あたりで、スクーターを停めて歩いてみることにした。ここは南竿12據點と呼ばれる場所なのだが、市街地から離れた場所というだけあって、人通りは全くない。

石畳の遊歩道を歩いていくと、突然視界が開ける。目の前に広がるのは、荒々しい波が垂直の岩壁に打ち付ける、圧倒的な光景だ。

據點(ジュディエン)とは

ここで「據點」について説明しておこう。據點とは、かつての軍事拠点を意味する。馬祖は長らく台湾の最前線として軍事的に重要な位置を占めてきた歴史があり、島のあちこちに軍事施設が建設されていた。

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南竿島には100近くの據點があり、それぞれに番号が振られている。起点は珠螺にある勝利堡(馬祖戰地文化博物館)の「01據點」で、そこから島を時計回りにぐるっと巡る形で、96番まで番号が振られている。

この崖の上にある據點は「南竿12據點」。島の北端部(厳密には、最北端はまた別の場所なのだが)に位置し、北竿方面を見渡せることから、かつては重要な監視・防衛拠点だったのだろう。現在は観光スポットとして開放されており、誰でも訪れることができる。

波と崖の迫力

エメラルドグリーンの海面が、ゴツゴツとした花崗岩の崖に容赦なく打ち付けている。波しぶきが白く飛び散り、轟音が響く。自然の力強さを肌で感じる瞬間である。

この日は特に波が荒く、なぜ台馬之星(台湾本島と馬祖を結ぶフェリー)が運休したのかが、この波の荒々しさを見れば納得できた。穏やかな日には美しい海も、ひとたび荒れると恐ろしい姿を見せる。

崖の上から見下ろす海は、穏やかな港周辺とはまったく違う表情を見せている。岩場には複雑な地形が広がり、波が複雑に反射して、見ていて飽きることがない。

遠くには他の島々も見える。馬祖列島の島々が点在する様子が、ここからよく見渡せる。

ちなみに、沖縄本島と同じくらいの緯度にあるはずなのだが、サンゴ礁は発達しておらず、温帯らしい色合いの海をしている。海流の影響なのか、馬祖の海は沖縄ほど温かくないようである。

軍事遺構が点在

この辺りには、かつての軍事施設の遺構が点在している。コンクリート製のトーチカや、崖に掘られた防空壕のような施設。緑色に塗られた構造物が、草木に覆われながらも残っている。崩壊リスクもあるかもしれないが、実際に壕の中に入ることもできる。

遺構の中には「向海致敬」という文字が書かれた円形のアーチがある。戦時中の緊張感と、今の平和な時間が交錯する不思議な空間である。

このアーチの先には、軍事遺構をリノベーションした予約制のカフェがある。迷彩カラーの外観が印象的な建物で、屋上にはテラスもある。

波の音を聞きながら、絶景を眺めてコーヒーを飲む。なんとも贅沢な時間が過ごせそうだ。予約が必要なので、訪れる予定の方は事前に確認したほうがいいだろう。建物の入り口には「咖啡・書閣・民宿」という看板があり、カフェだけでなく宿としても営業しているようだ。

次回予告

福澳港でスクーターをレンタルし、急坂に苦戦しながらも島の北端部まで走ってきた第一回。荒々しい波と崖の絶景、そして軍事遺構。南竿島の多様な顔を垣間見ることができた。

まだまだ旅は続く。次回は、牛角など島の他のエリアを巡りながら、さらに南竿島の魅力を探っていく。

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