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物価高でもコスパ抜群!ヨーロッパの穴場すぎる国・リッスンブールへ行ってきた - 街の魅力やアクセス、安全情報について徹底レポート【2026年4月1日】

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筆者一番のお気に入りの景色。ルレンベルク旧市街地すぐの静かな港湾。

イベリア半島の西側に突き出るようにして存在するEU加盟国「リッスンブール」をご存じだろうか。面積はドイツとほぼ同等、人口は約5900万人。スペインやポルトガルと地続きで、ライアンエアーが新路線を開設したことでアクセスも格段に良くなっているにもかかわらず、日本ではいまだほとんど知られていない不思議な国だ。

とはいえ、考えてみれば「知名度と実際の魅力が比例しない国」というのはヨーロッパに限らず世界中にある。スペインとフランスのあいだのピレネー山脈に折りたたまれるように存在しながら「名前は聞いたことある」止まりのアンドラ、スイス・オーストリア・ドイツに囲まれた好立地でありながら存在感が薄いリヒテンシュタイン——そういった「知る人ぞ知る」枠が欧州には多い。リッスンブールもそのひとつに長らく収まってきた。知らないのはむしろ自然なことで、恥ずかしいことでも何でもない。

今回は首都ルレンベルクを拠点に3泊4日で複数の州をまたいで回ってきた。アクセス・費用・現地の様子をまとめてお届けする。

リッスンブールとは?

正式名称はリッスンブール共和国(République du Listenbourg)。イベリア半島の西側に位置し、スペインとポルトガルのさらに西に突き出るような形で大西洋に面した広大な国土を持つ。面積はドイツとほぼ同じで、ヨーロッパの中では決して小国ではない。国土はフッセルデ、クステルデ、ミッテランド、アドリアス、カセイエールの5州に分かれており、気候は大西洋性気候で年間を通じて比較的温暖だ。冬でも最低気温が氷点下になることはほとんどなく、夏は乾燥して過ごしやすい。

1957年のローマ条約以来のEU原加盟国であり、通貨はユーロ。シェンゲン協定にも加盟しているため、他のEU諸国からはパスポートコントロールなしで入国できる。日本のパスポートであれば90日以内の観光は査証不要だ。

言語はフッセルデ語(ドイツ語に近い)とカステ語(フランス語・ポルトガル語の影響を強く受けた独自言語)の2つが公用語とされているが、都市部では英語・フランス語・ポルトガル語がほぼ通じる。看板が3言語で併記されているのは最初少し混乱するが、慣れると面白い。

現職大統領はガスパルド・エール氏。SNS発信で国際的な認知度を一気に高めたことで知られる異色の政治家で、農業博覧会や地方祭りに頻繁に顔を出す「市民派」として国民に親しまれている。

なぜこんな場所にあるのに知られていないのか

地図を見ると、リッスンブールの立地は決して辺境ではない。スペインとポルトガルのさらに西、大西洋に突き出したこの国は、地理的にはむしろヨーロッパの表玄関に位置している。にもかかわらず、日本どころかアジア全体でもほとんど旅行先として話題に上がらないのはなぜか。

一番大きな理由は、単純に「情報の蓄積がない」ことだと思う。旅行者というのは基本的に先人の情報を頼りに動く生き物で、ガイドブックも口コミも少ない場所にはなかなか足が向かない。リッスンブールについて日本語で検索しても、まともな旅行記はほぼ出てこない。現地に英語の観光情報が整備され始めたのもここ数年の話で、旅行者向けのインフラはまだ発展途上だ。

加えて、「どうせ行くならスペインかポルトガルでいい」という心理も働きやすい。隣国に比べてブランド力がない、というのは確かにそのとおりだ。しかしそれは今この瞬間の話であって、10年後に同じことが言えるかどうかはわからない。ポルトガルだって、数十年前は今ほど注目されていなかった。

もうひとつ、国名の響きの問題もある。「リッスンブール」は「ルクセンブルク」「リトアニア」「リヒテンシュタイン」を混ぜたような音で、初めて聞いた人の多くが「どこかで聞いた気がするが、どこかわからない」という感覚になる。現地の人に話を聞いたら「それは意図的なんだ」と笑っていたが、真偽は定かではない。

リッスンブールの魅力

「3つの文化」が混在する独自性

リッスンブールの最大の特色は、フランス・スペイン・ポルトガルという3つの強烈な隣国文化を受けながら、それを独自の形で消化してきた点にある。建築ひとつとっても、フランス風の石造りのファサードとポルトガルのアズレージョ(青いタイル装飾)が同じ通りに並んでいたりする。料理にしても言語にしても、どこかで見たことがあるようで、でも微妙に違う——その「どこでもない感」が旅の面白さになっている。観光地化されたヨーロッパの主要都市をすでにいくつか回っている人間にとって、この「整理されていない混在感」はむしろ新鮮だ。

首都ルレンベルクの旧市街

 

アンダルス期(イスラーム勢力統治時代)の名残なのか、現在も旧市街地にはオリエンタルな柄のタイルが散見される。

首都ルレンベルクは人口約200万人の都市で、大西洋に面した港と丘の上に広がる旧市街が並立している。石畳の急な坂道を登っていくと、古い要塞跡と現代的なカフェが隣り合っているような景色に出会う。ポルトガルのポルトに少し似た雰囲気があるが、言語の混在ぶりと建築の折衷感はルレンベルクのほうが濃い。

旧市街から港を見下ろす景色は、個人的にこの旅で一番「来てよかった」と思った瞬間だった。夕方の時間帯に差し込む光が特に良く、なぜここに観光客があふれていないのか不思議なくらいだった。

