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ブハラの14世紀ハマム「Bozori Kord」体験レポート——古都の路地裏で、600年前の儀式に身を委ねる【ウズベキスタン・サウナ活】

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ブハラにアンティークなハマムがある

ウズベキスタン第二の古都ブハラは、サマルカンドと並ぶシルクロードの要衝だ。旧市街を歩くと、ドーム型の屋根を持つ隊商宿跡や、タイルで彩られたモスクが至るところに残っている。そんなブハラの路地裏に、14世紀から営業を続けていると言われるハマム(公衆浴場)がある。Bozori Kord Hammamだ。

カラーンモスクとラビハウズを繋ぐバザールエリアのど真ん中に立地する歴史あるハマム

夜、バザールのアーチ型回廊を歩いていると、「БАНЯ / HAMMOM / BATHHOUSE」と彫られた木製の看板と、赤く光るOPENサインが目に入る。隣はティルパク・フルシュン(帽子売り場ドーム)のバザールで、古い商業エリアのど真ん中に、このハマムは何百年もの間静かに存在し続けてきた。

ウズベク最古級のハマム

ハマムはイスラム世界に広く普及した公衆浴場の文化で、単に体を洗うだけでなく、アカスリやマッサージを組み合わせた全身ケアが特徴だ。ブハラ旧市街のど真ん中に鎮座するBozori Kordは14世紀に建設され、現在も現役で営業している中央アジア最古級のハマムのひとつだ。

外から見ると、建物は市場の建物に埋もれるようにひっそりと佇んでいる。しかし屋根に上れば、土饅頭のような丸いレンガのドームがいくつも並ぶ独特の景観が広がる。ドームの頂上には小さな穴が開いており、ここから光と空気が内部に取り込まれる仕組みだ——14世紀に建設されたときから変わらない構造だ。

内部はアリの巣のように複数の空間が入り組んだ構造になっており、蒸気部屋・施術室・サウナ室・休憩エリアがつながっている。

男女が完全に別フロアに分かれているハマムが多い中、ここは同一フロアで運営されており、訪れたときには男女カップルがそれぞれ施術を受けていた。カップルや友人同士で一緒に体験したい場合にも対応できるのは、このハマムならではの特徴だ。

コースと料金

コースはいくつかあり、今回選んだのはもっとも高価でコミコミサービスのWith Procedureコース(500,000スム)だ。アカスリ・洗体・マッサージ・ジンジャー&ハニー塗布がすべて含まれる内容で、日本円で6,500円前後。ブハラの物価を考えるとそれなりの出費だが、これだけの体験が含まれていれば十分に価値はある。

体験の流れ

着替えエリアへ

入口を入ると、まず白い漆喰のドーム天井が広がるパブリックエリアに出る。ランタン型の照明が柔らかく灯り、壁にはスザニ刺繍や陶器が飾られている。ここが施術前後の休憩スペースだ。

着替えは、このパブリックエリアから少し奥に入ったスペースで行う。竹製のベンチ、古いロッカー——簡素な空間だが、これが14世紀から続く場所だと思うと不思議な感慨がある。

タオル1枚を腰に巻いてスタンバイ

施術担当のスタッフも同じ場所で同時に着替える。「これから一緒にやりますよ」という自然な流れで、そのままついていく形になる。タオル1枚だけを腰に巻いた状態で施術に臨む。人によってはこの時点で少し抵抗を感じるかもしれないが、ここはハマムなので覚悟を決めるしかない。

準備ができたらいよいよハマム空間へ入っていく

蒸気部屋で体を温める

まず通されるのは蒸気部屋だ。写真に撮ろうとしてもレンズが曇るほどの湿気が充満した暗い空間で、ドームの天井から弱い光が差し込んでいる。スマホを持っていく場合、防水ケースを装備したほうが良いだろう。生ぬるい蒸気に包まれながら、じっくりと体を温める。

