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【新店速報】門前仲町にウイグル・中央アジア料理の新星がプレオープン!コアな現地メニューを楽しめる「YurTuz Lounge」潜入レポート

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ここ最近、Xの「界隈」がひそかにざわついていた。「門仲あたりにウイグル・中央アジア系の店ができたらしい」——そんなボソッとした呟きが流れていたのだ。ウイグル&中央アジアと聞いて、一介のシルクロード旅行マニアとして黙っていられるわけがない。矢も楯もたまらず、早速現地へ向かってみたので、お店の感想をレポートする。

まだオープン2週間。それでも「ファン」はもう嗅ぎつけていた

YurTuz Lounge。門前仲町駅から徒歩数分、住宅街の一角にその店はある。

扉のポスターには「Soft Opening Special!プレオープン期間限定!20%OFF」とある。まだ正式オープンの時期すら未定という、文字通り生まれたてホヤホヤのウイグル料理店だ。

店内に入ると、ウイグル人のスタッフさんたちがフレンドリーに迎えてくれた。木目調のダークなテーブル、観葉植物、アンティーク調のペンダントライト——カフェ寄りの洗練された内装が広がる。2階は旅館「SUZURI」で同じく新OPEN。このレストランがチェックインカウンターも兼ねているのだという。

そして壁には大判の世界地図。すでにオレンジ色のピンがそこここに刺さっている。ヨーロッパ、中東、東アジア、東南アジア……開店2週間でこれだけのピンが集まっているのは、ゲストハウスを兼ねているこの場所ならではかもしれないが、それ以上に「ウイグルファンを呼ぶ」店になっているからだろうか。実際、訪問時にいた先客も、どこかしら中国や中央アジアに縁のある雰囲気の方々だった。

上野に系列店があり、門仲店ではより家庭料理らしいメニューを提供するコンセプトとして差別化を行っているとのこと。

メニューをざっと見る

ウイグル風サムサだけで3種類が並ぶ時点で、この店の本気度がわかる。5個以上注文すれば焼きたて対応というのも嬉しい。

飯ものはウイグルポロを筆頭に、大盘鶏米饭、辣皮子牛肉米饭など1,480〜1,680円台で揃う。麺類は手打ちラグメン、丁丁炒面、ウイグル風干し焼きそば(干煸炒面)、シルクロードスパイシー焼きビーフン、ウイグル冷麺と幅広い。

個人的には大盤鶏がおひとり様サイズで注文できる点が非常に嬉しい。当然、大盤サイズ(2980円)のメニューもあるので、複数人で利用する場合にも困らない。ただ、今回は店舗のイチオシらしいポロとサムサを注文してみることにした。

実食①:ウイグルサムサ(羊肉)

今回注文したのはまずウイグルサムサ(羊肉)。三角形にきっちり成形された、層状のパイ生地サムサだ。表面には黒ゴマが散り、きつね色に焼き上がっている。

このサムサを手がけているのは、上野系列店に在籍するウズベキスタン人シェフ。よって、名前こそウイグルとついてはいるが、実際にはウズベキスタンのサムサに近いのだという。ウイグル風サムサと比べ製法に手間がかかるため、金額が少し高めに設定されているのだとか。

かじると、まずパリッという軽い音がして、幾重にも重なった生地が崩れる。続いて肉汁。そして中にはしっかりと旨みを感じる羊のミンチのフィリング。素朴ながらも確かな旨みがある。

ちょうど先週ウズベキスタンから帰国したばかりだったこともあり、脳が旅の延長戦だと錯覚しかけた。本場感、嘘がない。

実食②:ウイグルポロ(羊肉)

続いてウイグルポロ(羊肉)。お馴染み、ピラフのルーツであるとかないとかで知られる、中央アジアを代表する米料理だ。大きな白い皿に、ほんのりオレンジがかったご飯が盛られ、その上にゴロゴロとした羊肉の塊が鎮座する。小皿に添えられたニンジンの和え物もセット。