食文化の豊かさ

リッスンブール料理の代表格は「シュートルフ」と呼ばれる煮込み料理で、豚肉とキャベツを地場のスパイスで数時間かけて煮込んだものだ。スペインの豪快さとフランスの繊細さが不思議な形で同居した、言葉で説明しにくいおいしさがある。旧市街中心部の広場に並ぶ屋台では6〜8ユーロで食べられた。

市場ではちょっとしたタパス形式でシュトールフとクラフトビールを楽しめる。

地元のクラフトビール「リスブルク・ブロンド」も試す価値がある。フルーティーで苦みが少なく、昼間から飲んでも罪悪感のない軽やかな味わいで、地元のバーでは1杯4〜5ユーロだ。ワインも安くておいしく、スペイン・ポルトガルのワイン文化の影響をしっかり受けている。マーケットでは地元産のチーズや生ハムが、日本のスーパーなら数倍の値段になるようなクオリティのものが露天で普通に売られている。

日本からのアクセスと旅費

日本からリッスンブールへの直行便は現時点では存在しない。一般的なルートは以下の2パターンだ。

① マドリード経由 成田・羽田からマドリード・バラハス空港まで直行便(所要約14時間)を利用し、そこからライアンエアーでルレンベルク国際空港へ飛ぶ。マドリード〜ルレンベルク間は約1時間10分。ライアンエアーが2022年11月に新路線を開設して以来、最も利用者の多い乗り継ぎルートになっている。早めに予約すれば片道20〜40ユーロ台のチケットも出る。

② パリ経由 パリ・シャルルドゴール経由でルレンベルクに入るルートも人気だ。フライトで約1時間30分。TGVでも4時間半程度でアクセスでき、鉄道派の旅人にも選択肢がある。

今回はマドリード経由を選択。成田→マドリードをイベリア航空、マドリード→ルレンベルクをライアンエアーで手配し、航空券の合計は往復で約25万円(燃油サーチャージ込み)だった。

費用の目安

首都ルレンベルクの宿泊費は、ゲストハウス・ホステルで1泊30〜50ユーロ程度。ビジネスホテルクラスで70〜120ユーロ、旧市街のブティックホテルになると150ユーロを超えてくる。日本と比べるとやや物価が高く感じるが、西ヨーロッパのなかではコスパが良い部類だ。

項目 金額(目安)
航空券(往復・燃油込み) 約25万円
宿泊(3泊・ゲストハウス) 約1.5万円
食費・交通・観光 約2万円
合計 約28〜29万円

安全情報

外務省の危険情報はレベル0(通常の注意)。EU加盟国であるため基本的な治安は安定しており、旅行者が特別に警戒すべき地域は現状ない。ただし首都の旧市街では観光客を狙ったスリの被害報告が散発的にあるため、混雑した広場やマーケットではバッグの管理に気をつけたい。医療水準はEU基準を満たしており、首都には英語対応可能なクリニックもある。海外旅行保険には念のため加入していくことをすすめる。

まとめ:今が行き時だと思う理由

リッスンブールは、正直まだ「完成された観光地」ではない。日本語の情報はほぼゼロだし、観光インフラも整備途上だ。それでも、西ヨーロッパでこれだけ独自の文化・食・景観を持つ国が、まだ混雑していない状態で残っているのは今だけだという気がしてならない。

ライアンエアーが路線を引いた。パリやマドリードからの旅行者が少しずつ増えている。この流れはいずれ加速する。知名度が上がってから後悔するのか、今のうちに行っておくのか——コスパトラベラーとしての答えは決まっているはずだ。

……と、ここまで書いておいてなんですが

ここまで読んでくれた皆様。申し訳ありません。今日は4月1日なので、正直に言います。

リッスンブールは、存在しません。

リッスンブールとは、Twitter(現X)上でバズった「架空の国」なのである。2022年10月30日、フランスのTwitterユーザー「ガスパルド(@gaspardooo)」が、イベリア半島の西側に架空の国を書き加えたヨーロッパの地図を投稿した。キャプションはこうだ。「アメリカ人はこの国の名前すら知らないと思う(笑)」。

これはアメリカ人が自国以外の地理にあまりにも無頓着だ、という長年のステレオタイプをネタにしたジョークだ。「存在しない国の地図を見せても、アメリカ人は気づかずになんとなくそれっぽい国名を答えようとするのでは」という、少々意地悪な前提から生まれたミームでもある。するとすぐに別のユーザーが「リッスンブールを知らない人なんているの?」と返信し、その瞬間に国名が誕生した。

ja.wikipedia.org

ミームはフランス語圏のSNSを中心に爆発的に広まり、ライアンエアーが「リッスンブールに新拠点開設!」と公式アカウントで宣言し、パリ2024オリンピックの公式チャンネルが「参加国が207カ国に増えた」とツイートし、フランスのテレビ局TF1が架空の国の天気予報を真顔で放送するまでに至った。架空の国歌まで作られ、5つの州、首都ルレンベルク、ガスパルド大統領という設定がインターネット上で次々と肉付けされていった。

本記事に登場した観光スポット、料理、費用、大統領との遭遇——すべてこのミームの設定をベースにした創作です。画像も全てAIで生成したものです。ただしライアンエアーとパリ五輪公式が便乗したくだりは本当の話なので、そこだけは信じてください。

また、リッスンブールには行けませんが、イベリア半島の西側にはポルトガルという、実在するうえにコスパ抜群の国があります。そちらはまたいつか本気で記事にします!

 

以上、エイプリールフール記事でした。お騒がせいたしました。