ここではかなりの時間を過ごすことになる。「もしかして忘れ去られてる?」と思い始めるくらい、待つ。しかしこれは放置ではなく、れっきとした施術の一部だ。これだけ時間をかけて体の芯まで温めることで、次のアカスリやマッサージの効果が格段に上がる。焦らず、蒸気に身を委ねておこう。

アカスリ・洗体・マッサージ

蒸らしが終わると、施術部屋に移動してうつ伏せになる。石造りの施術台が複数並ぶ、アーチとドームに囲まれた空間だ。

担当してくれたのは男性若手スタッフで、荒々しさがありながらも確かな技術を持っている。アカスリでは体の表面を力強くこすり上げ、驚くほどの量の垢が出てくる。続いて豪快な洗体、そしてマッサージへと進む。

マッサージの途中、両肩の関節をこきっこきっと立て続けに鳴らされた。荒々しい。どうやらこれはここの名物らしく、両肩セットでやってくれる。思わず声が出そうになったが、施術が終わってみると、心なしか肩が軽くなった気がした。くすぐったがりなので正直少し心配していたが、施術の圧が適切だったためか、くすぐったさよりも気持ちよさが勝った。

ジンジャー&ハニー——覚悟が必要な仕上げ

マッサージの後、背中や胸にジンジャーとハニーを混ぜたペーストを塗られる。最初は「なんか温かいな」くらいの感覚だが、しばらくすると徐々に熱さが増してくる。次のサウナ室に移動するころには、ジンジャーの効果が全開になっており、体の表面が燃えるような感覚になる。

ジンジャーを塗られた状態で移動する部屋は、座面自体が熱く熱されたサウナ室だ。背中、尻、足の裏から熱が伝わってくる独特の感覚で、ジンジャーの燃えるような感覚と相まって、全身が火照る。「熱い」を通り越して「痛い」に近い感覚が来る瞬間もある。

冷水はバケツで思いっきりぶっかけられる

そして仕上げにかけられるのは、冷水だ。これは覚悟を決めておいたほうがいい。全身に冷水が浴びせられた瞬間は思わず心臓が止まりそうになる。しかしその直後、体が室温に落ち着くにつれて、全身がじわじわと整っていく感覚が来る。

まさにサウナ愛好家が言うところの「整う」あの感覚だ。ジンジャーで燃やされ、冷水で締められ、そして静かに体温が戻っていく——サウナ好きにはたまらない一連の流れだと思う。

締めはパブリックエリアでお茶

一通りの施術が終わると、着替えを済ませてパブリックエリアに戻る。白いドーム天井の下、木製ベンチに腰を落ち着けてお茶をいただく。ウズベキスタンでは、何よりもこのハマム後のティータイムを大切にする。

訪問したのは夜遅い時間だったが、観光客が数人いて自然と会話が始まった。カナダからの旅行者、ロシアからの旅行者——ハマムを共に体験した連帯感もあってか、初対面でも不思議と打ち解けやすい雰囲気だった。

まとめ——ブハラに来たなら、ここは外せない

ブハラには複数のハマムがある。もっとローカル色が強く、観光客がほとんど訪れないような場所もある。それはそれで味があるが、Bozori Kordは歴史的な建物の質、施術の内容、カップルや友人同士での利用のしやすさ、そして施術後にお茶を飲みながら旅行者と話せる雰囲気——すべてにおいて総合的なバランスが取れている。初めてブハラのハマムを体験するならここを選んで間違いない。

Bozori Kord Hammamは、観光スポットとして「見る」のではなく、体験として「味わう」場所だ。14世紀から続く空間の中で、古い時代から変わらない儀式に身を委ねるという体験は、博物館やモスクの見学とはまったく異なる種類の旅の記憶を作ってくれる。

ジンジャーの強烈な熱さも、冷水の洗礼も、両肩の関節を立て続けに鳴らされる感覚も——全部ひっくるめて「ブハラのハマムに入った」という体験だ。500,000スムを払う価値は十分にある。ブハラを訪れるなら、ぜひ予定に組み込んでみてほしい。