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乗り継ぎ便出発まで残り4時間なのにまだ日本!羽田→ソウルのはずが関空に緊急帰還した危機的状況で、根性で仁川空港トランジットを成功させた話

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今回の旅の目的地は、中央アジアのウズベキスタン・タシュケント。

利用したルートは、羽田→仁川(ピーチ MM809)→タシュケント(Centrum Air C6550) という2レグ構成だ。日本からウズベキスタムへの直行便は現在就航していないため、どこかで乗り継ぎが必要になる。仁川経由はその中でも定番ルートのひとつで、韓国系やウズベキスタン系のLCCが格安で繋いでくれる。

ピーチMM809の定刻は深夜1:55発、仁川4:40着。仁川からCentrum Airでのタシュケント行きは12:40出発で、レイオーバーは8時間。乗り継ぎ時間としては十分すぎるほどの余裕があったので、空港を出てソウル近郊で美味しいご飯でも食べてこようか——などと、出発前日まで呑気に考えていた。

まさかその計画が、思わぬ形で崩れることになった。今回は、そんな危機的状況についての一部始終を、今後同様の旅程を組む方々に向けての教訓として捧げるべく、記事にまとめることにした。

深夜の空港、最初の異変

出発当日の深夜、羽田空港に着くと、掲示板にはすでに1時間の遅延が表示されていた。

定刻1:55時発が、3時発に。仁川到着も5時前から6時頃にずれ込む計算だ。

嫌な予感がないわけではなかったが、それでも乗り継ぎまではまだ約7時間ある。1時間くらいどうにでもなる——そう自分に言い聞かせ、チェックインを済ませた。便は結局、定刻より1時間遅れで出発。飛んでしまえばこっちのもの。そう思って、機内でそのまま眠りについた。

「仁川に降りられない」

目を覚ますと、5時を過ぎたところだった。そろそろ仁川に着いてもいい時間のはずだ。

ところが、飛行機はいっこうに降下する気配がない。しばらくして、機内アナウンスが流れた。

「仁川空港周辺が濃霧のため、現在上空で待機しております」

飛行機は仁川上空をぐるぐると旋回し始めた。霧が晴れる様子はないらしく、この時点で5時半を過ぎている。Centrum Airのチェックインクローズは12時前後——まだ6時間以上あるはずなのに、嫌な予感が強まった。

そして再びアナウンス。

「このままでは着陸が困難なため、関西国際空港へダイバートいたします」

ここで「ダイバート(代替着陸)」について簡単に説明しておくと、悪天候や機材トラブルなどにより目的地空港への着陸が不可能と判断された場合、あらかじめ設定された代替空港へ着陸することを指す。今回の仁川のように霧による視界不良は、ダイバートの典型的な原因のひとつだ。

それにしても——関空?

近隣の代替空港として真っ先に思い浮かぶのは大邱や釜山(いずれも韓国)だろう。あるいは出発地の羽田に引き返すケースもある。なぜ関空なのかは結局よくわからなかったが、とにかく飛行機は大阪へ向かった。

関空に着陸、しかし降りられない

結局、関空に着陸したのは朝7時頃

しかしそこからさらに動けなくなった。イレギュラーな着陸のためか、地上からの受け入れ指示がなかなか来ないという。乗客全員が機内に缶詰めのまま、ただ待ち続ける状況だ。

頭の中でシミュレーションが走り始める。

このままピーチ便が仁川への再チャレンジを試みてくれれば、まだ間に合うかもしれない。仁川着が9時半〜10時になったとしても、チェックインクローズまで1時間強は残る。でも、それに賭けるのはリスクが高い。再チャレンジが失敗したら、あるいは出発がさらに遅れたら——タシュケント行きのCentrum Airには乗れなくなる。

しびれを切らして客室乗務員に尋ねた。「この後、どうなりますか?」

返ってきた答えは「地上からの指示がなく、私たちにも全くわかりません」。

7時半、即断:自腹で別便を予約する

悩んでいる時間はなかった。

ピーチ便での仁川再チャレンジは諦め、自費で別便を予約することに決めた。

ここで重要な前提がある。今回の乗り継ぎは自己手配のトランジット——ピーチとCentrum Airを別々に予約した、いわゆる「自分でつないだ乗り継ぎ」だ。航空会社が異なるため、ピーチが遅延・キャンセルになってもCentrum Air側は一切の責任を負わない。乗れなければ全額自己負担でアウト。こういう乗り継ぎをする際は、このリスクを常に頭に入れておく必要がある。今回まさにそのリスクが現実になったわけだ。