一口食べて思うのは、静かな甘みと油の旨み。にんじんの甘さがご飯に溶け込み、羊の脂がコクを添える。派手ではないが、食べ進めるほどに奥行きが出てくる。

ウイグル料理屋に行く度に毎回感じることなのだが——中華的文脈の「西北料理」としてのウイグル料理(大盤鶏や丁丁炒め麺など)はスパイシーでインパクト重視の印象がある。一方、中央アジア共通料理としてのウイグル料理(プロフ、サムサなど)は、驚くほど優しい味わいだ。

ここのポロも、アジアのディープグルメを求める大人はもちろん、意外と子供の舌をも唸らせるポテンシャルがあるのではないか、と想像するほどに、とにかく優しさとまろやかさを感じる自然派な味付けだった。

同じ「ウイグル料理」でも、どの文脈で語るかで全く別の顔を見せる——YurTuzのメニュー構成は、まさにその両面を一店で体験できるようになっていると言えよう。

テイクアウトでウイグルサムサも。食べ比べてわかるスタイルの違い

帰り際、ウイグル風のサムサ(こちらは本当にウイグル風:パイ生地を使用せず、もちっとした質感)もテイクアウトさせてもらった。カウンター脇の二段バスケットには焼きたての包子が並んでおり、厨房から漂う香りがなかなかに罪深い。

ウズベク風サムサとウイグル風サムサは、見た目も生地の構造も異なる別キャラクターだ。後者は、日本国民にとってのおにぎりのような立ち位置で、ウイグルでは家庭料理として気軽に作られ、食べられるファストフードなのだと説明をいただいた。

両方食べ比べることで、同じ「サムサ」という名前が指し示す料理の幅広さが体でわかる。このあたりの多様性を一店で体験できるのが、YurTuzの地味にすごいところだと思う。

街に溶け込むウイグル酒場?

レストランについて話を聞いていて、個人的に一番響いたのはここだ——「街と仲良くやっていきたい」という姿勢。筆者個人の印象として、在日の中国系・中央アジア系飲食店は、よく言えばディープ、悪く言えば内輪で完結しがちなイメージがある。同じコミュニティの人たちがワイワイ集まる場所、という構図だ。それ自体は悪いことではないが、YurTuzはそこに留まろうとしていない。

20時以降は、飲みシーンを考慮し少しムーディーな照明に切り替える構想とのこと

門前仲町というエリアを見渡すと、深夜0時を越えて営業している飲食店は意外と少ない。UberEatsのデリバリー対応も含め深夜1〜2時まで稼働し、今後はアルコール提供も計画しているというのは、地元の夜の受け皿になろうとする意志の表れでもある。ハラルレストランでありながら地域の酒場的機能も担う、というハイブリッドなスタンス。ウイグル現地ではまずお目にかかれない「お酒を飲みながらウイグル料理」という組み合わせが、門仲で実現しようとしているというのは非常に興味深い。

総括:異文化の交わる「交易路」が、門仲の地に築かれる

プレオープン20%オフという条件で本格的なウイグル料理が食べられるこのタイミングは、正直かなりおいしい。ウイグルや中央アジア料理に少しでも関心がある人なら、即行く価値がある。正式オープンに向けてメニューをさらに増やしていくという話も聞いており、期待は高まるばかりだ。

そして個人的には、食の質と同じくらい、この店の立ち位置のあり方が気になっている。地元民と旅人、ハラルと酒——かつて東西をつないだ承認の交易路、シルクロードの通過点として機能してきたウイグルの気質が、まさにこの店ににじみ出ているようで、そのことにロマンを感じざるを得ない。

大盤鶏はまだ食べていない。ラグメンも、ウイグル冷麺も、丁丁炒面も残っている。正式オープンまでに何度通うことになるか、自分でも少し末恐ろしい。

 

YurTuz Lounge 店舗情報

  • 📍 〒135-0045 東京都江東区古石場1-1-5 鈴木ビル1F
  • 🚇 東京メトロ東西線・門前仲町駅より徒歩約5分 & JR京葉線・越中島駅より徒歩3分
  • ⏰ ランチ&ディナー行(深夜1〜2時頃まで・詳細は要確認)
  • 🛵 UberEats対応
  • 💰 プレオープン期間中 全品20%オフ

※このレストランに併設の旅館「SUZURI」は下記よりチェック!