ウズベキスタン行きの航空券を探していると、見慣れない航空会社の名前に出くわすことがある。CentrumAir(セントラムエア)——聞いたことがない。少なくとも筆者は初耳だった。日本語の情報はほぼゼロ、英語でも大手レビューサイトの口コミはまばらだ。「これ、本当に飛ぶのか」「乗って大丈夫なのか」——そんな一抹の不安を抱えながら、今回あえてこの航空会社を選んでみた。その搭乗レポートをお届けする。
CentrumAirとは

Centrum Air(セントラムエア)はウズベキスタンを拠点とする航空会社で、タシケントと東アジア・東南アジアを結ぶ路線を運航している。日本からウズベキスタンへ向かう場合、直行便は実質使えないため韓国・中国などを経由するのが一般的だ。その韓国経由ルートで仁川→タシケントの最安値帯を検索すると、ほぼ必ずCentrumAirが顔を出す。価格面での存在感は抜群だ。
LCCなのかと言われると、厳密な分類は難しい。格安運賃を売りにしている点ではLCC的だが、機内食が提供されたり大型機を使ったりと、FSCに近い部分もある。強いて言えば「格安のフルサービス寄り」といったポジションだろうか。いずれにせよ、価格が魅力であることは間違いない。
チェックイン〜搭乗手続

実は不安の種は搭乗前からあった。チェックインカウンターに向かうと、システム不具合とやらでチェックイン手続き自体が遅れているという。出発前からこの調子か——と、幸先の悪さを感じずにはいられない。

ようやくチェックインを済ませてゲートへ向かうと、106番ゲートの案内板にはしっかり「TASHKENT Boarding」の表示。ひとまず欠航ではないことを確認してほっとする。待合エリアにはウズベキスタン系と思われる乗客が多いが、よく見ると日本人旅行者もちらほらいる。ウズベキスタンへの旅行者が着実に増えているのを感じる。

搭乗が始まると、ボーディングブリッジの窓からCentrumAirの機体が見えた。白地にピンクのアクセントが入った、なかなかポップなカラーリングだ。機体は大型のワイドボディ機——A330系で、思ったより立派だった。「格安の小型機が飛んでくる」という最悪のシナリオは回避されたようだ。
機内に入ってみると

座席に着いて機内を見渡すと、予想外にきれいな印象だ。全席に個人モニターが備わっており、赤いヘッドレストとグレーのシートが整然と並んでいる。シートピッチはLCCほどの窮屈さはなく、標準的なエコノミーの水準だ。座席下にはUSBポートが備わっており、スマートフォンの充電には困らない。

ただし、モニターは完全なダミーだ。画面ではなく、マスコットキャラクターとSNSアカウントが印刷されたシールがただ貼られているだけ。何のためにモニター型の枠を設けたのかは謎で、「フォローしてね」とウィンクするキャラクターに思わずツッコミを入れたくなる。

エンターテインメントは機内Wi-Fiに接続して自分のスマートフォンやタブレットで楽しむ形式だ。ラインナップには「Barbie」「The Intern」など見知ったタイトルも並んでおり、コンテンツ自体は悪くない。USBで充電しながら自分のデバイスで視聴するスタイルで臨むのがベターだ。
ひとつ注意しておきたいのがブランケットだ。7時間ほどのフライトにもかかわらず、ブランケットの提供はない。機内は冷えることがあるので、羽織れるものを手荷物に入れておくなど、寒さ対策は各自でしておくべきだろう。
ドリンクサービスと機内食
しばらくすると乗務員がドリンクカートを押してやってきた。

機内食のトレイにはパンと菓子パンが2種類とミニトマト、白米+コーン+チキンナゲットのような一品が出てきた。なぜパンが3つもあるのかは謎だが、それなりに食べられる内容だ。少しバランスは偏っているが、全体的に「可もなく不可もなく」といったところで、機内食に期待しすぎなければ問題ない。安い運賃で機内食がついてくること自体、贅沢を言える立場ではないとも思う。
遅延には要注意

ひとつ覚悟しておきたいのが、遅延だ。チェックイン時点でのシステム不具合が響いたのか、この日のフライトも出発が30分強遅れた。過去のフライト履歴を見ても、1時間前後の遅延はざらにある。
知っていれば「まあそんなものか」で済む話だが、乗り継ぎや到着後の予定がぎちぎちに詰まっている場合は注意が必要だ。CentrumAirを使う旅程では、到着後のバッファを多めに取っておくのが無難だろう。
その後、フライトは40分程度の遅延となりつつも、他特段のトラブルなく進み、タシケント国際空港に着陸。タラップで降機するスタイルで、青空の下をてくてく歩いてターミナルへ向かい、無事入国を終えることが出来た。
まとめ——乗ってみたら、意外とちゃんとしていた
率直に言う。乗る前は半信半疑だったが、CentrumAirは普通に使える航空会社だった。大型ワイドボディ機、機内食あり、乗務員の対応も標準的——これだけ揃っていれば、「得体が知れない」という不安は搭乗後30分で消える。ある程度の使い勝手の悪さと遅延リスクはあらかじめ把握しておく必要があるが、価格を考えれば許容範囲だ。寒さ対策だけは忘れずに。
韓国経由でウズベキスタンを目指すなら、CentrumAirは十分に検討に値する選択肢となることだろう。