嘆いていても仕方ない。お金がかかっても旅程を守るしかない。

スマホで検索すると、あった。済州航空7C1396、9時発・仁川11時着。チェックイン締め切りまであと30分にもかかわらず、まだかろうじて残席があった。今から急げば乗れる時間だ。

ただし仁川到着は11時。Centrum Airのチェックインクローズまで40分しかない。さらに今回の乗り継ぎは一度入出国が必要になる——航空会社をまたぐ自己手配の場合、乗り継ぎであっても入国審査を通過して荷物を再チェックインし直す必要があるからだ。果たして間に合うか?

ギリギリだが、やるしかない。すぐに予約を完了させた

あとはとにかく降機するだけだ——しかし、まだ降りられない。「新しい便を予約したので降りたい」と伝えても、「いつ降りられるかわかりません」。時計の針だけが進んでいく。

7時55分、残り5分

そんなやり取りをしていると突如、アナウンスが流れた。「正式にキャンセルが決定しました。降機をお願いします」

済州航空のチェックインクローズまで、残り5分

ここで助けてくれたのが、事情を把握してくれていた客室乗務員だった。私が別便を予約済みで時間がないことを知っていた彼女が、優先的にダッシュで降ろしてくれ、カウンター付近まで一緒に走りながら案内してくれた。本当に助かった。

何とかカウンターチェックインに滑り込み、その後無事に搭乗。済州航空で仁川へ向かった。

11時10分、仁川。30分の攻防

その後仁川に着いたのは少し遅れての11時10分頃。今回は霧による着陸トラブルは発生しなかった。

しかし、Centrum Airのチェックインクローズまで、残り約30分

急いで入国審査へ向かう。ここで大きな味方になったのが、韓国で最近導入されたばかりの自動化ゲートだ。指紋・顔認証による自動入国審査で、初回は登録が必要なものの、それを含めても所要時間は約10分程度。通常の有人カウンターでは列に並ぶだけで30分近くかかるケースもあった仁川で、この10分は文字通り命綱だった。これがなければ完全に詰んでいた。

自動入国審査の初回登録列。このシステムのお陰で従来よりも圧倒的短時間で入国が可能になった。

結果的に、スムーズに入出国を終えられ、Centrum Airへのカウンターチェックインに間に合い、タシュケント行きの旅程は破綻せずに済んだ。

後日談

後日、ピーチから補償として関空〜羽田間の交通費として一律18,000円が支給された。

さらに驚いたことに、自腹で予約した済州航空の運賃がピーチの運賃より安かった。結果的にダイバートがあったにもかかわらず、当初より安い金額で韓国まで移動できたことになる(交通費支給分を差し引くと、結果的に羽田から仁川まで5000円程度で移動したことになる)。もちろんヒヤヒヤしたことには変わりないが、災い転じて福となす、というべきか、財布的には悪くない結末だった。

ちなみに今回の「濃霧による影響」で欠航・大幅遅延になったのはベトジェットやT’Wayなど一部のLCCにとどまっており、その朝全体でみれば通常運航していた便がほとんどだった。「濃霧」とひとくちに言っても、航空会社や使用機材によって対応できる視界の基準(いわゆるCAT等級)が異なるため、こういった差が生まれることはある——とはいえ、やはりこういった影響はLCCほど強く受けやすいのだろうか。少し釈然としない気持ちも正直あった。

まとめ

今回なんとか旅程を守れたのは、即座の判断と、そして運の積み重ねだったと思っている。

  • ダイバート先が、代替便の豊富な関空だったこと
  • ちょうどいいタイミングで済州航空の便が存在していたこと
  • チェックインギリギリで降機できたこと
  • 仁川に自動化ゲートが導入されていたこと

どれか一つが欠けていても、タシュケント行きはアウトだった。

乗り継ぎを自己手配でつなぐ旅のスタイルは、うまくいけばコストを大幅に抑えられる半面、今回のようなリスクが常につきまとう。「何かあったときにどう動くか」を事前にイメージしておくこと、そしていざとなれば自腹でリカバリーする覚悟を持っておくことが、こういう旅をする上での最低限の心構えだと改めて実感した。

それにしても次は、もう少し落ち着いた旅をしたいものである。