
オーストラリアは、他国と比べてドローン規制が非常にシンプルで、観光客にとって飛ばしやすい国の一つです。レジャー目的であれば機体登録も不要で、ライセンスも必要ありません。ただし、守るべき安全ルールは明確に定められています。
この記事では、オーストラリアでドローンを飛ばす際に知っておくべき規制と、実際に飛行する際の注意点を詳しく解説します。
オーストラリアのドローン規制の特徴
オーストラリアの航空安全を管轄するCASA(Civil Aviation Safety Authority)によって、全国統一のドローン安全ルールが定められています。
レジャー飛行の場合の大きなメリットは、機体登録が不要であることです。これは250g未満のマイクロドローンだけでなく、全ての重量のドローンに適用されます(25kg以下)。ライセンスや操縦者認定も必要なく、年齢制限もありません。適切な監督下であれば子供でもドローンを飛ばすことができます。
基本的な飛行ルール

オーストラリア全土で適用される基本ルールは以下の通りです。これらのルールはCivil Aviation Safety Regulationsのパート101を簡略化したものです。
高度と距離: 地上120m以下での飛行が義務付けられています。ドローンは常に他人から最低30m以上離して飛行させる必要があり、人の上空を飛行させることは禁止されています。これはビーチ、公園、イベント会場、スポーツの試合中のグラウンドなども含まれます。
飛行条件: 日中のみの飛行が許可されており、夜間飛行は原則禁止です。一度に操縦できるドローンは1台のみで、複数機の同時飛行はできません。ドローンは常に目視範囲内(Visual Line-of-Sight)に保つ必要があります。これは、デバイスやスクリーン、ゴーグルを通してではなく、自分の目で直接ドローンを見ることができる状態を意味します。雲、霧、煙の中を飛行させることはできません。
禁止事項: 他の航空機、人、財産に危険をもたらすような方法での飛行は禁止されています。他人のプライバシーを尊重することも求められます。救急、警察、捜索救助、消防活動など、公共の安全に影響を与えるエリアや緊急作業が行われている場所の上空や近くを飛行させることはできません。
空港周辺での飛行ルール
空港周辺の規制は、ドローンの重量によって異なります。250g超のドローンは、管制塔のある空港(Controlled Airport)から5.5km以内での飛行が禁止されています。
250g以下のドローンは、管制塔のある空港から5.5km以内でも、高度45m以下であれば原則飛行可能とされています。ただし、細かい空域ルールが定められているほか、空港の境界内に入ることはできず、他の航空機に対して危険を生じさせてはいけません。
重量に関わらず、滑走路のアプローチ経路(進入路)や出発経路からは離れる必要があります。管制塔のない小規模空港の5.5km以内では飛行可能ですが、有人航空機が近づいてきたことに気づいた場合は、速やかにドローンを移動させて安全に着陸させる必要があります。
ヘリコプター着陸地点から1.4km以内で、ヘリコプターが離着陸しているまたは近くにいることに気づいた場合も、ドローンを移動させて安全に着陸させてください。
CASA認証のドローン安全アプリ(OpenSkyアプリなど)をダウンロードして使用することで、飛行禁止区域や制限空域を事前に確認できます。これらのアプリは、空港周辺、ヘリポート、緊急作業エリアなどの情報をリアルタイムで提供するので、必ず活用しましょう。
州・準州ごとの追加規制

CASAの全国ルールに加えて、各州や準州、さらには地方自治体ごとに独自のドローン規制がある場合があります。特に国立公園(カカドゥ国立公園など)、海洋保護区、コンサートやスポーツイベントなどの特別イベント会場、刑務所施設の近くなどでは、追加の制限や完全な禁止措置が取られていることがあります。
各州で規制の内容が異なるため、飛行予定地の州政府または地方自治体のウェブサイトで最新のドローン規制を必ず確認してください。国立公園など特定のエリアでドローンを使用する場合、事前に許可(Permit)を取得する必要があることがあります。また、これらのルールは予告なく迅速に変更される可能性があるため、定期的な確認が重要です。
主な州の規制情報は、NSW(ニューサウスウェールズ州)、ビクトリア州、クイーンズランド州、西オーストラリア州、南オーストラリア州、タスマニア州、ノーザンテリトリー、ACT(オーストラリア首都特別地域)のそれぞれの政府ウェブサイトで確認できます。
違反した場合の罰則と商用飛行
ルールに違反した場合、CASAは1件の違反につき最大1,650豪ドルの罰金を科すことができます。裁判所に持ち込まれた場合、最大16,500豪ドルの罰金が科される可能性があります。危険な飛行や明らかなルール違反を目撃した場合は、CASAに報告することができます。
仕事や商用目的でドローンを飛ばす場合は、追加のルールが適用されます。2kg未満のドローンで商用飛行する場合は「excluded」カテゴリーとして飛行できますが、飛行前にCASAへの通知が必要で、標準操作条件内で運用する必要があります。標準操作条件外で飛行する場合は、リモートパイロットライセンス(RePL)を取得し、認定オペレーターのもとで飛行する必要があります。
実践的なアドバイス
飛行前には、目的地の具体的な規制を事前にリサーチしましょう。国立公園、海洋保護区、イベント会場など、特別なエリアでは追加の制限がある可能性があります。CASA認証のドローン安全アプリをダウンロードし、飛行予定エリアの最新情報を確認してください。
飛行時は30m以上の距離を保つルールを厳守し、人がいる場所では特に注意が必要です。ビーチ、公園、スポーツイベントなど、人が集まる場所では飛行を控えましょう。プライバシーに配慮し、他人を撮影する場合は同意を得るようにしてください。これは州法に抵触する可能性があります。天候条件を確認し、視界が悪い場合(霧、雲、煙など)は飛行を中止しましょう。緊急車両やヘリコプターを見かけたら、速やかにドローンを着陸させてください。
オーストラリアでの飛行には、250g以下のドローンが特に便利です。空港から5.5km以内でも45m以下であれば飛行可能という規制上のメリットがあります。DJI Mini 4 ProやDJI Mini 3 Proなどの249gドローンは、持ち運びやすく、規制上の制限も少ないため、観光目的の撮影に最適です。
まとめ
オーストラリアのドローン規制は、他国と比較すると非常にシンプルで、レジャー目的であれば登録やライセンスも不要です。ただし、基本的な安全ルールは厳格に守る必要があり、違反した場合は高額な罰金が科される可能性があります。
オーストラリアの美しい自然や都市景観をドローンで撮影する際は、これらのルールを守り、安全で責任ある飛行を心がけてください。適切なルールの遵守により、素晴らしい空撮映像を合法的に楽しむことができます。
免責事項 本記事の情報は執筆時点のものです。オーストラリアのドローン規制は予告なく変更される可能性があります。実際の飛行前には、CASAの公式ウェブサイト(https://www.casa.gov.au/)および飛行予定地の州・地方自治体の最新情報を必ず確認してください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる問題についても、筆者は一切の責任を負いません。