少しだけ、明るいニュースが入ってきました。
2月28日から完全停止していたドバイ・アブダビの両空港で、3月2日(月)夕方から一部便の運航が再開されました。長い沈黙の後の、最初のかすかな動きです。
ただし、これをもって「中東が復旧した」と受け取るのは早計です。状況はまだ非常に流動的で、新たなミサイル脅威による緊急迂回も起きています。希望の光は見えてきたものの、まだ細くて頼りない光です。
これまでの経緯はこちらの記事をご参照ください。
エミレーツ、夕方から5路線で限定再開
エミレーツ航空は現地時間3月2日夕方から、インド主要都市向けに限定的な運航を再開しました。ドバイ国際空港のウェブサイトが示した再開便は以下の5路線です。
ムンバイ行きEK500便(20:00発)、チェンナイ行きEK542便(21:00発)、デリー行きEK512便(21:30発)、ベンガルール行きEK568便(21:35発)、ハイデラバード行きEK524便(21:30発)。
初便のEK500(ムンバイ行き、A380)は現地時間21:12に離陸。約10万人がフライトレーダーでこの便の動きを追跡するという異例の光景となりました。世界中の旅行者がいかにこの瞬間を待ちわびていたかを物語っています。
ただしエミレーツは、早期予約の乗客を優先するとしており、再予約した乗客には直接連絡するとしています。その連絡がない限り、空港へは向かわないよう強く求めています。再開便以外の全便は依然として運休です。
エティハドも動いた——ロンドン行き初便が離陸
アブダビのエティハド航空も同日、限定運航を再開しました。最初の旅客便EY67(ロンドン・ヒースロー行き)が現地時間14:39に離陸し、その後アムステルダム、パリ、モスクワ、ムンバイ、デリー、イスラマバード、リヤド、ジッダへの便が続きました。足止めされていた乗客にとって、それぞれ待ちに待った離陸だったはずです。
しかし、同じ夜に混乱も起きていた
ここで冷静になる必要があります。再開の喜びと同じ夜、不穏な出来事も起きていました。
UAE近辺で新たなミサイル脅威が報告され、アブダビへ向かっていたエティハドの貨物便2機がオマーンのマスカットへ緊急迂回。またドバイへ向かっていたエミレーツのA380が一度旋回し、二度のUターンの末にようやくドバイへ着陸するという場面もありました。さらにサウジアラビアのリヤドでは米国大使館へのドローン攻撃が報告され、リヤド空港でも複数の便が旋回・引き返す事態が発生しています。
「再開した」という言葉の裏側で、現場はまだギリギリの綱渡りをしている。その現実は忘れてはなりません。
ドーハ・バーレーン・クウェートはまだ全便停止
ドバイ・アブダビが動き始めた一方で、ドーハ(カタール)、バーレーン、クウェートの三空港は3月2日時点でも全便停止が続いています。カタール航空は3月2日ドーハ時間09:00に次のアップデートを発表するとしていましたが、商業便の再開には至っていません。
中東全体として見れば、復旧はまだ入り口にすら立っていない段階です。
なお、ドーハ・ハマド国際空港では、足止め中の旅行者に向けて各社が補償提供をしています。
「再開した」からといって、すぐに動かないで
今回の限定再開で注意すべき最大のポイントはここです。エミレーツもエティハドも、再予約された乗客への直接連絡がない限り空港へ来ないよう明示しています。「再開のニュースを見て空港へ行ったら、乗れる便がなかった」という事態は十分あり得ます。
今後の復旧が進むにつれて、以前の記事で予想した通り、需要が供給を大幅に上回る局面が続く可能性が高い。残席の急減と運賃の急騰も起きやすい状況です。焦って動くよりも、公式サイトと航空会社からの直接連絡を待つことを優先してください。
復旧初期の混雑を避けてコスパよく代替便を確保する方法については、過去の記事も参考にしてください。
おまけ:湾岸諸国に行けないなら、別のイスラム圏へ遊びに行こう
ところで、湾岸諸国への旅行をキャンセルせざるを得なくなった方に、少し朗報を。
現在、外務省がイラン・湾岸諸国を中心に危険勧告を発表しており、事実上これらの国々への旅行は不可能となりました。
ただし、危険地域を避けさえすれば、中東や周辺イスラム圏への旅行に行くことができるチャンスもまだ残っています。続きの記事で、有力な代替渡航先をいくつか紹介しているので、中東旅行の夢を捨てきれない方は是非ご覧になってみてください。
まとめ
止まっていた空が、わずかに動き始めました。それは確かです。でも今夜の限定5便で、150万人以上の足止め旅客が動けるわけではありません。ミサイル脅威による緊急迂回も起きており、安定した再開にはほど遠い状況が続いています。
一寸の光が見えてきた——それは素直に喜んでいい。ただしその光を頼りに、今すぐ空港へ走り出すのはまだ早い。
航空会社からの直接連絡を待ちながら、もう少しだけ状況を見守りましょう。
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この記事は2026年3月2〜3日時点の情報に基づいています。状況は急速に変化しています。最新情報は必ず各航空会社の公式サイトでご確認ください。
