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中国でドローンフードデリバリーを注文してみた!美団無人機の登録方法・利用の流れ・注意点を徹底解説【深圳・ドローン配達】

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中国・深圳でドローンが食事を届けてくれるサービスを実際に体験してきた。注文の仕方から受け取りまでの一部始終と、使ってみて分かった注意点について詳しくレポートする。

美団無人機とは——中国が本気で進める「空の物流」

美団(Meituan)といえば、中国最大級のフードデリバリープラットフォームだ。日本でいえばUber Eatsと出前館を合わせたような存在で、中国国内では圧倒的なシェアを誇る。

その美団が近年力を入れているのが、ドローンによる自動配送サービス「美団無人機」だ。人手を介さず、ドローンが飲食店から直接指定の受け取りポイントまで料理を届ける仕組みで、現在は深圳を中心に実証運用が進められている。

「低空経済」というキーワードとともに、ドローンを活用した空の物流インフラを都市に根付かせようという、中国政府も後押しする国家レベルのプロジェクトだ。すでに政府機関の認可を受けており、実験段階というよりも実用化フェーズに入りつつある。

今回の舞台——深圳・后海の人材公園

今回このサービスを体験したのは、深圳・南山区の后海エリアにある人材公園だ。テンセント本社をはじめとするIT企業が立ち並ぶ后海は、深圳の中でも特に先端的な雰囲気が漂うエリアだ。その一角に、美団無人機の専用受け取りステーションが設置されている。

白と黄色のカラーリングが目を引くステーションは、見た目はちょっとした自動販売機のようだ。屋上にはドローンの着陸パッドと気象観測機器が備わっており、ドローンが戻ってくると自動で荷物を格納する仕組みになっている。

近くには「美団無人機外卖飞着来(美団ドローンデリバリーが飛んでくる)」と書かれた大きな看板があり、KFC、マクドナルド、CHAGEE(霸王茶姬)、蜜雪冰城などのロゴが並んでいる。ただしこれはあくまで一例で、実際にアプリを開いてみると対応している飲食店はかなり多く、ファストフードから中華料理、スイーツまでバリエーション豊かに揃っていた。

そして特筆したいのが、このスポット自体の雰囲気だ。背後にはテンセントをはじめとする摩天楼群がそびえ立ち、その眼前でドローンが頭上を飛び交う——いまや一種の観光スポットとして人が集まる場所になっていた。

筆者はここにレジャーシートを敷いてピクニックを楽しんでいたのだが、それ自体が実に深圳らしい過ごし方だと感じた。お腹が空いたらドローンに頼む、というのはエンターテインメントとしての完成度が高い。

注文方法——WeChat経由のミニプログラムで完結

注文はすべてWeChatのミニプログラム上で行う。現地のQRコードをWeChatでスキャンすると「美団无人机」のミニプログラムが開き、そのまま注文できる。

手順はこうだ。

①ミニプログラムを開く 現地のQRコードをスキャンするか、WeChatで「美团无人机」を検索してミニプログラムを起動する。受け取りポイントが自動的に「人材公園無人機空投柜」に設定される。

②店舗・メニューを選ぶ カテゴリは「快餐簡餐(ファストフード)」「奶茶(ミルクティー)」「中式正餐(中華料理)」「全球美食」などに分かれており、対応店舗から好みのメニューを選ぶ。今回は「遇見小面」という重慶スタイルの麺専門店で「红碗豌杂面」を注文した。

③カスタマイズと追加オーダー 辛さや薬味の有無、サイドメニューの追加などを選択できる。また「需要餐具包(箸などの食器あり)¥0.2」か「无需餐具包(食器不要)¥0」かも選べる。公園で食べるなら食器ありを選んでおくほうが現実的だ。

