
本日、外務省はクウェート・サウジアラビア(東部)・バーレーン・カタール・アラブ首長国連邦・オマーンの危険情報をレベル3「渡航中止勧告」に引き上げると発表しました。これまでの「不要不急の渡航自粛」から一段階上がり、今や政府として「渡航するな」と明言する水準になっています。
そして同時に、現地に取り残された邦人を政府チャーター機で東京まで輸送するという、異例の緊急支援措置も発表されました。
外務省の発表内容——何が決まったのか
今回の発表のポイントは大きく三つです。
まず危険レベルの引き上げ。対象はクウェート、サウジアラビア(東部)、バーレーン、カタール、UAE、オマーンの6カ国・地域で、いずれもレベル3「渡航中止勧告」となりました。イランによる民間施設・外交施設への攻撃が発生していることが理由です。
次に陸路での脱出支援。空港が閉鎖されているクウェート・バーレーン・カタール・UAEに滞在している邦人のうち希望者を、空港が稼働しているサウジアラビアのリヤドまたはオマーンのマスカットへ陸路で輸送します。
そしてチャーター機の手配。リヤドとマスカットの空港では商用便は運航しているものの、近隣各国からの旅客が殺到してチケット確保が極めて困難な状況になっているため、日本政府が独自にチャーター機を手配し、希望する邦人を東京まで空輸します。
現地への対応強化として海外緊急展開チーム(ERT)も派遣されます。具体的な日時・詳細は「たびレジ」または在留届に登録している方へ順次送付されます。まだ登録していない方は今すぐ登録することを強くお勧めします。
レベル3とは何を意味するのか
外務省の危険情報は4段階あります。レベル1(十分注意)、レベル2(不要不急の渡航自粛)、レベル3(渡航中止勧告)、レベル4(退避勧告)。今回のレベル3は上から2番目の深刻度です。
レベル3が出ている国・地域への渡航は、目的のいかんを問わず中止してくださいという意味です。旅行はもちろん、出張も含めて渡航そのものを中止するよう政府が勧告している水準であり、すでに現地にいる方には「退避することを検討してください」というメッセージでもあります。
冒頭の地図を改めて見てください。赤はレベル3、濃い赤はレベル4です。イラン・イラク・イエメン・シリアはすでにレベル4。そして今回の引き上げで、UAE・カタール・バーレーン・クウェート・オマーン・サウジ東部がレベル3に並びました。中東・湾岸全域が、旅行者にとって事実上「立入禁止」の地図になっています。
当面、中東への旅行は絶望的か
率直に言います。湾岸諸国への旅行は、しばらくは無理です。
レベル3が出ている以上、旅行目的での渡航は事実上不可能です。仮に航空便が再開されても、日本の旅行保険の多くはレベル3以上の国への渡航を免責対象としており、何か起きても保険が下りません。航空会社も運航を再開しても、新規の観光目的旅行者を優先して乗せるような状況にはありません。
ドバイへの観光、ドーハ乗り継ぎでのアフリカ旅行、カタール旅行——そういった計画はすべて、当面棚上げするほかありません。
では「当面」とはいつまでか。それは誰にも分かりません。停戦が成立し、情勢が安定し、外務省がレベルを引き下げるまで。今の段階でその時期を見通すことは困難です。
ただし、危険地域を避けさえすれば、中東や周辺イスラム圏への旅行に行くことができるチャンスもまだ残っています。続きの記事で、有力な代替渡航先をいくつか紹介しているので、中東旅行の夢を捨てきれない方は是非ご覧になってみてください。
現在、中東・湾岸にいる方へ
今すぐたびレジまたは在留届の登録状況を確認してください。チャーター機の案内は登録者に送付されます。登録がまだの方は外務省の海外安全情報サービス「たびレジ」(www.ezairyu.mofa.go.jp)から登録できます。
陸路での脱出支援(クウェート・バーレーン・カタール・UAE→リヤドまたはマスカット)を希望する方も、詳細は在外公館またはたびレジ経由で確認してください。自己判断で無計画に移動するのは危険です。必ず公式ルートを通じて情報を得てください。
まとめ
外務省が湾岸6カ国にレベル3を発令し、政府チャーター機による邦人輸送という異例の措置が動き始めました。これは単なる注意喚起ではなく、国家として「この地域は今、日本人が居るべき場所ではない」と判断したということです。
中東方面への旅行計画は、当面すべて見直しが必要です。現地にいる方は、一刻も早く公式の脱出ルートを確認してください。
状況が動き次第、引き続き更新します。
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この記事は2026年3月5日時点の外務省発表に基づいています。危険レベル・支援内容は変更される可能性があります。最新情報は必ず外務省海外安全情報(www.anzen.mofa.go.jp)でご確認ください。