定番ツアーはもう飽きた?ローカル旅行情報発信サイト「コスパトラベル」

パッケージツアーやガイドブックに頼った旅行に飽きた大の旅行好きの方々向けに、ローカル&コスパの良い旅行情報を集めたポータルサイト

馬祖南竿島をスクーターで一周③ 馬祖酒廠・八八坑道から島の中心地「介壽村」へ

記事内にはスポンサーリンクが含まれる場合があります。

前回は復興村・牛角聚落で美しいビーチと牛峰境五霊公廟を訪れ、中南58で温かな人々との出会いを楽しんだ。

www.kosupatravel.com

今回は、牛角から坂を登って内陸方面へ。馬祖の名産品である老酒と高粱酒を生産する馬祖酒廠、そして伝説的な八八坑道、さらに南竿空港を経て、島一番の中心地・介壽村まで一気に巡っていく。

牛角から内陸へ

中南58を出て、スクーターを走らせる。牛角の集落から坂を登り、内陸方面へと向かう。海岸線を離れ、徐々に高度を上げていくと、視界が開けてくる。

しばらく走ると、港や空港を結ぶ交通の要所となるラウンドアバウトに差し掛かる。南竿島の幹線道路が交わるこの場所は、島内移動の重要なポイントだ。

馬祖酒廠:老酒と高粱酒の聖地

このラウンドアバウトの角に、馬祖酒廠がある。馬祖を代表する老酒と高粱酒を生産する工場で、実際にお酒を作っている現役の醸造所であるとともに、展示場・博物館としても機能している観光スポットだ。

スクーターを停め、さっそく中に入ってみることにした。

ところが、最初間違って工場の方に入ってしまった。勤務員の方に、ここは違う、見学用の入口は別だと教えてもらう。少し恥ずかしかったが、親切に案内してくれた。

見学用の入口は工場とは別の場所にあり、そちらから改めて入館する。

豪華な壺の数々

中を見学していく。老酒や高粱酒についての知識があまりないので、詳しいことは正直よく分からないのだが、とにかく豪華な瓶・壺が多い。

展示場には様々なサイズの陶器の壺が並んでおり、精巧な装飾が施された巨大なものもある。シンプルなものから、龍や鳳凰の彫刻が施された芸術品のようなものまで、見ているだけで圧倒される。これらの壺で老酒を熟成させるのだろう。

馬祖の老酒は、もち米を原料とした醸造酒で独特の甘みとコクがある。高粱酒は高粱(コーリャン)を原料とした蒸留酒。大陸では白酒とも呼ばれる、中国おなじみのお酒だ。アルコール度数が高く強烈な香りが特徴である。

八八坑道:伝説の坑道醸造

ラウンドアバウトから南西へと少し進むと、八八坑道がある。かつて軍事用に掘られた坑道を今は老酒の醸造所として活用している場所で、坑道内は年間を通じて温度と湿度が一定で老酒の熟成に最適な環境なのだという。馬祖を代表する観光スポットの一つだ。

しかし、なんとしばらく工事が入っているらしく、関係者以外立入禁止になっていた。せっかく来たのに残念だが、仕方ない。入口の看板だけ眺めて、素通りすることにした。

薄暗い坑道の中で静かに熟成される老酒。その光景を見たかったが、また次の機会だ。

南竿空港:島の空のゲートウェイ

八八坑道を後にし、そのまま道を進むと南竿空港に到着する。ここが南竿の空のゲートウェイで、私もこの空港に降り立った。台湾本島から小さなプロペラ機でのフライトを経て、この島に第一歩を踏み入れた場所でもある。

空港は小さいながらも必要な機能は揃っており、ターミナルビルにはちょっとした土産店がある。給水器とトイレもあるので、スクーターでの島巡りの途中のちょっとした休憩スポットとしても使える。

今回は特に行かなかったが、空港の下を隧道で通って東側の海岸にアクセスできる道もあるらしい。特に名物があるわけではないが、島を隈なく見たい人は行ってみても良いかもしれない。

南竿空港を後にし、中央大道を登っていく。再びラウンドアバウトへ戻り、今度はそこから南下する。向かうは、南竿島一番の中心地・介壽村だ。

介壽村:古き良き島の中心地

ラウンドアバウトから南下すると、しばらくで介壽村に入る。南竿一番の市街地と言えばここだ。

福澳港エリアが島の玄関口として機能するのに対し、介壽村は昔ながらの聚落の雰囲気が色濃く残るエリア。古い石造りの建物や昔ながらの商店が並ぶ路地は、どこか懐かしく温かみがある。港エリアの整備された観光地的な雰囲気とは全く異なり、ここには本当の意味での島の日常が残っている。

民宿が多く、比較的遅くまで開いている飲食店も充実していることから、ここを拠点にしている旅行者が多い。私はここには泊まらなかったが、確かに使い勝手の良さは感じた。

介壽獅子市場と島の台所

介壽村の中心にあるのが介壽獅子市場だ。南竿の台所とでも言った位置づけだろうか。この市場には、朝一番には地元の新鮮な食材が並ぶ。

街には飲食店のほか、お土産ショップやミリタリー系の服屋なども充実しており、見ているだけでも楽しい。コンビニもあるので、離島ながら日用品の調達にも困らない。

そしてここには微型電動車のバッテリーステーションがある。そのため今回の滞在中、ちょくちょくここへ戻ってくることがあった。島を巡り巡って介壽村に戻り、バッテリーを交換してまた出発する。そのサイクルを繰り返しながら、南竿島を満喫していった。

八百屋の鶏排

馬祖では昼と夜のピンポイントの時間を除くと、飲食店がほとんど閉まってしまう。そんな中、介壽村には軒先で揚げ物を揚げて売っている八百屋がある。

午後、小腹が空いたので鶏排を一つ注文した。台湾式の大きな揚げ鶏のことで、屋台の定番グルメだ。辛いスパイスをたっぷりかけてもらい、熱々のところをかぶりつく。

中南58で教えてもらったように、南竿では食いっぱぐれないよう常に食料調達のアンテナを張っておく必要がある。こういう形で軽食を提供してくれる店の存在は、本当にありがたい。

南竿26據點:崖の上の軍事遺構

介壽村を後にし、集落から漁港の方へと下っていく。そして漁港から東へ向かって急坂を上がっていくと、南竿26據點に到着する。

島の東側は台湾海峡。中国大陸側とは異なり、見渡すかぎり水平線ばかり。

かつては対岸への監視や防衛のために使われていた場所だ。南竿の據點群の中でも、特に眺望の良さで知られており、早朝に訪れると美しい朝日が望めるスポットとしても有名らしい。残念ながら昼間に訪れたため朝日は拝めなかったが、次回は時間を合わせてぜひ見てみたい。

崖の上に立つと、眼下に介壽の漁港がよく見える。ここから見下ろす港の風景は、先ほど自分が歩いていた場所が一望できて、不思議な感慨がある。集落に立ち並ぶ石造りの家屋、漁船が静かに浮かぶ港、そして島を囲む海。これだけ小さな島に、これだけ多くの歴史と生活が詰まっているのかと改めて思う。

據點に残る砲台や壕などの軍事施設は、南竿の他の據點と同様に現在もその姿をとどめている。かつて最前線として緊張感が漲っていたこの場所が、今は静かな観光スポットとなっているのが、馬祖という島の歩んできた歴史を象徴しているようだ。

まとめ

今回は、南竿島南西部の介壽を中心としたエリアを紹介してきた。次回は、内陸部である中央大道を通っての北海坑道方面への移動の様子と、その道中での見所を紹介する。