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張家界武陵源で実は一番の見所?「黄石寨」レポート|南門から行く穴場エリアで絶景と猿をほぼ独り占めにした話

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張家界は広すぎる

マイナーだけど一番見どころ沢山?黄石寨をご紹介

張家界国家森林公園の入場券は4日間有効だ。それだけの時間をかけて回ることを前提として作られた公園で、確かに全部を丁寧に歩けば何日でも過ごせる規模がある。

ただ正直に言うと、同じような絶壁と柱状岩の景色が続くと、途中から感覚が慣れてくる。「また同じような眺めだな」と思い始めたら、それは飽きているサインだ。あるいは、そもそも張家界に割ける時間が限られているという人もいるだろう。

そういう人に真っ先に勧めたいのが、南門側からアクセスする「黄石寨(Huáng Shí Zhài)」エリアだ。中国では「黄石寨に登らずして張家界に来たと言うなかれ」とも言われるほどのスポットで、実際コンパクトながら密度が高い。

張家界のエリア構成

まず全体像を整理しておく。張家界国家森林公園は大きく5つのエリアに分けられる。

滞在先ホテルで頂いたマップ。黄石寨は地図の左下にちっこく描かれているが、実はこここそが武陵源の見所を凝縮したエリア

天子山景区(北門側)、楊家界景区(西門側)、袁家界景区(中央部)、金鞭溪景区、そして今回紹介する黄石寨景区(南門側)だ。

観光客の大多数が向かうのは東門側で、百龍天梯(世界最大級のエレベーター)で上がり、袁家界・十里画廊を回るルートが定番になっている。アバターの撮影地として知られる乾坤柱(哈利路亚山)もこの動線上にある。見応えは確かにあるが、シーズン中は人が多く、遊歩道は観光客の列がほぼ途切れない。

黄石寨は内部でつながっていないわけではないが、他のエリアとセットで回る設計にはなっていない。南門から入って黄石寨と金鞭溪を回り、また南門に戻るという独立した1日コースとして完結する。そのため他エリアからの流入が少なく、結果として人が少ない。

南門へのアクセス

南門は張家界市街から車で30分ほど。タクシーや配車アプリで向かうのが現実的だ。市内の長距離バスターミナルから路線バスを使う方法もある。

門の前に着くと、正面に切り立った岩壁がそびえ立っていて、すでに公園の雰囲気がある。入園後、道標には「黄石寨」「金鞭溪」「鹞子寨」の3方向が示されていた。今回は迷わず黄石寨方面へ。

入口に立った時点で既に奇岩がお出迎え

門から大氧吧広場(天然の酸素が豊富なエリアとして知られる広場)まで歩いて20分ほどで、そこからロープウェイ乗り場へ向かう形だ。

ロープウェイで一気に上へ

黄石寨への登り方は、徒歩(1時間以上)とロープウェイの2択だ。今回はロープウェイを選んだ。

ゴンドラは緑色の小型タイプで、数人が乗り込む。足元がガラス張りになっていることで、乗った瞬間から眼下に樹林が広がる。高度が上がるにつれて、柱状岩が次々と視界に入ってくる。朝の光が岩肌を斜めに照らしていて、ロープウェイの移動中から景色は十分に楽しめた。所要時間は10分ほどで山頂(標高約1,200m)に到着する。

ロープウェイ(索道)に乗ることそのものが既にアトラクション

なお、天子山や楊家界にもロープウェイはあるが、黄石寨のロープウェイからの眺めは砂岩カルスト地形を間近に俯瞰するという意味で特に評価が高いと感じる。

山頂エリアの遊歩道へ

ロープウェイを降りると、尾根沿いに遊歩道が整備されている。断崖の縁に木製のデッキが張り出していて、そこから眼下の峡谷と無数の柱状岩群を見渡せる形だ。基本的には山頂を一周する環状ルートで、回り切るのに2時間ほどかかる。

朝一番で来たこともあり、人がほとんどいなかった。展望スポットで写真を撮っても、他の観光客が映り込まない。東門側とは全く異なる体験だ。

黄公布道

最初に現れる主要展望台のひとつ。断崖の上に突き出したテラス状のスペースから、柱状岩が連なる峡谷を見下ろせる。朝の斜光が岩に当たり、日が当たる面とまだ影になっている面のコントラストが強い。靄がわずかにかかっていて、遠くの岩が霞んで見えた。