④受け取り場所を確認して注文確定 配送先は「美团人才公园无人机空投柜」が自動入力される。内容を確認して「提交订单(注文する)」をタップ。

注文確定前に、合計金額を確認しよう

⑤支払い WeChatPayで支払う。今回の合計は¥52(麺¥40.8+食器¥0.2+梱包費¥1+配送料¥10)。

外国人には高い壁——中国電話番号の取得が必須

ここで重要な注意点がある。美団の利用には中国の電話番号(+86)での登録が必須だ。WeChat自体は外国の電話番号でも使えるが、美団のミニプログラムは中国番号のアカウントでないと利用できない。

筆者の場合、eSenderというサービスを利用して中国の電話番号を取得している。このサービスの詳細や登録方法については別記事で詳しく解説しているので、そちらを参照してほしい。

www.kosupatravel.com

また注文画面は基本的に中国語のみで、英語表示への切り替えはない。メニューの読み解きに不安がある場合は翻訳アプリを併用しながら進めるとよいだろう。

注文後の流れ——リアルタイムで追跡できる

支払いが完了すると、アプリ上に配送状況がリアルタイムで表示される。

まず「商家正在备餐、无人机已接单(店舗が調理中、ドローンが受注)」という表示とともに、地図上にドローンのアイコンが現れる。続いて「无人机取货員正赶往起飞点(取货員が起飞点へ向かっている)」という表示に変わり、やがて「无人机正在送货(ドローン配送中)」となって地図上でドローンが動き出す。

「距您806m・3分钟(あなたまで806m・3分)」という表示が出たしばらくした頃、実際に空を見上げるとドローンが飛んでくる姿を肉眼で確認できた。注文から約30分程度での到着だった。

受け取り——ステーションのボックスを開けるだけ

ドローンが着陸すると、ステーションのボックスに荷物が自動格納される。アプリの通知に従って該当のボックスを開けると、美団ロゴの入った白と黄色の専用ボックスに料理が収められていた。

端末に、登録電話番号の下4桁を入力して受取人照合をする

このボックスはリサイクル前提の設計になっており、使用後はステーション横の回収ボックスに折り畳んで返却するよう案内されている。

いざ実食——摩天楼を背にピクニック

受け取った红碗豌杂面と一緒に注文したレモンティーを持って、芝生に戻った。今回は汁物の注文だったが、恐る恐る容器を開けると、全く問題なくホカホカの料理とお茶が待っていた。

重慶風の混ぜ麺は、肉味噌と豌豆(えんどう豆)、ピーナッツがたっぷり乗った食べ応えのある一品だ。摩天楼を背景に、ドローンが届けてくれた料理を青空の下で食べる——この体験自体が、すでに非日常だった。

正直な感想——エンタメとしては最高、実用性はまだこれから

面白い体験だったのは間違いない。しかし実用面でいえば、現状は正直なところ今ひとつというのが率直な感想だ。

ドローンはまだ受け取りスポットが限られており、配送にかかる時間も決して短くない。配送手数料も通常配達と比べて割高感がある。ちなみに、実はドローンデリバリーとほぼ同じタイミングで、通常の美団配達員による注文も試してみた。結果、そちらのほうがあっさり早く届いた。

摩天楼を眺めながら芝生でピクニックをして、お腹が空いたらドローンに持ってきてもらう——そういう文脈で楽しむ分には、エンターテインメントとしての完成度は十分に高く、現に中国国内外からの観光客が見物に来る一大観光スポットになっていた。

ただ、日常的に使いたいかと問われると、まだそこまでではない。今後、任意のスポットで受け取れるようになり、対応エリアと対応スポットが広がれば、実用的な価値も大きく上がるはずだ。深圳という都市がそこまで到達するのも、そう遠くない未来のような気がした。

まとめ

ドローンデリバリーはまだ過渡期のサービスだ。スポットは限られ、時間もコストも通常配達より不利な部分がある。しかしだからこそ、今この瞬間に試しておく価値がある。数年後には当たり前になっているかもしれないサービスの「黎明期」を、自分の目と舌で体験できるのは今だけだ。

深圳・后海の人材公園は、摩天楼の景色を楽しみながらピクニックができる気持ちのいいスポットでもある。レジャーシートを持参して、のんびりしながらドローンを待つ——そんな過ごし方を、ぜひ一度試してみてほしい。