黄公布道から先は、断崖のヘリに沿って木製デッキが続く。手すりはあるが足元は断崖で、下を見れば深い谷だ。幅はあるので危険ではないが、「崖の上を歩いている」という感覚は否応なくある。

ここの景色が黄石寨のハイライトだと思う。柱状岩が整列するように立ち並び、光の加減によって色が刻一刻と変わっていく。人がいないので、デッキ上でしばらく立ち止まって眺めていても誰にも気を使わなくていい。

見どころポイントを通りながら

山頂エリアで全景を見渡すのに最適な場所が五指峰と摘星台だ。5本の岩峰が並ぶ五指峰は黄石寨を代表するビューポイントで、ここから袁家界方面、さらに遠くには乾坤柱(哈利路亚山)まで見渡せる(どれがそれなのかはわからなかったが)。

しばらく進むと「情人峰」と刻まれた石のプレートがある展望ポイント。ここで猿と遭遇した。仙人のような趣で欄干の上に堂々と座り、こちらをじっと見ている。背景に柱状岩が広がっていて、構図として完璧だった。

続いて「御花園」という石碑の横に、アバターの撮影地であることを示す大きな看板が立っている。「《阿凡达》第一取景地」の文字。このあたりの情報の信ぴょう性は正直わからない。岩の塔が霞の中に浮かぶような眺めが広がっていた。

猿が本当にたくさんいる

黄石寨を語る上で外せないのが猿だ。ニホンザルに似た猿が、エリア全体に大量に生息している。

とにかく多い。遊歩道の脇、橋の上、階段、欄干の上、ゴミ箱の上……どこにでも出てくる。しかも人を全く恐れない。観光客が階段に座って休んでいると、平然と横に来て座る。写真を撮ろうとすると逃げるどころかこちらをじっと見てくる。

山道で食事をしていると一瞬で囲まれてしまう

かわいいには違いないが、注意も必要だ。食べ物を持っているとすぐに狙われる。猿同士で、仲間とゴミの取り合いをしている場面も目撃した。ロープウェイを降りた出口付近に杖や棒を持った帰りの観光客が多いのは、猿を追い払うためだ。

実用的な注意点として、食べ物やビニール袋はリュックの中にしっかりしまっておくこと。ショルダーバッグや小さな手提げは猿の標的になりやすく、リュックサック推奨というのが現地での定説だ。

とはいえ、猿がいること自体は黄石寨の大きな魅力のひとつだ。展望台の欄干に猿が座り、その背後に柱状岩群が広がる——そういう光景が随所で見られる。

猿ばかり書いたが、デッキの途中で猫にも遭遇した。朝日を浴びながら欄干に佇んでいて、特に何かを気にする様子もなくこちらを見ていた。同行者が熱心にスマホで撮影していた。

下山後:金鞭溪にも少し寄り道

帰りは徒歩での下りもおすすめ

帰りは徒歩で下山した後、南門周辺のエリアも少し歩いた。

広場に出ると、目の前に巨大な岩塔が2本そびえ立っていて、その下で観光客が写真を撮っていた。紅葉した木々が岩肌の下に広がっていて、12月でも色が残っていた。

今回は時間がなかったので本格的には回れなかったが、金鞭溪景区にも少しだけ足を踏み入れた。木々の間を清流が流れ、その先に岩の塔がそびえている。山頂の圧倒的なスケールとは異なる、静かで穏やかな景色だ。黄石寨の絶景を見た後に、この渓流沿いをゆっくり歩くのはかなり気持ちいいはずだ。

南門を起点とした場合、黄石寨(ロープウェイ往復+山頂遊歩道で約3時間)と金鞭溪(渓谷沿い遊歩道で約2〜3時間)を合わせて1日がかりで回るのが定番のルートだ。丸一日取れるなら、ぜひ両方セットで計画することをすすめる。

まとめ・実用情報

所要時間は黄石寨のみで3時間ほど。南門からの移動時間も含めると午前中を使い切るくらいの感覚で、駆け足気味でも主要な展望スポットは全部回れた。

朝一番に入園したこともあって、展望台は終始ほぼ貸し切り状態だった。東門側と比べると観光客の数が体感で10分の1以下という印象だ。

張家界に1〜2日しか時間がない人、東門側をすでに回って景色に慣れてきた人、どちらにも黄石寨はおすすめできる。コンパクトで密度が高く、人が少なく、猿もたくさんいる。金鞭溪と合わせて丸一日使えれば、さらに満足度は高くなるはずだ。